映画評

  •  若い人達の映画評は、「やっほーい、見ちゃった!(^□^)゛にゃはは(^□^)゛(^o^)」(゚ω゚)イイヨゥ! のような具合で、おじさんにはさっぱり理解できません。年寄り向けのサイトがあればと考えました。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

カテゴリー「き」の9件の記事

2009年7月16日

近距離恋愛 (2008)

- 安心して観れる -

主演 パトリック・デンプシー ミシェル・モナハン

主人公は裕福な男と、その友人の女性。学生時代に知り合った二人は、その後10年間も仲の良い友人関係を維持していた。男はプレイボーイで、女の友人知人も総なめにするほどだった。ある日、女の出張を契機に、男は自分が彼女を愛していたことを実感する。心を改めて彼女に告白することにしたが、意外な展開が待っていた・・・

・・・メイド・オブ・オナーというのが原題で、花嫁介添え人の中心の意味らしい。主演のパトリック・デンプシーとミシェル・モナハンは最近いろんな作品によく登場している。会社と契約すると、次々出演するようなシステムになっているようだ。

安心して見ていられるラブコメだった。結末は分かっているし、途中経過もだいたい想像通りだったので、つまらないと感じる人もいるかもしれないし、視点が男性のものだったために女性の中には「そこは、ちょと違うんだよなあ。」と、素直に楽しめない人がいるかもしれない。

こんな作品は数え切れないほどある。最近見た中でも、「恋人たちの予感」は設定が似ていた。くっつきそうで、くっつかない。友情だけで終わるかと思いきや、恋愛感情に発展する、そんな話は面白い。

この手の作品を見ると、女の友人が欲しくなる。でも、やはり自分には友情と恋愛感情を区別できる自信はない。「好き」と「愛する」の区別が曖昧な、未熟さがあるのかも知れない。女性から見ると、どうだろうか?

この手の話では、きまって脇役に笑える人物が出てきて話を盛り上げてくれる。今回は主人公の父親、花嫁の友人などがそれだった。傑作とは言えないほどの個性だったように思う。一人でよいから、激しいキャラクターの友人が主人公を困らせるほうがおかしくなると思う。

この作品は子供向きではない。友人たちと見るには非常に良い作品だと思う。でも自分の場合はいっしょに見るほど暇のある友人はいない。この作品のように毎週のようにバスケで遊び、飲み会でもやろうかとすると、「俺はそんなに暇じゃないよ。」と、怒られるだろう。一番忙しい年代なんで。

恋人と見るのも悪くないと思う。観た後の雰囲気が良いだろう。したがって別れたい人とは見ないほうがいい。

全体として結構笑えて、そこそこ楽しめて、雰囲気は良い作品。邦題は、ちょっといただけない気がした。

 

 

 

2008年12月 8日

紀元前1万年(2008)

ローランド・エメリッヒ監督 作品

古代のエチオピアかスーダンの高地が舞台らしい。

マンモスなどを狩して生活していた村に、ある日騎馬隊が現れ村人を人質にしていく。主人公は恋人を奪われ、騎馬隊を追う旅に出る。

途中は山岳地帯、ジャングル、砂漠を抜けてエジプトに到達。村人はピラミッドを作る奴隷になっている。主人公は近隣の部族の協力を得ることに成功し、戦いを挑む。

それだけなんだが、途中でマンモスの狩、ダチョウの先祖?との戦い、サーベルタイガーとの出会いなど、美しくみごとにリアルなシーンが多かった。

紀元前1万年を題材にしても、人間同士の物語は作りにくいのでは?と思っていたが、村の仲間との人間関係は極めて普遍的に描かれており、現在とも変らないようなドラマがあった。ただし、涙を流すほどのラブ・ストーリーや仲間との友情が感じられたわけではない。

この映画のウリは、古代の生物や建築物のCGによる再現であった。マンモスの動きに関しては感動的なくらいによくできていた。おそらく実際にヤリを投げつけられたら、あんな風に反応するだろうと思えるほどリアリティがあった。

狩の場面では、人間達の動きもCGを多用すれば自然に描けたかも知れないが、実写がほとんどだった。明らかに車か何かで俳優達を引っ張っているなと解っては面白くない。人間が簡単に吹っ飛ぶ様を表現すべきだった。

