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カテゴリー「こ」の39件の記事

2020年7月 2日

新型コロナウイルスへの対応 その8

- 7月2日現在 -

東京都の感染者数は50人程度が続いている。なかなかゼロにはならず、むしろ増加傾向のようだ。主に新宿区の歓楽街で発生しているから、やはり夜の街は不衛生な環境なんだろう。

でも店の人間も感染が怖いはずだし、客だってバカじゃない。国などから衛生面の指針が提示されるらしいので、それが順守されれば、やがて収束する可能性もゼロではないと思う。

劇場主も気が緩んだわけじゃないが、数カ月ぶりにスポーツジムに通いだした。ジムは窓が少なく、感染の巣窟になりやすい。事前に着替えをして入館し、拭き取り用のタオルを借りて自分が触る場所を拭いて回り、誰ともしゃべらず、着替えないまま帰るようにした。  

(ステイホーム)ステイホーム運動の効果について、JAMAに掲載された論文を読んだ。米国の隣り合う州であるアイオワとイリノイ州で比較したら、規制によって一か月後の感染者数は6割程度に減っていたそうだ。

6割は意外に効果がない気もするし、少しでも減ったなら、おそらく次の一か月でさらに差が出るだろうし、やはり規制に意味はあると考えられる。東京都だって、5月に急に感染者数が減った。もし感染力の強いウイルスがまた流行ったら、今後も外出規制が発令される根拠となるだろう。 

(中国と韓国) 中国では6月から北京付近で患者が増えだした。海外から再流入したのだろうか? 北京は封鎖しにくいので、武漢のように管理できるかどうか分からない。

韓国も同様で、どこかから持ち込まれた感染クラスターが散発している。感染に勝利したかのように見える地域でも、油断できないことが分かる。人の移動を完全に遮断することは難しい。

そこから考えると、なにかしらの自粛、規制は続けざるを得ないと思われ、流通や人の移動に関しては、今後数年間は元に戻らないんじゃないかと推定される。観光、飲食関係では、商売を諦める人も増えて来るだろう。 

(ドイツ) ドイツは、EUの中では感染者数が少なかった。雑誌やネット記事で見ると、対策が実に鮮やかで、理屈に従って行動できている点で、最も参考にすべき地域と思う。

日本より被害は大きかったが、日本の成功は、元々の衛生習慣や、ちょっとした幸運によるものと思われる。日本の政策も滅茶苦茶ではないとは言えるものの、理論に関しては脆弱で、冗談のような施策もあった。

日本政府には危機を想定して準備し、国民を守ろうという意識が、そもそも欠けていた。ドイツのような法律、職を続けられる補償、検査体制、それらは必須であることが明らかだ。さすがに今後は今回の失敗から学び、改善する政策を打ち出してほしい。第二波に間に合わせることが必要だ。 

(スウェーデン) スウェーデンの政策も参考になる。 あまり規制をしなかったことで、徐々に感染者数は増えているようだ。だが、経済破綻、医療崩壊には至っていないので、もしかすると適切かつ、理性的な対応をできたのかも知れない。少なくとも無駄な予算は使っていない。

現在の免疫獲得率は7%前後らしい。日本よりは高い。7%だと、次の大流行を防御することは難しいが、このままの状況を維持できれば、数割までゆっくりと持って行き、ワクチンができるまで我慢できるかもしれない。

もし結局ワクチン開発が難しいと判明したら、スウェーデンこそが最善の策をとったと言えるだろう。コロナウイルスは免疫が成立しにくい性格を持つ。だから、まだ結論は出ていない。

(日本)コロナの感染管理は、誰にもできないと思う。個人の能力では無理だ。劇場主が首相や厚生大臣であっても、感染をゼロにはできない。ただ、結果が同じとしても姿勢は違っていたはずだ。

残念ながら流行の前に、感染症の分野は、自民党や省庁の利益には、あまり関係ない領域だった。

日本の政界の構造は、①財界の特定分野に有利な予算が組まれる、②予算に関わる役人と政治家が影響力を強める、③影響力の強い人物に忖度する人間が増える、④権力におもねるルートが構造化し、関係ない分野の問題は無視される、そのように出来上がっている。

感染症の管理は、通常の状態では構造の中にいる人間にとっては興味がない問題のはずだ。オリンピックやリニアモーターカー建設、付き合いのある企業の利益のほうが重要に思えたことだったと思う。他のことに予算を回したりしたら、仲間から自分が排除される可能性もある。流れに調子を合わせないといけない。

そのため、危機管理意識がはたらかなかったのだろうと思う。危機というと、自分の失脚や選挙で負けるなど目先のことが最大で、あとは近隣の国々による武力攻撃くらいしか想定できないはず。起こりうることを想定し、それに対して準備する、その当たり前のことを、構造が阻んでいる。

劇場主はそこを心配していたが、今回は予想通りの当然の結果が出てしまっているようだ。こんなに問題点が明らかなのに、根本的構造改革に考えが及ぶ人は少ない。もっと酷い目に遭わないと目が覚めないのだろう。 

 

 

 

 

2020年6月 1日

新型コロナウイルスへの対応 その7

- 6月1日時点 -

(自粛の効果) 街中への不要不急の外出、通勤、学校、飲食店の営業など、日常の活動を自粛した生活が長く続いている。劇場主は、そろそろ回転寿司にでも行きたいと思うが、まだ感染者が隠れていそうな気がして、見合わせている。最近は北九州市の感染者数が増えていて、気になる。

今回の自粛の効果は想像以上だった。緊急事態宣言の直後、東京都の新規患者数が200近い数字で、あまり変化が見られない時期が続き、もしかして無効だったのか?と思ったが、ゆっくり減り始めると、一気に10人近くまで減った。実際に減るまでは信じられなかった。

ただ、地方都市についての効果は分からない。もしかすると必要以上に規制してしまったのかもしれない。小中学校の休校の意義も不明だと思う。自粛なしで感染して免疫を獲得させる方が、長期的には結果が良い可能性も残る。感染者数のピークを遅らせるだけで良いか、本当のところは分からない。

報道によれば、4月の海外からの旅行客は、昨年同月の1%くらいしか来なかったそうだ。それだけ減らすことができたということに驚く。海外も渡航禁止をしているからだろうが、まさかそんなことが現実にできるとは考えなかった。人と人が接触しなければ、感染力を頼りに生きている病原体は、拡がりようがないのだと、当たり前のことを確認できた。

自国だけ頑張っても、外から新規の流入があれば防ぎようがない。今後、渡航が再開されたらどうなるのか、とても怖いのだが、今の時点では分からない。

(学校、店の再開) 市内の小中学校も、6月1日から通常の授業が再開される予定。夏休みを1週間程度に減らし、残りは授業を続けるらしい。教員の方々に聞くと、既に日程の余裕の限界を超えているそうで、おそらく冬休みもあまりないだろう。

エアコンを使うと換気ができないので、窓を開けたままやるのか? 少し窓を開け、エアコンはつけっぱなしにする? 電気代が嵩むが、気にしてもいられない。今年も猛暑がやって来そうだが、マスクをしたままだと倒れる生徒、先生がいるのでは? 倒れたら、熱中症かコロナ感染か、判断に困るだろう。

5月15日に、流行地域を除いた県は緊急事態宣言の対象から外れ、飲食店や図書館などが営業を再開してきたが、様子を見たい客も多いから、混雑はまだまだのようだ。いつごろ回復するのだろう?

