映画評

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劇場主


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カテゴリー「し」の80件の記事

2020年9月 8日

自分のことは話すな(2019)

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- 吉田珠央著・幻冬舎新書 -

どのような生き方をするかで、人は悩むものと思う。劇場主のこだわりと言えるものは、口先で人を操り、自分の利益を追求する人間になるなという事である。実際には、金持ちに憧れるあまり、ついつい誘惑にかられることも多いのだが。

ただ、もしできるなら日々の仕事に精を出し、責務を果たし、家族や社会に貢献したいと考えてはいる。いろいろ学び、諭され、経験していく中でそうなったのだが、後悔したくないという怖れから、そんな考え方になったのではないかとも思う。

おそらく自分でソフトバンクやユニクロのような会社を立ち上げていたら、こんな考え方はできなかったろう。動く金額が大きければ、考え方も変わるはず。ショボい商売をやっているから、利益を追求できないのか?

今の劇場主の考え方が、現実社会で自分の利益に通じることはない。経済的、精神的にも損する道になる。死ぬときには自己満足に浸って穏やかに天国へ行けるかも知れないが、生きている間は辛いままだろう。商売や人づき合いの面での利益がない考え方だからだ。  

劇場主とは違い、若い頃から上司に引き立てられて出世街道を突っ走る人もいる。人物評価は最高、やり手で、管理能力や人間性、すべてにおいて高いレベルとされるような人物。高級官僚や代議士、大会社の社長などの中に、そんな人は多い。でも、大成功をおさめた人物だから優秀とは限らない。人間性も分からない。

大きなスキャンダルが明るみに出て、その本性がさらされてみると、意外なほどに普通の人間で、ただ野心や欲にまみれていただけと想像される場合が多い。逆に言うと、野心や欲があれば、普通の人間でも社会的成功を狙えるとも言える。それは悪いことじゃない。

暴かれた実態がとんでもない悪人、犯罪者の場合に、その人物が高い評価を受けている間、本質に気づかなかったのは・・・それは我々が口先や雰囲気に騙されていたからだろう。騙されてはいけない。そして騙すことも避けたいと、劇場主は考える。自分が悪徳にまみれ、人のことを言える立場じゃないのは嫌だ。

この本は接遇教育に近い内容である。接遇トレーニングの講師は、旅客機の客室乗務員出身の人が多い。この本の著者もそうらしい。

人との会話は難しい。劇場主もついダラダラと、家内への愚痴や自分がやった運動メニューの紹介などをしてしまい、ハッと気がつくと、相手がどう返事したらよいのか困惑している様子が見える。内容も思いやりもない話を会話と勘違いしている。このままではいけないと考えて、この本を購読した。

この本は、そもそも人の生き方を論じる内容ではなく、接遇の仕方を解説するもの。ある意味で本心とは関係なく、条件反射で応対でするための、そんな受け答えのトレーニングメニューに関する本だと思う。商売をするうえでの、マニュアルと思えばよい。条件反射に精通しても、人間性に影響するわけではない。

トレーニングによって得た能力で顧客を獲得し、社会的に成功するのは良いことだが、実態がクソ野郎のままというのは望ましくはない。我々は、おそらく接遇対応が優れた人物を信頼できると感じて選んできたのだが、結果として役立たずのクソ野郎を選んでいたのかも知れない。接遇の質と人間の質を勘違いする浅はかな判断がなされたのだろう。

ただし、口先の反射をおろそかにしていると、自分の評価を下げる結果になる。会話を軽んずるべきではない。中身も立派でありたいし、受け答えも一定のレベルでありたいと願う。   

今日、支持を集めて議員になった人達が、コロナ対策で右往左往し、見当違いの施策をやらかす姿を繰り返し見ている。もちろんコロナ対策は難しいが、人として信頼できない連中が多すぎる点が一番の問題だと感じる。

端的に言うと、クソ野郎に命令されて、自粛を続けないといけないのは腹が立つ。指示内容は正しいのかも知れないが、その前に指示する人間が信用できないので、「仕方ない、あんたが言うならそうする」という風な了解ができないのだ。

たぶん、昔からそうだったのだろう。第二次大戦の時代も、当時のエリート達が無茶な判断を下し続けたはずだ。当時の首脳たちは、選ばれた優秀な人達だった。彼らは毅然としていて、きっと素晴らしい受け答えをしていたに違いない。彼らが選ばれたのは、商売レベルでの人の評価と、戦略レベルでの評価を間違えていたからだと思う。