紀元前1万年前は、さすがのエジプトでも大きな王朝はなかったはずなので、巨大なピラミッドは作れていなかっただろう。3000~4000年前くらいが妥当な時期ではないか?その当時はマンモスはいなかったのでは?でも、こんな考証は必要ないだろう。

恋人を救うために旅をする物語は、単純で良い。この作品は家族で観ることができると思う。小さい子にも解るような作り方をしてある。娯楽作品としてのレベルは高いと言えるだろう。恋人といっしょに、「あれ?1万年前に、こんなことってありえるかいな?」などと論じるのもいいし、ただ映像を楽しむのも良い。

ドラマは退屈でも、感動的なCG映像はある。

せっかくなら、もっとドラマに力を入れても良かったのではないか?ファラオとの戦いではリアルさが失われるので、騎馬民族との戦いにする。友情と愛との板ばさみ、狭い部族同士の戦いから人類の未来を変える大きな一歩を踏み出す、なんて色々あると思う。

 

 

2008年9月10日

キングダム(2007)

- 営業を考えるべき  -

某国の外国人居留地が爆破される。念の入ったことに、いったん居留地の運動場に侵入し、銃を乱射して怪我人を多数発生させ、警察や捜査員が集まったところで大きな爆弾を爆発させるという計画的な犯行。

捜査員の仲間は復讐を誓う。犯人グループは、この地区に潜むイスラム武装勢力と思われるが、正体が解らない。

国際紛争に発展するのを危惧する上層部を押し切って、ジェイミー・フォックス率いる捜査隊が現地に飛ぶ。ただし、捜査の主体は現地の警察という制限がつき、フォックスはイライラする。

優秀な現地警察官らの協力を得たフォックスらは、敵の武器製造所らしき建物を発見するが、仲間の捜査官が誘拐されてしまう。きっとビデオを撮られながら処刑される。

フォックスらは武装して乗り込む。激しい銃撃戦が始まる。敵の親玉を発見できるのか?

この作品の公開の頃は、まったくと言って良いほど話題にならなかったが、ビデオの予告編につられて観たところ、かなりの佳作だと思った。

まず良かったのは、イスラム武装勢力の指導者と、主人公が小声で話す言葉が同じセリフであったことだ。アメリカとイスラム過激派は実際にも、こんなやり取りをしているに違いない。いっぽうの視点で描かないというのは、営業面を考えるとマイナスだが、恐れずにやっていることに敬意を表したい。

銃撃戦もよくできていた。実際には上から狙われた主人公達のほうがやられていたはずだが、なぜかゲリラ達のほうが弱かった。このへんは出来過ぎだった。

サウジアラビアの警察官の扱いが、いつもに比べて高かった。もしかして、アラブ圏の有名俳優が演じていたのかも知れないが、アメリカの映画では異例のことだった。アラブ人は全部ヒトデナシの暗殺者みたいな描き方をすることが多いのに。

この作品は、金も相当かかっている。爆発のシーンは合成してあったと思うが、爆破現場の壊れたビルの残骸などのセットは相当大がかりで、エキストラの数も少なくはなかった。結構な大作であったはずだ。その割りに、あんまり宣伝していなかったような気がするが・・。

「ステルス」「マイアミ・バイス」など、今まではサブキャップ的な登場をしていたジェイミー・フォックスが、今回は完全に中心になって白人を従えて活躍していた。

黒人のタフな兵隊と言えば、体格から言ってウイル・スミスで決まりだったのに、最近はフォックスも進出してきている。でも動きの良さ、迫力などはイマイチという感じ。本来、彼はアクション・ヒーローではないはず。だれか、タフな白人を主人公にしたほうが無難だったかも知れない。

女捜査員は活躍していたが、ちょっと色気が足りなかった。スタイルは良かったが、顔もたくましかった。演技力は必要ないので、アクションができるセクシー女優の出番だったはずである。それこそ、ジェシカ・ビールなんか良かったろうに。

実際の捜査では、警察官が兵隊みたいに戦うことは、そんなにないと思う。敵の兵士がいる地域に入るには、警察ではなく兵隊でないと話にならない。この作品では捜査員が銃撃戦を戦っていたが、普通ならあっさりロケット弾で吹っ飛ばされていたはずである。武器の扱いに関しては、FBIや警察官よりも、敵のゲリラのほうが訓練しているに違いない。

冒頭で、欧米とアラブの石油をめぐる歴史が解説されていたが、普通なら映画であんな歴史の授業をするようなマネはしない。観客に笑われてしまうからだ。そういった姿勢が真面目すぎるところが、大ヒットしなかった理由じゃないか?