でも、雰囲気としても恐怖感がだんだん薄らいできたように思う。道を歩く人の中にはマスクをしない人が増えている。劇場主もマスクを忘れることがある。気が緩みつつあるようだ。

(マスク)政府が配布する予定のアベノマスクは、まだ届いていない。宣言からもう2か月くらいになるか? 不良品が多かったからだそうだ。いっぽう、市販のマスクは徐々に流通が戻りつつある。感染者が減って、マスクも流通すれば、価格は暴落してくるはずだが、まだ高止まりの印象。おそらく購入費が高すぎて、値下げできないのだろう。

今まで通販で購入していた品は、50枚で350円くらいだったが、市中ではまだ1500~2000円くらいが相場らしい。自分が使う分は滅菌して再利用しているので、劇場主の医院の在庫は問題なさそうだ。

それにしても、アベノマスクは酷い失敗だと思う。評論家達は一定の意味があったなどと述べているが、それは無理がある。配布できていないし、膨大な予算を使っているし、そもそも効果に限界があり、さらに品質も悪い。どう贔屓しても失敗だ。

予測能力のない人達が決めた政策だろう。心意気の問題かもしれない。首相が頭を下げて、「国に力を貸してください、マスクを作ってください。」と広く国民に訴えかけるほうが一体感が生まれ、効果があったと思う。

(給付金、助成金)5月15日に、一人あたり10万円の給付金の申請書が届いた。手書きの場合は、保険証や通帳コピーを添付して提出する仕組みのようだ。これを処理するのは、どの部署だろうか?記載内容を確認し、入金の手配をするのに結構な時間がかかると思う。一人の職員が1日に何人分できるだろうか? 

もし劇場主が飲食店をやっていて、家賃や給与で100万くらいの固定費があれば、緊急の支援金も月80万円は欲しいと思うだろう。数か月遅れでもらうことができても、貯金を大きく減らしているだろうし、雇用調整金の申請は実に手間がかかるものらしいから、資金繰りに間に合わない。

助成のシステムは、考え直したほうが良いと思う。おそらく、収入が激減した人が、自分のマイナンバーカードを通じて収入減であることを市か県、あるいは税務署のサイトに連絡し、瞬時に給付金が出るような方法が望まれる。国民に広く配るのは、無駄の多い方法だ。

公明党が力を入れることは、どうも伝統的に大盤振る舞いが多い気がする。景気の良い政策は、選挙には有利に働くかも知れないが、国民の利益になるとは限らない。与党でいてもらうと本来の存在意義がない気がする・・・

(倒産)5月15日にレナウンの倒産が発表された。コマーシャルで印象深い会社だ。知らなかったが、中国の企業集団に買収されていたそうだ。利幅が大きいはずの高級服飾関係の会社も、デパートが休業になると影響が大きい。デパート以外の店舗に出店すれば、イメージが下がって安物ブランドになってしまう。独自の店舗を運営するには土地代、建物代の費用が嵩み、経営を圧迫する。経営戦略は難しい。

いっぽうで、資金力に余裕のある企業は、これから買収や統合に向けて激しく活動するに違いない。発展するためには、企業の価値が下がる時期を見計らって買いたたく必要があり、これからしばらくが勝負になる。大企業の多くは内部資金を溜め込んでいると聞く。よって大手がさらに大きくなる現象が、しばらくは続くのではないか? 

(検査キット) 抗原を検知するキットが開発されたようだ。精度がまだ分からないが、報道によれば8割近く反応が得られるそうだ。でも、検体を採取する際の防護服の確保は難しい。仮に使用できるようになっても、自分が病気をもらう可能性を考えると、できれば検査は遠慮したい。

検査代が6000円と決まったらしいが、防護服とキットの代金を払ったら、赤字かも知れない。実際に使うためには、劇場主考案(4月18日記載)のビニール袋を使う方法が必要になると思う。冬場にかけてどう対処するか、考えておこう。

(ワクチン、集団免疫)ワクチン開発の情報が乏しい。国によっては治験が始まったらしい。免疫原性の低いウイルスだから、本当に有効な製品ができるのか分からない。SARSでできなかったのに、今回はできるのか?

東京都で、小規模ながら抗体検査をやったらしいのだが、抗体保有者が数パーセントだったらしい。東京は患者数が多く、既に10%以上もいるような印象を持っていたのだが、意外に低い。慶応大学の新規入院患者で6%がPCR陽性に出たというのは、単に対象者の違いによるものだったかも知れない。検査の信頼度も分からない。

ニューヨークは本当に感染者が多く、人種や地域によっては40%が抗体を持つらしい。そこまで行くには、今回のような大流行を経ないといけなかったのだから、医療崩壊を起こさない状態を続けた国々では、集団免疫の獲得は難しいと考えられる。流行り続ける下地はあることになる。

抗体陽性率が低いとなると大変だ。どこかからウイルスを持ち込まれたら、また振り出しに戻ると考えざるを得ない。県をまたぐ移動や海外旅行客の受け入れ条件は、なかなか緩和できないということになる。

おっかなびっくり、感染者数の増加、客足の動向、株価、各国の状況などに神経を使いながら、という状況。とりあえず明日の生活費に困るほどの収入が減っていないのが有難い。

 

 

 

2020年5月 5日

新型コロナウイルスへの対応 その6

- COVID-19 -

(ワクチン) おそらくワクチンの値段は製造元が強気に出て、べらぼうなものになるはず。それでも希望者が殺気立って電話して来るだろう。ワクチンパニックが起こるはずだ。脅迫も覚悟しないといけない。「テメエ、在庫がないとはどういうことだ!射てと言ったら射て!」「予約しましたわ ♡(実は嘘)。」など、あらゆる言い方を覚悟する必要がある。

それに新型コロナウイルス感染症は軽症の人が多く、ウイルス排除に時間がかかる人も多いことから考えて、免疫の成立が簡単ではないだろう。ワクチンの効果も微妙なものに終わるかも知れない。集団ごと接種して、はじめて効果が出るタイプではないか? 秋ごろには判明してくるだろう。

肺炎による入院を減らせるかどうか?致死率を減らせるか? もし微々たる違いしか出なかった場合、皆の期待が裏切られた時の反応は、それはひどいものになるだろう。インフルエンザのワクチンがどうなるのかも気になる。生産ラインがコロナウイルス用に変えられたら、インフルエンザの大流行につながるかも知れない。

(さまざまな論争)ネット上での論争は活発で、内容が酷いものも多い。白鴎大学の岡田教授や神戸大学の岩田教授がメディアで活発に発言したため、揚げ足を取るような感情的批判が多数出ている。

教授らの話した内容には、確かに不正確なものもあったと思う。語り口も、攻撃的すぎたのではないだろうか? 指摘の内容が正しくても、現場で指示通りにやってる人間は疲弊しきっているはずで、そこに鞭うつような内容では、やるせないだけではないか?