彼らを選んだ人間は間違っていたし、そんな人間を選んだ先達も間違っていた。評価を、間違い続けている。

・・・そんなことと関係なく、この本は成立している。この本に「真心」などの単語は出てこない。そんなものの必要なく、日常が営まれている現実を忘れてはいけない。

 

 

 

2020年9月 2日

新型コロナウイルスの真実(2020)

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- ベスト新書 -

神戸大学教授の岩田健太郎氏が、クルーズ船での出来事などを解説した本。感染症管理の現場で培われた理論が、役所の慣習とぶつかった様子がうかがえて、興味深い内容だった。

岩田氏がクルーズ船に乗り込んだ経緯は、氏の言い分によれば、どなたかの推薦か許可があって現地に向かい、現場で責任者から感染管理を依頼されたそうだ。

ただ、それは口頭で依頼されたものと思われる。その場で、「指導してくれよ」のような言い方をされたという書き方だった。正式な文書が残るタイプの依頼ではなかったのだろう。

政府から派遣されていたスタッフは、岩田氏の立場が理解できなかったのではないだろうか? オブザーバーか、マスコミの一員か、本当の指揮官か、誰も聞いてない状況だったはず。立場は明確でないといけない。

救急の現場や戦場のような場所では、指揮系統が明確でないと失敗する。いろんな人間が勝手に意見を言ったら、皆がバラバラの行動をとって、収拾がつかないまま無残な結果に終わる。この点を、岩田氏も現地の管理者も、忘れていたのではないだろうか? お互いが、役割を確認してから会話を始めることが基本だ。

現場の状況については、現場にいた岩田氏以外の人間がどのような証言をするか、その内容を見ないと何とも言えない。おそらく、岩田氏が批判した内容は実際にあって、管理体制は不十分だったろうと思うが、どの程度ひどかったかは不明。

菅官房長官は、雑誌の中で岩田氏の行動を、「数時間船内にいただけで対応を批判したが、それで状況が分かるはずがない」「クルーズ船での対応は、世界各国から評価されている。」という風にコメントしていた。たしかに、全体を見ていなかったことは間違いないと思う。

一般的に言って、正しい評価は一部の観察だけでは難しい。評価をする際には、全体を確認することが必要・・・それは学者に求められる資質のひとつではないか? だから、岩田氏は批判されてしかるべきだろう。

くわえて、岩田氏は動画の公開の形で外部に一方的に顛末を公開していたが、相手がいる問題を一方的に公開するという手法は、相手の名誉に関わる。常識的な礼儀の面から褒められない。公開討論か、公開質問状のような形式が望ましかったと思う。

告発したい場合は、法的に認められる手法でやるべき。たとえば保健所に訴え出るなどだ。あるいはマスコミに連絡し、取材の形で暴露する権利もあると思う。国民に、状況を知る権利はあるからだ。手法上の問題はあった。 

いっぽうで、クルーズ船内の対応が高く評価されたという菅氏の言い分は、にわかには信じ難い。外交のレベルでは、済んでしまった事件に関して批判をしても仕方ないので、「大変でしたね。」「わりとよくやったと思いますよ。」のような、辞令的な言い方はされるだろう。それをもって評価が高いとは言えない。

もし相手国が正直な言い方をするなら、

「このクソバカ野郎、船の中でウイルスを培養して、我が国の乗客を危険にさらした。客を分けろ! 清潔区域と感染区域を分けろ! 本来なら賠償請求ものだが、請求権が曖昧だ。悔しいが今回は見逃してやる、この常識外れの、ウルトラバカのクソ阿呆。」・・・という評価かも知れない。

政府は、批判を受け入れるべきだ。どうせ完璧に対応できる国なんてない。力不足であったことを認め、死亡者や家族に陳謝すべきだろう。それに、SARSの流行があった後は、今回のような事態に対応する訓練をしておかないといけなかった。

欲が先走って、管理できないのに大型クルーズ船を呼び、インバウンドに期待していた・・・そのように見える。劇場主の勘違いだろうか?