タイトルもいただけなかった。もっと訴えるようなのはなかったのか?

ゲリラがバラバラになるのに喝采をするアメリカ国民が多いのが現実であるので、憎たらしい敵を派手にやっつけるシーンが必要だったのかも知れない。老人を殺してもダメ。もっと憎憎しげな顔をしていないと。

どうせやるなら、敵の少年達が次々殺され、味方も次々殺され、信頼していた警察官には裏切られ、自爆テロでほとんどの出演者が消えてなくなるような、むなしいストーリーでも良かったかも知れない。少年が犠牲になる映画は、きっと悲惨さの極みが描かれることだろう。

営業優先で、ヒーローの活躍を描くか、もしくはリアルな殺し合いを描くか、どっちかにしぼるべきだったと思う。

 

 

2007年11月21日

ギャング・オブ・ニューヨーク(2001)

- スケールが大きいが・・ -

監督 マーチン・スコセッシ

この映画の構想、スケールには驚きました。ギャングというとマフィアのイメージが強く、棍棒で殴るような集団は、私から見ればただの暴徒ぐらいにしか見えませんが、確かにギャングの先輩だったと思います。しかし映画用のタイトルは’ギャング’でなく、キング・オブ・ニューヨークなどでも良かったような気もします。

この作品は家族では観れないと思います。テーマも映像も暴力的で、子供には良くないでしょう。恋人とギャング映画・・・というのも勧められません。私は昔、うっかりギャング映画をデートで観てしまいましたが、彼女が「すっごく面白かったね~。」と、目を輝かせて言うので、なんか怖くなって、すぐ別れました。

傑作になる可能性がある企画だと思います。

スケールには感心しましたが、構想から映画的にまとめる作業で失敗したようです。ヒーローをディカプリオにするなら、やはり悪役は憎まれないとダメでしょう。それなりの魅力を出すのは構いませんが、主役を喰ってしまっては作品の盛り上がりを損ないます。

もし悪役を中心にするなら、もっと完全にやらないとダメです。もっと残虐なシーンを多用するか、もっと何度も襲撃されて傷つきながら戦わないと、同情を得ることはできません。ダニエル・デイ・ルイスは好演でしたが、演出は中途半端といわれても仕方ないと思います。

作品自体が長すぎたのも確かです。原作から抜粋する作業を、もっと練り直すべきでした。

キャメロン・ディアスは、ミスキャストのように感じました。もっと情熱的な印象の女優を使って、しかも悲劇的に死ぬ必要があったと思います。悪役に殺されていたら、ストーリーが単純になって、流れがはっきりする効果はあったはずです。彼女が生きていたことは、明らかに間違いです。

もうひとつ、銃撃が少なかったことも欠点と言えるように思います。我々からすればアメリカは銃の国なので、銃撃をひかえて斧などでやりあうのは考えにくいことです。また、仁義を守って正々堂々などとは、アメリカンスタイルではありません。大勢で少数をたたくのも当然と考える国柄です。

待ち伏せ、だましうちが少ないので、現実と遊離したおとぎ話になって、単なる若者ヤクザのケンカ映画かいな?と、がっかりしてしまいそうになります。

乱闘シーンの迫力が不足していたのも、いけませんでした。今のCG映画の乱闘は、そりゃ~激しいので、それこそロード・オブ・ザ・リングのバケモノとの戦いのほうが迫力勝ちしています。殺陣師の教育が必要だったと思います。

編集の仕方を変えるだけでも、この作品は傑作になっていた可能性があると思います。単純に短く焦点をしぼることだけでも、きっと作品の質を上げたでしょう。

この映画の時代の後にはイタリヤ系の移民が入ってきて、旧来のイメージのギャング抗争が始まるのでしょうが、アイルランド系移民も当初は悲惨な状況だっただろうと、この作品で改めて思いました。単純作業者から警察官や軍人などになって、やがてケネディ家のように権力者になっていく者が出てはきますが、もとはギャングの仲間のようなものだと思います。