安倍総理に対しても、批判は多い。マスクを一家に2枚配る施策を発表したが、海外に委託したようだ。値段が高いし、不良品が多くて問題になっている。それに税金を使うよりも、頭を下げて「力を貸してください、作ってください」と言うほうが、お互い力を合わせる雰囲気づくりのの効果があっただろう。予算は必要な分野に、大事に使うべきだ。

給付金でももめた。国民全員か低所得者か、10万円か30万円か、線引きは難しい。公明党に脅されて、10万円一律に決まったが、おかしな対応だった。早く対処しないと、生活できない人は多いはずだ。月に10万円を数か月間、必要な人だけに・・・そんな配布が、本当は必要なんだろうが、手続きが難しくなる。

家賃や光熱費、借金など、大きな支払いを保証するような分野に、早めに手をうった方が良いと思うのだが、それも難しいのだろうか? 税金に関しては、猶予するという連絡がきた。その他はまだだ。対処は遅れている。緊急事態宣言発令の時期も遅かったと思う。「遅れていない。」といった反論をしているが、やるなら早い方が効果も大きいはず。

ただ思うのは、そもそも論争は、SARSが起こった時期に済ませておいて欲しかった。感染力や致死率に応じて、やることは決まって来る。PCR検査が少なすぎたようだ。法律や物資、手はずを整えて備えておくべきだ。今は議論する時期ではなく、粛々と計画通りに作業すべき時なのに、と思う。戦場を想像すれば分かる。戦っている最中に議論するようでは、もう既に負けではないか?

 

 

2020年5月 3日

新型コロナウイルスへの対応 その5

- COVID-19 -

(学校)熊本市では5月いっぱいは休校になった。滅多にない経験を、学生や教師、親たち皆がしていることになる。上級生にはNTTからタブレットが来て、遠隔授業をしているらしい。市外の小学校は授業をやっているところもあるという(訂正5月6日。4月初旬に県内は再び休校になっていた。)。

学校の休校は、子供たちが暇を持て余す結果になった。タブレット授業や、宿題を大量に出して週に一回の集まりで回収するなど、各校で工夫した対処法が選ばれている。ゲーム中毒は確実に増えて、学力にも大きな影響があるのではないだろうか?

学校を中心に休ませるのと、会社や交通を止めるのと、どちらが有効で害が少ないか、劇場主には分からない。感染者の年齢を見ると、20代~50代が多い。だから、おそらく小中高よりも大学や塾のほうが流行に影響するように思うが、推測の域を出ない。子供でも亡くなる可能性がゼロではないので、感染を気にする必要はないなんて言えない。

(大学)次男が大学に入学したものの、こちらもやはり授業がないままだ。本格的始業の時期は不明だが、夏以降になるかも知れない。遊びに行くわけにもいかないので、部屋で無駄な時間を過ごすことになる。遠隔授業を始めたが、学べることに限界もありそうだ。全国の大学がそうなんだろうか?

遠隔授業のためのシステム整備に苦労した。光回線を引いていなかったので、レンタルwifiの契約やギガ制限の解除などを交渉しようとするのだが、そもそもドコモには電話が通じないし、レンタル業者も在庫がないところばかりで、らちが明かない。店舗の人数は制限しても、電話相談には人員を割くべきだろう。サービスの点で、ドコモは対応能力が低いと思った。

(病院)治療の最前線となる指定医療機関で、ベッドの空きが厳しくなった地域もある。東京では、軽症の感染者をホテルなどに移送する取り組みが始まった。クルーズ船の時に同じことをやっていたら、だいぶ結果が違っていたかもしれない。

いよいよベッドが足りなくなったら、一般の病院にも入院してくるだろう。そうなると、院内感染を避けるのは難しい。そう分かっているから、手を挙げる病院は少ないはず。

一般の患者から敬遠されると、経営は非常に苦しくなる。流行の程度に応じて、隔離の基準を変えていく必要性は理解されつつあるようだ。でも、受診たらいまわしの事例が多い。病院側も怖いので、断らざるを得ない事情は分かる。保健所からの明確な指針が必要だろう。

(クリニック) 眼科や耳鼻科の患者が非常に減ったと聞く。歯科もそうだろう。患者と近距離で接触する診療科だから、感染のリスクは非常に高い。経営がどうなのか気になる。

クリニックでコロナ感染の診療は難しい。CTでないと肺炎の判断が分からない事例が多いし、血液検査や診察も、それほど役には立たないだろう。簡易検査キットが出ると思うが、時期はいつ頃だろうか? それが出来たら、状況は一気に変わる。主体がクリニックになり、対処が早くなり、入院も減るだろう。

(保健所)保健所からは何も文書が来ない。電話対応で疲弊しているのだろうか? コロナの検体検査や、指定病院への受診は厳しく制限されている。その結果、熱発者の受診に制限が生じている。役所の上役を通じて圧力をかけたら、急に検査をしてくれた例も聞いた。おそらく各方面から圧力を受けているに違いない。

検査を安易に受け入れると、PCRの部門が破綻するし、指定病院もパンクする。医療崩壊を避けるために、冷たくあしらう対応も一定の理解はできる。ただ、検査しないことで軽症の患者の診断を遅らせ、隔離のチャンスを失する結果にはなる。よほど厳格に行動制限させられないと、クラスター感染の元を作ることになりかねない。

例として4日間の発熱という基準を作ってしまったのは、無理があったと思う。重症化する人は、おそらく数時間の単位で症状が進行するはず。ARDSのことを忘れて基準を作ったのでは? 電話だけで判断するのは、よほど慣れた人でないと難しいと思う。保健所の人では、どうしても勘が働かない面はあると思う。相手もきっと理解できない部分が生じる。

したがって熱発者との連絡を繰り返すこと、なんとかして検査数に余裕を持たせ、軽症者を観察できる施設を増やすことなどが望まれる。市役所の他の部門から人間を回し、保健所職員はコロナ関係に特化して作業すべきと思う。ただ、すぐにできることではない。疲弊しないように祈りながら、奮闘に期待するしかない。

 

 

2020年5月 1日

新型コロナウイルスへの対応 その4

- 2020.05.01 -

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は世界中で多くの感染者を出し、確実な収束傾向にあるとはまだ言えない。熊本市内では、4月18日に鶴屋の食料品売り場に感染者が出た。地域医療センターの職員にも複数の感染者が出て、救急の受け入れが止まってしまった。重要なポイントで感染が起こると、影響が非常に大きい。

球磨病院の医師が感染を伝播させたようだが、夜の店に行くわ、遠慮なく受診するわの自覚に欠けた行動をとっているようだ。店や病院に大きな損害を与えてしまったが、賠償責任はないのだろうか?

職場ごと閉鎖するシステムは、もうそろそろ止めるべきかもしれない。感染が蔓延すれば、対応も変わる。ニューヨーク市の場合は既に住民の20%が感染した計算になるというが、そんな状況で、いちいち職場ごと休止していたら、どこの病院も活動できない。免疫ができるのを祈る・・・そんな考え方も仕方ないかも知れないと思う。

4月初旬から外出の自粛が進み、効果の兆しが見えている。我が家も外食は二か月していない。近所のお菓子屋さんや中華料理屋さんが潰れてしまった。連休中に温泉旅行を計画していたが、当然キャンセルした。さて、代わりに何をやったものか・・・掃除?・・・毎日バーベキューか?・・・体が臭くなりそうだ。3000段の石段登りも考えていたが、すでに来場者が増えすぎて入場休止になったらしい。 

個人でできる範囲で、いろいろなことをシミュレーションし、準備しようと努力している。 

(融資)日本政策金融公庫に一千万円の融資を申し込んだ。まだ入金はされていないようだ。利子が猶予されると書いてあったが、実際には細かい予算の分配が済まないと振り込まれないらしい。ネットでは確実に猶予するような書き方だったのに、予定に過ぎなかったようで、少しがっかりした。劇場主や職員が感染し、休診が必要になった時、今回の運転資金は必要になるかも知れない。 