船内で管理するのは、よほどな訓練が事前になされていないかぎり、無理だったと思う。クルーズ船への対応は、事前に準備しておく必要があった。岸壁にテントなどで収容施設を作って、乗船者の分割管理をするような緊急対応は難しかったのだろうか?緊急の収容に対応できないなら、そもそも船の入港は無理だろうに・・・

今日、日本版CDCの設立が望ましいというのは常識である。この本の結論のひとつだ。政府から具体的な発表はないが、検討はされているに違いない。役人の配置や権限の調整に時間を喰うだろうが、必要性は明白。

日本版NSCという組織はあるはずだが、今回は役に立ったのだろうか? 国家的な危機には、感染症の流行も含まれると思う。バイオテロは考えないといけない。NSCは何か活動したのだろうか? 発表を見た記憶がない。委員たちが興味ない、分からない、そんな反応だったとしたら、NSCは役立たずだったと言える。

もし戦争が起こったら、日本政府は役に立つだろうかと疑問を持つ。指揮系統はバラバラ、想定外の連続。司令官はなぜか経済分野の専門家、指示はおかしな内容、しかも誰も責任は取らない。防空頭巾を作る会社に予算の大半を回したり、信じられない行動をとりそうな気がしてならない。

 

2020年8月 7日

Think clearly(2019)

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-ロルフ・ドベリ著・サンマーク出版 -

スイス人の実業家にして著作家、ドベリ氏の本。少しでもクリアに考え、賢く生きたいと思って購読。いつの日か脳みそがクリアになり、何も悩まずに仕事、家庭が順調にいき、家族も職場も皆が幸せになる日が来るように願い、劇場主は啓発本に出資を続けている。

この本は非常に素晴らしい内容だった。特別なことが書いてあるようには思えないのだが、まとめ方、語り口が優れているのだろうか、強い説得力を感じた。反論を呼びにくい文章だと思う。

このような語り口で話されたら、商談もまとまるだろうし、社内で出世もしやすいだろう。ドベリ氏の書いた文章の流れ、理屈の表現方法は、できれば参考にしたいものだと強く思った。

内容は、ドベリ氏のオリジナルな知見ではなく、心理学者の研究結果や投資家の文章などから集められたもの。ただし、まとめ方が非常に上手いので、オリジナリティさえ感じられるほどだ。表現の仕方というのは、実に大きな力を持つ。 

思い返せば、今までの劇場主の語り口は非常にまずいもので、内容も言い方も、説得を期待できるレベルではなかった。間違いの原因は、正しくありたいという意識が強すぎたからかもしれない。正しくありたいという向上心は必要だが、間違っている人に攻撃的になる必要はない。

我々はサルだった頃の時代から助け合い、協調行動をとることによって生き残ってきたのだから、仲間に流されて愚かな行為をやらかすことも伝統的なことだったはず。生き残るために仲間と協調、敵には攻撃が基本路線。仲間が間違っていて愚かに思えても、いちいち怒ってはいけない。

集団の間違いをどう修正するかは大事だが、仲間の顔色を見て考えないといけない。誰も理解できない分析を披露しても、相手は困惑するのが当然だ。そういった面には、心理学的に考えて的外れにならない適切な方法があると思う。そこの理解が足りていなかった。

「思考の飽和点」という概念についても、思い当たることはある。何かの判断を迷っている時、いろんな事を考えすぎて、それ以上思考が進まなくなることはある。データが足りない、判断材料に不安がある、未知の領域で指標がない、そんな状況では誰でもあることと思う。次のステップに進めないまま、無駄な時間と労力を使うことがないようにできると良いのだが、煮詰まったまま過ごしたことも多い。  

その他、自分の感情のコントロールについても、多くの間違いを犯してきた。腹立たしい事に対し、根に持ったり、相手を無視したりするばかりで、自分の心を腐してきた。「分かっちゃいるけど、あいつはあまりにも酷すぎる、人類の敵レベルだから・・・」などと毒づくのは建設的じゃない。愚かだった。

残念ながら、劇場主の記憶力は非常に乏しくなっている。この本を一度読んでも、内容をすぐに忘れてしまっている。定期的に、特に判断に困るようなことが起こった時に、繰り返し読むべき本なのだろう。

 

2020年7月29日

ジョジョ・ラビット(2019)

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- Searchlight Pic. -

ヒトラーを崇拝する少年、反政府運動をする母親、隠れて暮らすユダヤ人少女らが戦時中を過ごす日々を描いた作品。DVDで鑑賞。 

戦時中のドイツを描くのは難しいと思う。あの時代をコメディで描くと、ナチス時代にも楽しいことがあったと、肯定的に描いたように批判される。苦しいばかりの日々として暗く描くと、観客からはそっぽを向かれる。難題に挑戦したという勇気を、まず称えないといけない。 