中国人の扱いも、ひどいものでした。こんなに昔からニューヨークの中に中華街を作っていたなんて、驚きです。おそらく大陸横断鉄道の工事のために清から引っ張られてきた人達だと思いますが、犬か猫のような扱われ方です。少数民族は常に地べたを這うようにして生き延びて、徐々に地位を確立していたのだと改めて認識しました。その過程で、’ネイティブ’などと対抗するために、ギャング組織が必要だったのでしょう。

もちろん、正当化はできませんが。

 

2007年7月 4日

ギルバート グレイプ

Photo_43 - 新しい街に行こうか! -

この映画をご存じでしょうか? 今やとぼけたメイクで大スターのジョニー デップが寂しげな顔をして主演していますし、かのレオ様が障害者の青年を演じている、今思えば作品の出来としては二人の代表作と言えるものです。

いかにも小説的なシチューエーションの、美しい話でした。あちらの映画には、この作品と同じような雰囲気のものがたくさんありますが、この「ギルバート グレイプ」は、その中でも特に観た後の印象が良い作品でした。家族で見れる作品だと思います。恋人と観ると、結構良い雰囲気になれるような気がしますが、時間がゆっくりある時でないと、話がワクワクしなくてつまらないと感じる人もいるかもしれません。

アメリカのどこかの田舎町に住むジョニー デップは、障害者の弟であるディカプリオ、超肥満体の母親、二人の姉妹と暮らしていますが、過去に父親が自宅で首を吊って自殺していて、その心の傷のためか、家族の皆が協力し合い、慰めあっているにもかかわらず希望を持てない生活を続けていました。

トレーラーハウスで生活する母娘が、車の故障のためにしばらくこの町に滞在してジョニー兄弟と関わることで、家族全体に波のように影響が起きます。ジョニー本人は、やはり自分の置かれた状況を見つめなおす機会になったようです。母親も、心の傷のために動けないでいたようですが、ディカプリオの拘束されることに対しては毅然として人前にも出て行きます。

ラストはジョニー兄弟に新しい生活への期待を感じさせるシーンでした。でも、そこに至るまでは基本的には不幸な物語が展開されます。

基調となるのが不幸な過去、抜け出せない複雑な問題、お互いに助け合い、時には傷つけ合う家族、個性ある友人、そして美しい風景でした。風景も人間に影響を及ぼすと思います。

私は山の中で育ちましたが、山の中の田舎村では自殺者が非常に多く、一集落に2~3件はいます。同級生の仲がよかった女の子も焼身自殺してしまいました。産業がないことから金銭的に苦しいことと、娯楽も少ない、皆知っている人達ばかりで羽目を外せない、やたら雨の日が多くて家でじっとしているしかない、若い人は職を求めて都会にでてしまう、残った人は息が詰まるような閉塞感があり、将来に希望を持てないというのが理由だと考えます。

日本の山の中にこの家族がいたとしたら、まずトレーラーハウスは来ませんし、近所の人の目が気になってなかなか旅行者の女の子と話もできませんし、外で遊んでいたらすぐ雨が降って、皆で1日中テレビを見るしかないかもしれません。日本の田舎は物語にならんなあと思います。

アメリカだと、地平線の向こうから車の集団が移動して来ますし、からっと晴れた日では野原での少女との会話も楽しくなりますし(そういえば雨のシーンはありましたっけ?)、地続きで広大な原野が拡がっているわけですから、「この町でだめなら他の町でやりなおそうかい」という発想も自然にできそうです。きっと、人間の考え方には風景が強く影響すると思います。

また、例えば経済的に豊かなら、ジョニー家族の物語も随分変ってくるでしょう。父親がいなくても、とりあえず介護の人を頼んで母や弟の面倒を見てもらって、自分は自分の生活を営むことも可能です。豊かさは全てではありませんが、かなりの問題を対処可能にします。

仕事柄、障害者の家族と接する機会が多いのですが、家族を愛する気持ちと、義務感、今後への不安、経済的な問題、時間の制約などなど、簡単に抜け出せない状況でも耐えている人に本当に感心します。私自身がいかに恵まれていたか、いかに思いやりに欠けた言動をとって来たかを恥じます。ついつい勉強しない子供たちを口汚く怒ったりしてしまいますが、怒り方を考えないといけません。