(緊急事態宣言)4月に政府から緊急事態宣言が出た。この宣言は、あくまで県に権限を与えるという性格で、政府から直接の指示が出るわけではない。なんでそんな内容なのか、詳しい理由を知らないが、政府の過剰な規制を許さない規定があるのか? 強制力のない内容で、本当に成果が挙がるかどうかは分からない。

ただし、もし都市を封鎖すると言われると、買占めなどのパニックが起こる。中国と違って強制はできず、周知徹底には相当な準備が必要になると思う。その点を考えると、今回のような宣言でも仕方ないのか? パニックを避けながら行動を強力に制限する、そんな良い方法を思いつかない。

個人的には弱めの縛りで早めの宣言をして、とにかく感染者数のピークがなだらかになる事だけを目指すべきではないかと思ったが、実際の宣言は早いとは言えない時期だった。為政者の立場に立った時、判断には胃が痛くなるほどの迷いが生じるだろう。経済を冷えこませたという批判は、選挙に響くだろうから。

おそらく公共意識の高い日本人は、宣言だけでも多くが真面目に活動を自粛して感染者を減らすと思うが、劇的には行かないかもしれない。劇的に減らないと、ウイルスは潜伏状態になり、また感染の勢いが再燃する危険性がある。宣言を出したり引っ込めたりを繰り返す結果になるかも知れない。 

事業の自粛を求めるなら、金銭的補償も欲しいと思う。その予算なしに、一方的に自粛を求めることは難しい。政府は予算のことを考えて、宣言の判断に逡巡してしまったのだろうか? 熊本市は少し補償が出るらしいが、県には予算があるのだろうか? 国から何か補填が来るのだろうか? 最初に支援を約束する勇気が政府にはなかったようだが、それこそ必須ではないかと思った。。

(PCR検査)PCR検査の体制を整えようとしているらしい。でも、やはり対処が遅すぎだろう。元々の準備が不足していた。数百人単位でやる必要があるとは想定できていなかったようだ。新型コロナウイルスについては、軽症の人が多い関係で、重傷者だけ検査するのは合理的だと思う。住民全体を調べてもしたかないという判断は正しい。

ただ、大事な時期、管理をどうするか判断しないといけない緊急性が生じた時、たとえばクルーズ船で集団発生が起こった場合などは、一気に検査して対処法を決める必要がある。そのための余力は必要だ。SARSを経験したはずの専門家達は、想像力が足りていたのか? 厚生省の技官たちは、能力的にどうなのか?

感染症の専門家と名乗る人達は、反省すべきではないか? 今回のような危機を予見し、準備することを事前に訴えていた人物がいるのだろうか?劇場主が知る限り、専門家で役に立つ意見を事前に述べていた人は、皆無だったのでは? 

(自宅待機)自宅待機中に亡くなる患者が複数出たらしい。当然の結果で、予想できることだ。誰がどう責任をとるのか、今後の発表に注目している。PCR陽性だろうと陰性だろうと、感染の疑いがある人間については、密に連絡をとらないといけない。検査もそうだが、対応も非常に官僚的だから、ウヤムヤで終わるのではないか?

助けられる命を、政府が指示した対応によって失ってしまった可能性があり、本来は法的責任を問われるべきではないかと思う。想定外の感染症だったからといった理由で許されてはいけない。想定は簡単にできたはずだ。

 

 

2020年4月23日

皇帝フリードリヒ2世の生涯(2013)

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- 塩野七生著・新潮社 -

教皇と対立しつつ、イスラム勢力と交渉して聖地を回復し、神聖ローマ帝国の皇帝として一時代を築いた人物の伝記本。文庫本を購読。 

教皇と歴代の皇帝たちとの争いがあったことは知っていたが、このような人物がいたことは知らなかった。歴史の教科書にもほとんど記載されていなかったはずだ。カノッサの屈辱(1077)は有名で、その時の教皇グレゴリウス7世と、皇帝ハインリヒ4世の名前には記憶がある。その時代から200年ほど後が、フリードリヒ2世の時代になる。

亡くなったのが1250年で、日本で言うと、親鸞や日蓮が活躍していた時期に相当するから、宗教家と武家(騎士)らが活躍していたという共通点がある。だが、東西で目指した道はずいぶん違っていたようだ。仏教の性格によるのかもしれない。 

教皇と皇帝が対立すると、イスラム世界にとっては有利に働く。それでも数百年にわたって対立し続けるということは、それなりの理由があったのだろう。政治と宗教の間で、二重の権力が併存することには、もともと無理があった。どうしても矛盾が生じて、諍いが生まれる運命だった。  

現在の日本では寺社の力はそうでもないが、創価学会や日本会議の意向は政府も無視できない。今の政権は両者から協力を得ているが、今後の政治情勢によっては変わるかも知れない。中国の場合は共産党が強権を用いて支配しているが、共産主義と実際の中国社会は乖離が目立つ。現実社会や国際交流の場においては、障害も多々ある。やがて激しい紛争を起こすのではないだろうか?  

フリードリヒ2世は斬新な政策を持ち込んでいたらしいが、どこからアイディアを得たのだろう? 当時の先進地域であるアラビア方面から、教育機関や官僚制度の良い点を学んでいたのかも知れないし、彼に教育を授けた人達の知見が進んでいたのかも知れない。教会の支配に改善が必要という認識は、彼の前にも存在していたはずだ。

でも、教会が強力に支配する時代に、論理的な政策を持ち込むのは危険なことだ。教会側が黙っているはずがない。敵対せずに協調できれば良いが、理念や利害が絡むはずだから、身の危険を冒す覚悟が必要になる。そうまでして、彼が目指したものが得られたか、彼の存在意義があったかどうか、結果的には疑問。施策は、結局は失敗だったようだ。

教科書での扱いが良くないのは、彼の実績が後代に反映されなかったことが影響している。新しい観念、政策を持ち込もうとすると、壁にぶち当たる。そんな仕事は一人の英雄にできることではない。時期を待ち、人を集め、ムーブメントを起こし、後継者を育てないといけない。戦闘で、圧倒的な勝利を得る必要もあった。武力が、結局は大事だったと思う。 

彼がミラノなどの都市を攻略できなかった理由はよく分からない。当時、皇帝と敵対していた町は、城壁で飛んでくる石や弓矢をしのいでいたのだろうが、例えばリチャード獅子心王の時代には、優れた投石器をこしらえて中東まで運搬していたくらいだから、それよりも後のフリードリヒの時代なら、さらに多くの投石器を運搬して、物量で圧倒することだってできたはずだ。資金や人員の違いだろうか? 

あくまで封建領主たちの集団から協力を得て戦争する立場だったから、町を長期間にわたって封鎖して攻め続ける財政、人員面の余力がなかったのかもしれない。皇帝が弱いほうが、領主たちにとっては有難い。よって、協力は得られなかった可能性もある。

でも、もしフリードリヒが急死しなかったら、ドイツという国のありかたが違っていたかもしれない。中央集権の足がかりがつかめ、フランスのような国家にいち早くなって、周辺を圧迫していた可能性もある。宗教改革も数百年くらい早まり、ドイツ地域が先に発展し、産業革命もドイツで起こり、世界大戦だってなかった可能性はないだろうか?