結果として、この作品は親子や友人達の関係をユーモラスに、肯定的に描きながら、狂気の時代を否定し、しかも娯楽として成立させているので、よい出来栄えだと思う。個々の人物の個性が非常に明確だったので、劇としての完成度が高いと思う。 

いっぽうで、ヒトラーがユーモラスな人物に描かれている点には、嫌悪感を感じる人も多いと思う。少年の頭の中に、なぜヒトラーを登場させないといけないのか、理解できなかった人も多いに違いない。ふざけた描き方が、そもそも許されないと考える人だっているはずだ。 

助演のスカーレット・ヨハンソンが非常に存在感を見せていた。美しく、生命力にあふれ、戦時中でも希望を持って生きる人間を、実に魅力的に演じていた。ワインをたしなんだりする演出も、魅力を惹きたてていた。

一般的に少年にとっての母親は、同年代の少女とは違う独特の色気を感じさせる対象だと思う。母親の色気や美貌は、子供にとっては誇らしく、無条件に好きだという感情を生む。その感情の表現のために、女神のようなヨハンソン嬢は最高の役割を果たしていた。彼女の役をコメディエンヌが演じたら、意味合いが違っていたと思う。 

主人公の友人役、指導教官役などの共演者たちも、役割を十分に果たしていた。 この作品を、他の描き方で作れなかったかと考えても、良いアイディアは浮かんで来ない。そもそも難しいテーマなので、触らないほうが無難だ。特に日本の場合は、この作品と同じタイプのコメディは受け入れられそうな気がしない。

東条英機が空想の中でダンスを踊る映画を作っても、観客には絶対に受けないし、冗談と理解してくれる人もいないし、ドスを持って問答無用で切り付けて来る狂信者だっているかも知れない。劇場主も、そんな映画を観たくない。

中国や韓国では、日本の軍人をあざ笑う作品を作る人がいるかも知れないが、この作品とは違う描き方だと思う。たぶん、日本人の全てが狂っていて頭が悪く、残忍な個性として描かれるだけではないか?

日本の場合は、ヒトラーのように目立つ存在がいたわけじゃなく、連帯責任の無責任体質の政治体制だったので、空想で登場できるほどのタレントがいないという面もあるだろう。 

 

2020年7月26日

ジェミニマン(2019)

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- Paramount -

アメリカ国防情報局に所属する主人公は、引退を決意する。しかし、彼は自分が無実の科学者を殺していたことを知る。陰謀を暴こうとする主人公に、強敵が迫ってきた・・・・DVDで鑑賞。  

この作品は前評判を聞いた記憶がない。映画館で公開されていたのだろうか? 劇場公開されないまま、ビデオ専門になってしまったかもしれない。 ジェリー・ブラッカイマーが関わった作品だから、内容はともかく、観客には受けるはずだったのだが、なぜかヒットはしなかったらしい。もしかして、さすがの彼もヤキが回ったのだろうか? 

主人公の戦いぶりには問題を感じなかった。スナイパーとしての腕の表現は見事で、最初のシーンの盛り上げ方にも問題は感じなかった。途中で襲ってきた敵とのバトルも素晴らしい出来だった。バイクでの追走劇や、銃撃戦も迫力があり、スピード感にあふれていたと思う。何がいけなかったのだろうか? 

ストーリーが早々と読めてしまった点は、問題だったかもしれない。黒幕が早く登場し過ぎていたように感じた。敵が誰なのか、徐々に分かったほうが怖さが出るはずだ。 この作品は、過去にも何度か観て来たような設定で、斬新な話ではないのだから、ストーリーの点で意外性を作り出す必要はあった。何か、もう一段の工夫が必要だったと思う。 

例えば、それは母親の話だったろうか? 代理出産を引き受けた母親には、主人公との間で何かの経緯があり、親子の関係がより複雑で、愛憎が抜き差しならない状態だったら・・・韓流メロドラマみたいになってしまうが、受ける人には受けたかもしれない。 

映像で何かの特色を出すことも考えられるが、この作品のアクション面には何も欠点がなかったと思う。もっと遺伝子操作を強化した怪物でも登場させるか? それで客受けする効果を出せるかどうか、劇場主には分からない。

友情の要素を取り入れることもできたと思う。敵の黒幕と主人公は戦友で、かつて恋人を争ったが、強い結びつきはあった・・・そんな展開もありえたと思う。とにかく、何かが足りなかった。

劇場主の年代でジェミニと聞くと、ジェミニ計画を連想する。あの計画のジェミニは、宇宙飛行士が二人で乗り込むことから、双子座を意味するジェミニが計画の名前として使われたらしい。この作品の設定は、親と子の関係が重要であって、双子とは意味あいが違って来るはずなので、タイトルも少し曖昧なものになってしまったかも知れない。他のタイトルでも良かったろう。

ジェミニをそのまま使うなら、最初から双子の工作員を敵にしたほうが良い。それなら、戦いが感情をともなうものになるのも分かりやすい。そのほか、展開の仕方としては二重三重のワナ、どんでん返しなど、何かの演出があれば、設定の古さを補うことができたかもしれない。

 

2020年7月17日

Think Smart(2020)

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- ロルフ・ドベリ著・サンマーク出版 -

スイス出身で航空会社のCEOなどを勤めた著作家の本を購読。頭を良くしたい、スマートに生きたいと思って買ってしまった。

社長が書いた本というより、心理学者が書いたような内容だった。研究者たちが様々な実験をして、人の思い込みや勘違いなどについて調べた内容を上手く整理し、印象に残るように書いている。会社を経営する場合に限らず、生きていく上で参考になる内容がいろいろあった。

著者は著作家であるから、本を読むことを勧めるのは当然だと思うが、この本に書かれていたように、ネットやテレビのニュースを見て情報を集めようとするのは、確かに時間の無駄遣いだと思う。

もともと劇場主はほとんどテレビを見ていなかったのだが、最近のコロナの騒ぎで夜9時のニュースを見るのが習慣になってしまった。東京都の感染者数が気になるからだ。東京が減れば、全国的に減るはず。注目せざるを得ない。

しかし、感染の状況がどうであれ、劇場主には何もできない。不安になるだけだ。元の状態に戻し、ニュースは新聞の見出しだけくらいに止めて、翌日に確認すれば良いだろう。感染者が何人いようと、身の回りに死者が出るわけではない。 

ネットのニュースも、もう見るのは止めようと思う。芸能人が何かおろかな発言をして炎上したのを知っても、セクシータレントのインスタ写真を見ても、たいして得るものはない。明らかに時間の無駄だ。どんだけ見ても、頭が良くなることはないし、生活が豊かになることもない。くだらない情報を集めても仕方ない。

様々な媒体で、必要もないニュースが編集者の意図によって列挙されているだけで、どう考えても関係ない情報がほとんどである。今後は、地震が起こったり台風が来たり、コロナのような重大な問題が発生しないかぎり、見ないようにしよう。検索の時だけ使う、それでいい。ニュースを読む時間が減れば、ずいぶんと時間ができるだろう。

商品を買う時もそうだ。クチコミを確認するのに時間を喰ってしまい、購入するまでに疲れ果てて、どうでもよくなって買っているのが現状である。「もうちょっと客観的なクチコミを出せ!」と怒る前に、買うな!読むな!と考えるべきだった。

成功の決定的理由は幸運であるという意見は、実際に学者たちが出した研究結果でもあるという。なんとなく感じることだが、統計的に証明されているとは驚き。 

医学会で尊敬を集める研究者達の話を聞いていて、頭が良いとは思えない人も多いことを感じる。頭は一定レベルだが、よく勉強し、良い指導者に遭うという幸運が重なり、学会の重鎮になっている人が多い。天才的な発見を次々と繰り返す先生は稀な存在だ。政府主催の検討会に出て来る人の意見でも正しいとは言えない。それはコロナの騒ぎを見ても分かる。  

孫正義氏は大成功をおさめた企業家で、若い頃から思い切った投資、先を読んだ買収などで会社を急成長させてきた。優秀でないはずはない。ただ、常人のレベルを超えた判断をしているので、かなりの異常者かも知れない。昨今の企業買収は、さすがに投資に見合った効果を得ていないし、元々の借金体質を考えると既に墓穴を掘っており、回復不能な状態になった可能性もある。

今後は厳しいことが予想される。コロナ恐慌によって破綻し、解体されるかもしれない。優秀というより、単に運の良かっただけの異常者と判明するかも知れない。会社が一定レベルの規模になったら、孫氏の判断ミスが会社を危機にさらすことがないシステムが必要だろう。そこまで構築する能力が、本当の能力だ。 

 