 

 

 

2020年4月18日

コロナウイルス感染疑い患者における検査(案)

コロナウイルスの感染を怖れ、市内のクリニックでは診療拒否する所が増えている。感染すると、自分たちの入院が必要になるかも知れないし、感染していなくとも休診扱いにされたら大変だ。訴訟沙汰も考えないといけない。給与をどう保証するか、経営的な問題も大きい。そんな心配が起こるのは当然だ。

保健所では、PCR検査を安易に受け付けられない。検査できる能力が限られているし、やって来られると対応で現場が疲弊してしまう。よほど重症な患者か、極めて典型的な症状、感染者との接触者でない限り検査は拒否し、自宅での観察を勧めざるを得ない。

でも、診療を拒否された患者さんは非常に不安だろう。

問題点は、①検体採取の際に、医院側が濃厚接触者として扱われないか、明確な保証がないこと、②防護服やゴーグルの入手の目途が立たないこと、③費用がかかる防護はできないこと、④感染疑い事例を紹介しても、病院に受け入れられる人員の余力、余剰ベッドがないこと、などだろうか?

診療所レベルで、インフルエンザやアデノウイルス、溶連菌感染、一般的な細菌感染症などを否定し、重篤な肺炎像がなく、酸素分圧の低下もないと確認できれば、入院は遅らせ、自宅療養が可能と判断できる。根拠があるから、ただ電話で言われるよりも、患者の安心感は深まるだろう。

特にこの冬のインフルエンザの流行時期には、混乱が予想される。電話でコロナかインフルエンザか、診断するのは難しい。インフルエンザの簡易検査を使わないのは問題だ。そしてコロナウイルスの簡易検査ができたら、ぜひとも使いたい。でも、現行のままでは防護服の着用を要求され、実施に不安をともないそうだ。

簡易な防護法で検体検査ができて、それを保健所が認めてくれれば、流れが非常にスムーズになるかも知れない。無駄な心配を減らす効果、もしかすると感染拡大を抑止する効果も期待できる。以下に採取手順の案を記載した。認められれば良いのだが・・・

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検査手順
① ビニル袋90L用を、患者さんの了解をとって被せる。
② 検査の場所は駐車場など、屋外に限定する。
③ 検査施行者は、マスクと手袋を着用。
④ 検者は袋の外側から検査棒を扱い、検体を採取。→ A
⑤ 患者さんの協力を得るなどして、検体を容器に移す。→ B
⑥ インフルエンザ抗原等の簡易検査は、袋の内部で施行。
⑦ 他の検査がなければ、袋を外す。
⑧ 容器を封入する(提出の場合は二重に)。→ C

⑨ 袋は使い捨てし、再利用しない。
⑩ 窒息など、想定外の事故への注意を怠らない。

 

 

 

2020年4月 1日

コロナウイルス(SARS-CoV-2)への対応 その3

- 4月1日 -

こんな病原体が現れるとは思っていなかった。志村けんが亡くなるとは。インパクトが大きい。

世界的に流行するなら、新型インフルエンザだろう、おそらく毒性が低くて感染力は高いだろう、そして妙な対策会議を開いているから、国の対応は全く見当違いだろう。そう思っていた。インフルエンザウイルス以外の病原体で、こんな性質のものが出るとは・・・まるでSF映画のようだ。   

令和2年3月下旬の段階で、劇場主が直接関係するCOVID19感染者は出ていない・・・と、思う。でも熊本市内でも患者が増えだしているから、実際は分からない。CRP3~5くらいの値を示す風邪症状の人が多い。コロナ感染を否定できる方法はないので、違いますようにと、神に祈りながら日常を過ごしている。 

防護用フェイスマスクをしながら診療をする病院もあると聞く。しかし、衣服や靴にもウイルスが付くから、顔だけ覆っても効果に限界はある。マスクをして、一人一人の診察ごとに手を洗い、椅子や手すり、聴診器を拭く作業で対処しているのだが、今回のウイルスの感染力から考えれば、それが妥当ではないだろうか?  

(休校の効果) 政府の依頼で、小中学校の多くが休校になった。珍しいことだ。法的な根拠はなかったらしい。親も休まざるをえない家庭が増えて、いろんな職場に影響が出たはずだが、劇場主の職場に大きな障害は発生していない。年休をとってもらうように勧めただけだ。労務士と相談の上で、不平等が発生しないように、特別な休暇は認めなかった。 

休校によって、感染が抑制される効果がどの程度あるかは分からない。今の時点で国内も大流行とは言えないが、新規感染者は増加中だから、終息傾向とは言えない。意識の面では、「学校を休まないといけないくらいなのか!」と、感染を心配させる効果があったはずで、それは感染者を減らしたかもしれない。ただ、4月以降はどうするのだろう? ずっと休ませるのか? どうするにしても、科学的、法的根拠は必要だろう。

幼稚園やパチンコ屋などは、もっと危険じゃないか、不十分な対応ではと、考えればキリがない。一気に町を封鎖するか、小中学校に留めるか、どちらが適正な方法なのか分からない。検証も難しいと思う。地域単位で比較できれば分かるのだろうが、比較できるものがない。 

(保健所の活動) 保健所からは何も指示が来なかった。対応に追われて、医療機関への通知をする余裕がないのか、間違いを怖れて独自の文章を出せなかった、あるいは厚生省から保健所あての指示がないといった事情ではないかと思うが、真相は分からない。 

細かく指示を出すべきではないのか? 患者を目の前にして、どう対処したら良いのか困惑してしまう。インフルエンザの検査をして良いのか、どの時点で病院に紹介すべきなのか、PCRの検査は積極的にすべきなのか? 防護服が手に入らないのに診察はすべきなのか、遠慮すべきか? 今でも疑問点は多い。

今回のような大きな脅威に対しては、マニュアルのようなものが必要だ。戦争と同じように考えないといけない。各医療機関が自己判断、自己責任で対応している現状は、戦場に兵士を放り出すに等しい。情けないと思う。  

(感染症学会) これまで見たことがなかった感染症学会のホームページを毎日読むようになった。JAMAやNEJMのコロナ特集ページも読まないといけないので、結構忙しい。臨床感染症学会という組織のHPも読んだが、法的な面で従うべきかは微妙。その内容に従って行動し、あとで批判される可能性はないのだろうか。でも、これらの雑誌の内容は、印象としては総じて信頼できると感じた。
一般的なニュースの情報は、センセーショナルな内容が目立ち、人を過剰に不安にさせていたように思う。

(PCR検査) PCR検査は、今回の流行に対しては対応が間に合わなかったようだ。理由はまだよく分からないのだが、事前に大量の検査をする仕組みができておらず、検査の対象者を限定せざるを得なかったらしい。多数の検査が必要になることを想定していなかったのではないだろうか? SARSの例があるのだから、準備は必要だと判断すべきだった。

ドライブスルー形式で検査した国もあるそうだが、前の人が感染者なら、防護服を介して次の人に感染させてしまう。一人ごとに服を替えると、服は無駄になるし検査する側が感染する。だから良い方法とは思えない。対象者は絞るべきだ。

血液や尿で検査しないと、安全には行えないだろう。またPCR法は感度や特異度に問題があるという。粘液ごと採取するから、DNaseが影響して上手く検出できないことも予想される。PCR法にこだわるべきではない。でも、クルーズ船の患者の分別に対応できるくらいの能力は必要だった。

(治療法) 新しい治療法が毎日のように紹介され、雑誌より早くニュースで知ったりする。重症例に対してはアビガン、オルベスコ、クラリス、メチルプレドニゾロンなどの併用が有効ではないかと想像される。まだ決定版と言える発表がない。BCG接種が有効じゃないかという報告もあった。理屈がいまひとつ分からない。

軽症例に対しての情報もない。感染者の9割以上が重症化せず、重症化した例でも9割以上が回復する、そんな方法が分かれば、恐怖感は和らぐはずだ。軽症者への対応について、検討されているのだろうか? そこの視点が抜けているかもしれない。症状なしの人を対象に、吸入薬とクラリス、アビガンを処方したらどうなるか、そこが知りたい。そっちのほうが、臨床的には重要じゃないか?  