2020年6月26日

ジュマンジ(1995)

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- Tristar Pic. -

両親を亡くした姉弟が、魔法のゲーム「ジュマンジ」を始めてしまう。ゲームからは動物たちが出現し、町は大混乱に陥る・・・・DVDで鑑賞。近年のジュマンジ・シリーズを観ていて、あらためてオリジナル版を観てみたくなり、ビデオ屋さんでお借りした次第。

この作品は、CG技術の点では年代を感じさせる。今なら極めてリアルなサルたちが描かれると思うが、この作品の時代はマンガのような顔をして、動きもギクシャクした描かれ方である。当時の技術の限界ギリギリのレベルで描いたはずと思うが、最近のCGとは完成度が全く異なる。技術の進歩は本当に早いと感心する。 

1995年というと平成7年、劇場主が勤務と子育てで忙しかったころ。この作品を劇場で鑑賞することはできなかった。少し後になると、ピクサーやディズニーの映画を子連れで観ることになるが、まだビデオ中心の時代だったはず。

もし、この作品を子供と観ていたら、描写がすこし強烈すぎると感じたかもしれない。笑えない銃撃シーンや、迫力があり過ぎる洪水のシーンなどもあるので、作品が狙った対象年齢は幼児期ではないように思う。小学校の高学年から中学生くらいか? 

銃撃の描き方は、もう少し子供向きにおかしくしていたほうが良かったのではないかと感じる。ドジなハンターが襲って来るが、おちゃめな失敗を繰り返しているといった設定でないと、子供が見る作品には向かない。笑いを求めるかどうかの、微妙なセンスの狂いを感じた。

欧米の童話には、かなり怖い話が多い。怖さがないと、子供たちが飽きるという感覚があるのだろうか? グリム童話も、えらく残酷な話が多い。その伝統でスリルに重点を置き、笑いの要素を軽めにして、冒険映画にしたいという考え方だったのだろうか?そうならば、それに徹するべきだ。 

SONYが企画した2017年以降の新シリーズは、笑いの要素にかなりの比重を置いている。親子の関係よりも、友情の構築や再確認のほうを重視している。路線としては、新シリーズのほうが商売に長けていると思うが、一般的にはどう評価されているのだろうか? 興行成績は圧倒的に新シリーズのほうが上のようだが。 

懐かしいロビン・ウイリアムスやボニー・ハント、まだ小さかったキルスティン・ダンスト嬢が出演している。ロビン・ウイリアムスの動きは非常に軽い。彼は40代だったのだ。子供のように純粋な考え方をした大人を演じさせると、素晴らしい味わいを出す俳優だった。心に傷を持ちながら、大人しく日常を過ごす優しい人間を演じさせても抜群の味があった。

この作品の頃はたくさんの作品に出演するスターだったが、徐々に脇役が中心になり、まさかの急な最期を迎えることになった。生きていれば、今のシリーズにもきっと出演していたのだろうが、残念だ。

 

 

 

2020年6月10日

ジュマンジ/ネクスト・レベル(2019)

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- Columbia-

前作で壊したはずのゲームを、ふたたび動かしてしまった。迷い込んだ仲間を救うため、4人がゲームに参加するが、想定外の現象が起こってしまう・・・DVDで鑑賞。 

コロナウイルスの影響で、連休前のビデオ屋さんの受付は客が込んでいた。濃厚接触、3密の環境であり、できれば行きたくない。しかし、ビデオなしでは空き時間の扱いに困る。なにしろ、行楽地に行くのを自粛するよう言われているからだ。ビデオは、ネット申し込みだとクレジット情報の提供が必要になり、個人情報が洩れる。仕方ないので、ウェットティッシュを手に持ち、マスクをがっちりはめて店舗で借りている。今後も、このままの借り方を続けよう。  

今作ではダニー・デヴィートやダニー・グローヴァーが出演しており、老人ネタ、互いの諍いや友情の話が物語に深みを与えていたようだ。さらに、互いのキャラクターを入れ替える不思議な水の影響や、バギーカーによるカーチェイス、吊り橋を使った逃走劇など、前作とかぶらないように新しいアトラクションを考えてあった。舞台も砂漠や山岳地帯などに変えてあり、マンネリにならないような工夫を感じる。

ゲームの仕様がそうなっているのかもしれない。設定が色々あって、その中から映画用に都合の良いものを採用しているような気がする。 

前作は非常にまとまった作品だった。高校生の主人公が、心身ともに情けない状態から、冒険を通じて友情をはぐくみ、自信を深めていく成長の喜びを観客もいっしょに体験できるような、そんな流れができていた。今作も、青年が再び自信と友情を取り戻す流れは同じで、それに加えての老人の友情のエピソードも適切に重みを置かれており、出来栄えは悪くなかったと思う。

ただ、極めて感心するほどの斬新さがあるとは感じなかった。面白い作品だとは思うが、次に第三作が企画されたとしても、さすがに素晴らしい出来を期待できないような、限界を見た印象がある。やはり襲って来る敵が動物に限定されていることなど、自由にやれていない部分があるから仕方ないと思う。

「パイレ-ツ・オブ・カリビアン」のような、奇想天外で自由な発想は、このシリーズではやれない。その壁を打ち破ることができそうなら、新しい企画が進むだろう。動物が襲って来る話を逸脱し、中世の戦場や荒野のカーチェイス、宇宙を舞台にすることや、恐竜がいた頃の世界など、ありえないわけではない。 

ドウェイン・ジョンソンは今日最高のメネーメイキングスターであるし、「ランペイジ」では制作も兼ねていた。このシリーズにも制作で加われば、「ランペイジ」の技術をそのまま持ってこれるだろう。そう言えば、ラストでゲーム機は壊されていなかったような気がする。次作の布石が打たれていたのかも。

 

 

2020年6月 7日

社長って何だ! (2019)

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- 丹羽宇一郎著・講談社現代新書 -

伊藤忠商事の社長や、中国大使を務められた丹羽宇一郎氏の著書。新書本を購読。

丹羽氏は商社の人間である。基本的には利益至上主義の人物ではないかと考えないといけない。多くの本を書いておられるが、氏が人格者であるという客観的な評価を知らない。商売人だから正直な人間であるとは限らないし、国民の利益のことを重視しているかも分からない。

もしかすると中国に取り込まれた人物の可能性もある。大使時代の言動は、どちらを向いているのかよく分からないものもあった。伊藤忠のためにしか動いていない可能性もある。それらを考慮したうえで、この本を読むべきかも知れない。 

氏が社長になる前、伊藤忠が債務過多に陥っていたとは知らなかった。伊藤忠や丸紅などの総合商社は、抜け目ない戦略で常に利益を確保し、赤字など出したことがない、そんなイメージを持っていた。でも経済に詳しい人なら、きっと実情を知っていたはずだ。バブル崩壊やリーマンショックの頃は、商社と言えども不景気に見舞われないはずがない。劇場主が知らなかっただけで、会社の中では壮絶なことが起こっていたのだろう。 

著者によると、社内では会計操作によって黒字と見せかける時期が長く続いていたらしい。株価などのことを考えると、赤字の報告にはなかなか踏み切れないはずだ。赤字を出した者は責任を問われるから、出世をあきらめないといけない。自分のせいじゃない赤字なのに・・・そう考えると、負債の処理は後回しにしたくなる。著者御自身にも責任がないわけではないだろう。 

負債を処理するには、反対派を抑え込み、責任を明言し、最終的に良い結果を出す覚悟がいる。巨額の金が動く大きな会社のことだから、胃が痛くなるような思いをしたことだろう。壮大なバクチのようなものだったに違いない。それを成功させたことで、氏の評価は今でも高い。

そう言えば、日産のゴーン元社長もそうだった。日産の業績をV字回復させ、凄腕社長の代表選手と思われていた。ゴーン氏は、結局は会社の金を自分のものにしてしまったらしく、一時期思われていたような尊敬すべき経営者ではなかったようだが、モラルの部分を除けば、優れた業績を残したと言える。

ゴーン氏が調べを受けていた犯罪がどのようなものか理解できないが、氏も壮絶な職務を果たした時期があったはずだ。巨額の報酬を受ける権利も、ありそうな気はする。会社が傾くほどの金額でないなら、あまり法律で縛らずに、自由にさせてはいけなかったのだろうか? 株主には不利益を生じるが、それが嫌なら投資しないと良い。腹が立てば、訴訟を起こせばよい。

どんな経緯で報酬をしばる法律ができたのか、そこらへんがよく分からない。株主は、損しても自己責任で良いのでは?投資を呼び込むために、ある程度の規律は必要だが、保護し過ぎる必要はない。リスクを背負うべきだろう。もっと大事なことを法律で規制すべきだ。たとえば、商品の生産場所だ。