(新規患者数) ネット情報で見ると、3月の間の国内の死者は1日数人程度のようだ。ニュースでは、総患者数をグラフで示すシーンが多かった。延べ患者数は、当然ながらどんどん増えていく。すると、病気の流行が治まる気配がないとしか感じられない。
問題は、新規の患者数の増え方だと思う。東洋経済オンラインのグラフは比較的わかりやすかったが、厚生労働省、NHKなどのものは表現方法に問題があったように思う。
新規患者数が減れば希望が持てる。増え続ければ、まだまだだと認識させることができる。情報として最も大事なものだから、そこを中心に表示しないといけなかった。 

(融資) リスクを考えて、政策金融公庫から融資を得ることにした。感染がいつごろ治まるか分からないし、もしスタッフや自分が感染したら休業になるから、売り上げはガタ落ちする。風評で患者さんも敬遠するから、経営破綻するかも知れない。
今でも風邪の患者は感染を怖がって来ないし、簡易検査ができるようになるまで、売り上げを上げそうな要因がない。経営を安定化させる必要が出て来ると考えた。
他のクリニックはどうだろうか? 慢性疾患を中心に扱う医院なら、風邪の患者数が減ってもそれほど影響はないはずだが、耳鼻科や小児科には大きな影響が出ているはずだ。噂は聞かないが、経営破綻するクリニックも出るのじゃないだろうか? 

(企業活動) 3月19日頃に、企業活動も少しずつ、注意しながら再開するようにという審議会の意見が公表された。注意と言われても、困るだろう。

一時期は自宅でのテレワークが盛んに推奨されたが、やはり面と向かわないと話が進まない取引は多いと思う。でも、本来の活動が再開されると、感染が一気に広がる。感染は遅れて判明するから、広がりつつあるのかどうか、その見極めは非常に難しいだろう。職場の中で数人が風邪症状を持つと気づいた時点で、おそらく感染者が数倍いると考えないといけない。判断も対処も、常に遅れるものだろう。

3月28-29日の週末は、外出自粛するように、熊本市や東京では要請が発表されていた。滅多にないことで、非難する意見も出ているようだが、仕方ないと思う。外出が減れば、感染が拡大する危険性は減るはず。病床がなくなるような事態は避けないといけない。  

(景気) 世界中で株価が暴落してしまった。コロナショックなどと言われている。パリなどの大都市でも封鎖に近い移動制限が始まっているくらいだから、世界中で企業活動全般が滞るのは確実なので、しばらくは仕方ない。
日本は昨年に消費税を上げて、既に景気が冷え込んでいたので、タイミングも悪かった。

刺激策がいろいろ考えられている。 国民一人あたりに十万円プレゼントとか、税金納入の一時見合わせ、企業への融資など、毎日のように新聞で紹介されている。プレゼントは、本当に真面目な意見なのかと疑う。

プレゼント形式では効果が低そうだ。感染が下火になる時点で何かやれば効果が出るはずだが、今は企業が潰れないこと、パート社員が破産しないことが大事だと思う。バラマキは止めたほうが良い。 

(終息予測) オリンピックの延期が、ほぼ決定されたようだ。既に安倍総理や都知事も容認する意見を述べた。
いっぽうで今後気温が上がれば、今より感染は減るという観測が出ている。SRASの時がそうだったらしい。でも感染力が違うから、今回もうまくいくとは限らない。
既に東南アジアに流行が出ていることから考えても、気温上昇に過剰な期待はできない。暑くなれば、密室が減る分だけ空気感染は減るはずだが、クーラーを入れたら同じじゃないか? 
南半球で流行し、変異して再流行してくる可能性もある。なだらかな流行に留まり、重傷者が生き延びれる医療体制を維持出来れば、仮に国民の数割が感染しても死者は少なく留めることができる。それを目指して、もぐらたたきのような対応をとるしかない。長期戦になるだろう。

 

2020年3月 9日

コロナウイルス SARS-CoV-2への対応(2020)

- 2020年3月9日時点  -

最近は自分が言ったことでもすぐ忘れてしまう。記録のために、この文章を残しておきたい。  

(発生)武漢地域に特殊な感染症が流行しているという情報は、1月20日頃には報道で知っていたと思う。テレビはあまり見ないから、最初に知ったのは新聞でだろうか? 
国内での感染が明らかになったのは1月25日くらいだが、その前の時点で「これは確実に日本にも入って来る」という認識はあった。中国からの旅行者は多いからだ。
24日のメールで、春節が怖い、病気の性状が分からないのが不安という内容を仲間の医院どうし、送り合っている。でも、何もできない。マスクの在庫は揃っていた。他に準備するものは思いつかなかった。 

(危険性)武漢の状況の報道から推定して、麻疹ほどの感染力はないが、インフルエンザよりも致死率が高そうと考えた。コロナウイルスについて、ネットで分かる範囲で基礎情報を学習。胃腸炎ウイルスに近い性格を持つことは把握できた。
1月26日に、ランセットに掲載された報告を読んでいる。特徴的な症状がなく、診断には難渋しそうという認識を持った。ノロウイルスとインフルエンザを兼ねたようなイメージを持つ。  

(1月中の対応) 結局、1月中には情報がないという情報を共有していた段階。治療法の目途も、診断や診療の仕方についても指標がない状況。インフルエンザの簡易検査も続けていた。陰性の結果が出ると、たちまち恐怖が襲う。陰性で困るなんて、今までと逆。 
1月28日頃から、チャーター機で邦人を輸送している。患者が来る不安にさいなまれながら、報告が集まるのを待つしかないと感じていた。   

(2月)2月3日の時点で、チャーター便の中での感染率が数パーセント程度との報道を知る。感染力が推定された。インフルエンザに近いようだが、より感染力があるのがどちらかは不明。
もし患者が来た場合の対応策は、やはり不明のまま。防護服は入手不可能だし、インフルエンザの患者はいるわけだから、検査中にもらう可能性はある。恐るおそる、「どうかコロナじゃないように」と祈りながら診察を続ける。安心できる材料はなし。 

(診療への影響) 感染を怖れてだろう、患者さんが非常に減った。定期通院中だった人達も、50人くらいは来なくなっている。1~2月だけで、昨年と比べて180万円も売り上げが減ってしまった。薬だけ希望する人も多い。気持ちはわかる。
インフルエンザの検査は怖くてできなくなった。専門家からも、飛沫感染を避けるため、やらないほうが良いという意見があった。

でも、それ以外の熱発患者さんへには、今までと同じように対応。元々患者さんを分けて診療していたからだ。手洗いや椅子の拭き取りも、元々やっているので変わりない。
耳鼻科などは患者をごちゃまぜにしていたが、今どうしているのか気になる。もし今改善しているなら、どうして今までそうしていなかったのか、モラルが問われる。

保健所から指標になりそうな文書はいっさい届いていない。どう行動すべきか、不安を抱えている。とりあえず感染対策として、スタッフに毎日体温を測ってもらい、記録することにした。でも無症状の場合の感染管理は、如何ともしがたい。なるべく患者さんに伝染させたくないという気持ちだけは証明できると思うのだが、気持ちだけでは役に立たない。  