最近になって知ったのだが、マスクの生産は中国一国に依存していたらしい。それでコロナ感染の発生により、いっきに品不足になった。いかに原価が安かろうと、重要な物品を一国に依存するのはリスクがある。だから安全保障のために規制が必要で、会社の自由にさせてよいはずがない。そっちのほうが、国家戦略としては大事だ。株主保護なんて、二の次、三の次の問題だ。

一か国への依存度は一定以下に限定することを、法律か社則で決めさせるべきだ。業界団体の規制でも良い。一か所に偏る企業の税金を増やす手もある。法律の視点が間違っていると、国民が苦労する。グローバル社会においては、変化が急激に来る。事前に危険性のあることを予測し、安全保障を維持すべきだ。食料の確保などにも、もっと頭(=法律)を使わないといけない。

リスク管理できていなかったマスク業者、医療機器会社、流通会社、厚生省の役人は、全て能力不足だったと言える。責務を果たせなかった。すべての社長が失格だ。役人も与党も野党も失格。ついでにといったら悪いが、伊藤忠商事がマスクを扱っていたなら、丹羽氏も失格だ! 氏も効率と利益を優先し、害を社会にもたらした社長の一人と言える。リスクを考える基本的能力は必要だ。

社長とは何だ!・・・それは、劇場主が述べたことを達成できる人間だ!株主がどうなろうと知ったことじゃない! 社長である以前に、国民への義務を果たさないといけない!

 

 

2020年5月23日

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017)

Jumanji

-Columbia-

ゲームの世界に迷い込んだ高校生たちが、襲って来る敵や動物たちをかわし、目標をクリアできるか?という話。DVDで鑑賞。 

高校生のキャラクターが代わり、キン肉ムキムキの主人公に変わるが、精神的にはそのままで幼いという点が面白かった。 友情や愛情をはぐくむ健康的な内容であり、アクションやお笑い、スリルに満ちたシーンもあり、娯楽作品としての完成度が高い。

舞台はジャングルというよりも絶壁や空中のほうが中心で、動物たちが次々襲って来るわけではなかったが、映画としての面白さを考えるなら、それは正しい選択だったと思う。  

コロナウイルスの影響で、しばらく観光も外食もできない。家でビデオでも観て過ごすしかない。確実に楽しめる娯楽作品はないかと探していたが、先日「ランペイジ」をテレビでやっているのを見て、そういえば主役のドウェイン・ジョンソンがジュマンジにも出ていたなと思いだし、両作品に共通する部分が多いはずなので、なんとなく面白そうだと考えて借りることにした。 

今はネットフリックスなどで鑑賞する人のほうが多いのだろう。ツタヤのレンタルは14日間も借りれるようになっていた。店舗内のお客さんも減っている印象。ツタヤが潰れると非常に困る。本を買える場所がどんどん減っているからだ。 

この作品には最近まで興味が湧かなかった。なんといっても、ロビン・ウイリアムスが主演していた旧作のイメージは強く、あれのリメイクで良い作品ができるとは考えにくい、そんな固定観念があった。実際に作品を観て、この企画を考え付いたアイディア、構成力、技術に感心した。勇気が要る企画だったのではないか? 

普通なら退屈な作品に終わっていたと思う。そうさせなかったドウェイン・ジョンソンの存在感の素晴らしさも、再認識してしまった。おそらく、高校生達がそのままゲームの中で行動していたら、観客には全く受けない。個性が大きく変化したから面白いのであるし、特にいかついジョンソンが気弱な個性を演じることには、大きな効果があった。

劇場主のイメージとしては、ジャック・ブラックが出演すると、なんとなく失敗作に終わるような気配を感じてしまう。米国人には面白いキャラクターなのかもしれないが、演技にわざとらしさや無理を感じる。だが、ドウェイン・ジョンソンといっしょに出演すると、わざとらしさはかえって善き脇役の個性に変わるようだ。
 
作品は凄くヒットしたらしい。親子で観れる内容にしたことが良かった。健康的なお色気を見せてはいても、エロティックな面を強調していない。小学生でも笑えるようなオチンチンネタくらいしか出していなかったので、普通なら低レベルのお子さま映画の感覚につながると思うが、この作品に限っては、良い効果を生んでいた。作品の個性に合った表現、キャスティング、ストーリーの流れなどの調整が全て良い方向につながっていると感心した。

 

 

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