(クルーズ船)2月初旬には、クルーズ船に閉じ込められた乗客から、感染者が次々発生していることを知る。まず、こんな時期に旅行するとは呆れた。危機意識のない連中だと、金持ちに対するひがみに似た感情が起こった。
2月3日に横浜に到着し、5日には船内での感染率が高いことが分かり、翌日くらいには報道されていたはずだ。報道は連日激しくなっていた。
船内に乗客を閉じ込めるのは残酷だと感じた。収容施設があれば、感染者と非感染者を分けて収容すべき、検査の絶対数が足りないのはなぜか、収容施設がないのか、海外との調整が滞っているのか、様々な疑問が湧いたが、よく事情が分からないままだった。   

(批判と騒ぎ) 2月18日に岩田健太郎教授がネット上に批判のコメントを出して、その後数日で取り下げる騒ぎを起こしていた。岩田教授は派手なコメントが多い人物で、もともと雑誌上で古い権威を攻撃することが多かった。何か圧力を受けたのか、勘違いを指摘されたのだろうか? 
少なくとも責任を負える立場でない場合に、一部を見て簡単に現場を総括するのは安易すぎると感じた。間違っていない指摘もあったとは思うが、全体を見てから言うべきだ。   

(管理方法への疑問 )現場の管理法には問題もあったと思う。船の中で、感染者を隔離することが本当にできるのだろうか? 
感染病棟とは違うので、配膳や清掃で、スタッフを介して感染するのではないか? 消毒の方法は? 衛生管理できるほど、内部がよほど広いのだろうか?乗ったことがないので分からない。

いずれにせよ、旅行者への対応は、事前に法律で決めておくべきであった。国の上層部に、想像力の欠けた人間が多いことが疑われる。SARSが流行した時期に、次の感染に対して準備すべきだ。何か障害があったのだろうか? PCRの検査数が伸びなかったのは、準備不足だったからじゃないかと思ったが、実情はどうだろうか?

また、乗客を開放する際、「2週間症状がなく、ウイルス検査で陰性の患者は、感染の疑いがない」という文章を発表していたが、明らかに甘い。検査は万能ではなく、正診率が4割程度と言われている。2週間という期限は、とりあえずのものだったはず。そこを勘違いしていた。 担当した連中は自称専門家だろうが、覚えることだけ得意では過ちを犯す。判断力や常識は欠けていたのかも知れない。実際に、解放後のウイルス陽性者が次々と判明した。

今後は早い段階、おそらく到着前に、症状なしで検査も陰性の方と、有症状の方、検査陽性の方を分けて、個室で管理する仕組みが必要だろう。1県で無理なら、複数の県に分散させても良いのでは? 検査も多数の施設でやれば、相当こなせると思う。施設の確保のために、ホテルなどと事前の協定ができるのではないか? 

インバウンドに期待していた政府であるなら、クルーズ船内の感染というリスクくらいは想定する力も必要だったと思う。「福島に津波なんて、来ねえべ。」といった阿呆な考えでは大惨事を生む。同じように、クルーズ船の管理についても、計画をたてておくべきだ。

(治療法)抗エイズ薬やインフルエンザ薬が有効らしいという報告は、早い段階でフィリピンの病院から紹介された。クラリスやオルベスコ、抗リウマチ薬も重症化を抑えるのではないかという意見が出ている。でも確実な発表はまだのようだ。 

3月初旬の時点での印象として、マイコプラズマと同じような病態を個人的に疑っている。とりあえず既存の薬剤でも、サイトカイン異常を避けることができるのではないか? 過剰な免疫反応が起こっていそうな症例が発表されているから、それを抑制できれば救命できると思う。
でも実際に治療にあたることはないだろうし、体感できるものはないまま終わりそうだ。

クラリスをなるべく処方するようにしたのだが、意義に関しては自信がない。通常量で意味があるのか、早期の処方で有効かどうか、何も指標がない。 簡易検査が複数の会社から開発されているようだが、実地で使えるようになるには、まだ時間がかかると思う。ワクチンも今年中は無理かも。

(不安) 感染症担当医や看護スタッフは、相当に消耗しているはずだ。最新の発表を読まないといけないし、呼吸状態が悪化した患者への対応もある。相談されることも多いだろう。政府の指示も一貫性や根拠に欠けるものがあり、おそらく困惑し、憤激しているのではないか? 
妙なのだが、保健所からの文書がいっさい届かない。 そのため、ほとんどの医療機関が右往左往している。

家族や院内スタッフへの感染も怖い。燃え尽きる者が出て来るのじゃないか? 
病棟も満杯になる可能性が残っている。

政府は学校や旅行を制限するように要請しているが、既に流入した分でも感染は拡大しうる。この2~3週間で新規患者が減るだろうと思うが、その後また流入してくるケースはあると思う。

官邸が唐突に指示を出し始めたことに批判も起こっている。小学校がどの程度感染に関わっているのか、情報はないのだから、勇み足だったのかもしれない。

ただし、子供も感染はするという報告は出ている。重症化しなくても、感染の流布に関わっているなら、休校は有効に働くかも知れない。親たちは困るだろうけど、急激な流行を避けるために、出来ることはやるべきだ。

通常の診療ができるようになるのか、身近に感染が発生するのか、ジムや温泉に行けるようになるのがいつごろか、目途が立っていない状況。

 

2020年2月21日

新型コロナウイルス(2019-nCoV)への対応(2020)

- 2020.02.21 -

2019年の末に武漢市で確認された新型コロナウイルスは、2月中旬の段階で毒性(感染致死率)、感染力、治療法が正確には分かっていない。発生した中国が独特な政治形態にあるので、正確な情報を期待できないことがネックになっている。感染を恐れる心理が働き、経済的な影響も凄い。中国だけじゃなく、日本の景気後退も明確になっている。 

すでに国内各地で感染が確認されだして、まだコントロールが難しい状況にある。中国からの来訪者は非常に多いので、団体ツアーを禁じても、ウイルスの流入を阻止することは難しい。完全な渡航禁止も、経済交流が濃密なので現実的には難しい。中国以外の国からの流入も予想される。よって、流行を止められない状況。

中国政府は武漢市を封鎖に近い状態にしているから、感染拡大のスピードは遅らせることができたかもしれない。でも中国政府が発表することは、政権に都合の良い内容だろう。実態は不明。今後の見通しもできないが、中国での感染さえコントロールできれば、日本での蔓延のスピードはかなり遅くなると期待できる。パンデミックを防ぐことも可能だと思う。

(感染力) 国内ではクルーズ客船内で多数の感染が起こったことから、感染力を推定することができる。何も注意しないで濃厚接触すると、感染率は1割を軽く超えるようだ。密室では相当な感染リスクがある。インフルエンザの家族内感染が1~2割なので、それに近い。
換気が効き、手洗いをしやすく、充分なマスク管理ができる場所では、かなり感染率を抑えることができると思うが、まだ分からない。

老健施設や病院に広がったら、酷い結果になるだろう。面会を厳しく制限すべきと思う。でも、職員から持ち込まれる危険性もある。簡易検査ができないので、感染者の特定は難しい。完璧な管理は難しいだろう。

(毒性) 中国では重症化率16%、致死率2%と発表されたようだ(2月18日)。でも対象母数が不明で、しかも武漢では医療が追い付かなかったので、国内とは事情が違う。ただ、感染からの致死率は、著しく高いとは言えないようだ。推測だが、充分な体制があれば、1%もないはず。
既に日本国内の感染で亡くなった人も出ている。一定の確率で肺炎を起こすようである。どんな病態なのだろうか? 

免疫の過剰反応を引き起こすのか? 気道を広範囲にただれさせるような、インフルエンザなどに似た病状なのだろうか? 解剖所見が発表されておらず、病状がどのように進むのか、よく分からない。CTの画像を見ると、インフルエンザ後の肺炎に似ている。

(治療) 現時点で、病状を安定化させる方法は不明確。エイズ治療薬が有効かもしれないと報道されたが、確認はまだのようだ。早期に抗生剤を出すべきか、意味がないのかが判明するだけでも助かるのだが、情報がない。もし特定の抗エイズ薬に効果があると分かると、中国が買い占めてしまうのが怖い。国内の治療薬が不足するし、アフリカでのエイズ治療が難しくなってしまう。 

ワクチンが来年までにはできるかも知れない。検査キットは、もっと早いだろうか?そうなると、恐怖はかなり緩和される。早めの対処が可能になる。それまで、蔓延しないで済ませられるかどうかだが。

(客船への対応) そもそも客船に対する法律の扱い方が分からない。日本の領海内では、国内法で扱ってよいのだろうか?船籍が優先か?それによって、政府の責任も変わって来る。そういった基本的なことが分からない。 

ダイヤモンド・プリンセス号への対応は問題を感じる。何かの規定に基づいて対応したはずだが、対応の根拠が不明。法律やマニュアル通りにやれば良いはずだから、その根拠を明示すれば良いと思う。でも、新聞には根拠らしきものが載っていない。もしかしてマニュアルがなく、このような事態を想定できていなかったのだろうか? 

政府が何も努力しなかったはずはない。各方面に指示し、協力を求め意見を聞いたはずだ。そこの経緯を公表しているのだろうか?「乗客の感染は2月5日に政府が指示を出す以前に起こり、それ以降はなかった。」と発表されたが、それは無理のある意見だ。根拠に乏しい。何かを隠そうとし、責任追及を逃れようとする姑息な態度が見える。隠してはならない。 

突発事故に対する危機管理、対処能力は大事だ。原発事故の時の民主党政権は酷かったが、自民党も酷いと分かった。隠そうとしているなら、より悪質だ。 

船の接岸は認めたが、乗客は部屋に留められた。でも船内に感染者がいるので、密室の船の中では感染者が増えると予想される。実際にそうなった。係官が出入りするだけでも、当然ながら感染するだろう。政府が本当にそんな規定を作っていたとしたら、検討会議の連中を船に乗せてみるべきだ。自分たちの判断の意義が分かるだろう。

あるいは、政府は乗客を降ろしたかったけど、施設が全くないか、乗客の本国との交渉が長引いて対応を決められなかったのか? 施設は法律で準備しておかないといけない。マニュアルや政府の指示内容を開示して欲しい・・・もしかして、既に誰かが忖度して記録を捨ててるかも知れないけど。 

検査が充分にできていない点も不可解だ。検査は必要である。検査しないと対処法も決められない。複数の施設で検査すれば、乗客全員の3000人分くらい、1日でやれると思う。何か不手際があったはずだ。検査で陰性なら、陽性の人と分ければ、感染リスクが格段に減る。おそらく検査の重要性への認識が足りなかったか、人数の想定を誤っていたのでは? 

正しくは、各県、各大学、保健所などのPCRを総動員して、一気に検査すべきだった。検査こそが最前線、トリアージ、勝負の分かれ目という共通認識があれば、万単位の検査でもやれると思う。事前に手配を決めておくべきだったはずだが、何か決めていたのだろうか?

強毒性の病原体でない場合、隔離するのは根拠が薄い。本国への帰還を優先させたら、1週間くらいは早く対処できたかもしれない。未感染の乗客はどこかのホテルに、個室で生活することを条件に移してはいけなかったのだろうか? 「この船に閉じ込めれば、他に国内に入るルートはない」と考えたのか? そんなはずはない。ルートは無数にある。船は感染ルートのひとつに過ぎない。 

船内に閉じこめるのは、乗客にとって酷な話だ。ホテルに移すと、そこから感染を広めさせない工夫は必要になるが、船内からはどうせ次々と患者が発生し、そのたびに病院に搬送せざるを得ない。対応が後手後手になる。おそらく搬送する患者数は、ホテルの個室に移したほうが格段に少なくて済む。人道的にも、二次感染を減らすことは望まれる。

どうしても、そんなホテルを用意できなかったのか? 事前に決めておくべきだ。ホテルじゃなくても、政府関係の施設、病院など、どこもないとは思えない。政府の権限で接収することも、こんな場合は必要かも知れない。すべて決めておくべきだ。

政府も努力はしたはずだが、おそらく事前の計画に欠陥が多かったと思う。政府の責任というより、事前の計画のまずさが感染者を増やしたと考える。対応の方法は非常にまずかった。下手くそで危険で非人道的な対処法だった。 

(検疫)検疫に関する規定が、どうも古いようだ。ペストなどの細菌感染への対応で規定が作られているように感じる。
新型インフルエンザの時には舛添大臣が中心となって頑張ったが、あの時の対応も、意味はほとんどなかった。体温を測って患者を判別といった、明らかに効力のなさそうな方法を真面目にやっても、インフルエンザの場合は症状の軽い人からの流行は止められない。実際にそうだった。当然の結果である。
当時の厚生省の技官たちはどんな認識だったのだろうか?どうでもいいや、ポーズだけとろうと考えていたのか? 

逆説的に言えば、空港で熱を測るということは、熱のない患者の流入を認めることを意味する。その場に、感染者がいると想定しているから熱を測るのだから、空港から入る軽症患者は見逃すと国が決めたと言える。完全に防ぎたいなら、空港を閉鎖するはずだ。ならば、船の客だけ留める理屈はおかしい。船も熱だけ測って、熱のない患者は素通りさせ、空港と同じ対応をしたほうが、理論の一貫性は保たれる。もちろん、それで良いはずはないが。

今回も、あの時と同じような対応をしている。感染力と毒性によって、検疫の対応は変えないといけない。今日のように人の行き来が多い時代、軽症者が多い感染症に対する対応は、ウイルスが流行する前に決めておかないといけない。感染力、致死率、症状などに応じて、客船や航空機への対応は決まる。法律や規定、施設を準備しておかないといけない。そして、それを公表しておくべきでは? 

(今後) 今後、国内でどの程度流行するだろうか? 

自分自身や、職員、患者さんたちに感染が及ぶ可能性もある。数か月管理できれば、流行はコントロールできると思う。中国の努力が大事だが、自分たちも手洗い、マスク着用などで努力する必要がある。
国内で散発的な流行に留めることができるかどうか、今の時点では不明。身近な場所で感染者が発生したら、対処法は限られている。

風邪症状の方に対して、何ができるかも分からない。呼吸状態に注意すること、食欲や熱が改善するかしないか連絡すること、そんな基本的な説明内容で、今までよりも強調した言い方をする必要がある。処方内容についてどうすべきかは、まだ不明。

中国の全土に感染が蔓延し、常態化したら、人の行き来を完全に止めることができるだろうか? 国内にも蔓延したら、日常生活をどう維持するか・・・考えると怖い。今は祈るような気持ちである。

(補足) NHKニュース、2月23日によれば、船内に乗客を留める判断は、米国政府の要請によるものだったとのこと。良いことではないと思うが、米国の要請は断れない。日本政府だけで判断していたわけではないという言い訳にはなるかも知れない。ただし、日本側からの情報であり、真相は不明。・・・(2020.02.23)

 


  

 

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