気がつけば高いところに登りたがるディカプリオの演技は、非常に迫力がありました。日本の俳優にもっとうまくやれる人がいると思いますが、彼の若さとかわいらしい顔付がよりいっそう可哀想な印象を与えてくれますので、この映画の物悲しさが引き立ちました。兄に殴られて鼻血を拭く時の眼が一瞬無表情になるのは、障害者独特の表情でした。単純に泣くだけではない、我々と違うレベルで何かを感じ、考えている時の反応をよく現していたと思います。

ジョニー デップって、眼の下にクマがないと印象が全然違いますね。

2007年5月 4日

キューティー ブロンド

- 青春ラブコメそのまま -

この作品は、アメリカの若者向けの映画には必ずと言って良いほど出てくるパターンのたぐいです。青春ラブコメサクセス少女物語というべきでしょうか。 少しドジなカワイ子ちゃんが主演であり、きまって失恋し、やがて真実の愛を悟り、仕事もしくはスポーツなどで最初は失敗、後で意外な大成功、そして皆が祝福し、友人のキャピキャピガールとの友情も続く、そして、、、、なんという固定化されたパターンでせうか!

女学生の寮で、お約束の下着姿が見られましたが、ほんの少しでした。この時点で、この作品は下劣な路線をねらってないことに気がつきました。格調高い主題を、おかしくかわいらしく描こうとしていました。

リッチなボーイフレンドとの結婚を夢見ていた主人公のリース ウィザースプーンは、突然の別れ話に呆然としますが、そこは前向きな性格で考え方を変えて、彼氏と同じ大学に入学してしまいます。名門大学は、入学専攻が独特で、高校時代に寮の委員長などを務めている、もしくはボランティア活動をしている、などの前向きな態度が評価されるそうです。日本のような試験だけの民主的な方法はとられていません。この点でも、いかにアメリカがエセ民主主義か分ります。というのは冗談ですが。

あちらの大学は、入学はできても授業についていくのは大変で、アーパーギャル風の彼女は落ちこぼれてしまいそうです。しかもモトカレは、なんと別な女と婚約までしてしまって、せっかくのウィザースプーンの努力が無駄になりそうです。しかし、ここから勉強と鋭い感覚で、実際の法廷で弁護人となることができるまでになります。

どこまでも前向き、何たる安易な結末。しかし、映画はこうあってもいいと思います。リアルな殺人シーンばっかり見せられたら、頭がおかしくなってしまいます。くだらない映画でも、たまには見ないとやってられないと思います。

しかも、この作品は結構ちゃんと作ってありました。決まりきったストーリーなので、間違いようがなかったのかもしれませんが、登場人物のキャラクターはほとんど固定化されていて、配役もほとんどが適切だったように思います。カメラワーク、色彩も、数十年間同じタイプの作品を作ってるのかと疑いたくなるほど適切でした。

作品としては、良くできていると思います。私はアゴのしゃくれた主人公は、あまり好きではありませんでしたが。 パート2も見ようっと。

2006年10月15日

きみに読む物語

  - 奇跡を呼ぶ愛の話 -

監督 ジーナ ローランズの息子  主演 ジーナ ローランズなど

この作品は、美しい愛の物語です。子供に見せても良いと思います。軽めのラブシーンが少しあります。小さい子は意味が分らないかも知れませんが、小学生くらいからなら感動してくれる子も多いと思います。家族で見ると、愛情の深さについて感じるものがあると期待できます。恋人といっしょの場合は、仲がバッチリの時は問題ないのですが、二股かけられて、しかも自分の方がやや分が悪い場合には、「よっしゃ、私はやっぱり愛に生きる。じゃ悪いけど、あんたサヨナラ。」と、決定的な判断をさせてしまう可能性がありますので、慎重に判断して見て下さい。

物語は、認知症(痴呆)がひどい婦人に、ボランティアの男性が恋の物語を読んでやるという話です。その話は、上流階級の令嬢と地元で肉体労働をやっている青年が恋に落ちるが周囲の反対で別れてしまうという物語です。話しているうちに、おそらく大半の皆さんがあらすじを読めてしまうと思いますが、ストーリーが分ってしまっても、この作品の価値は下がりません。男性が語る恋の物語がラスト近くで奇跡を起こし、きっと感動できます。

主演の男優はストーリーから考えて、もっと目に強い意志を表現できる俳優の方が良かったのではないかと思います。主演女優は、令嬢など会った事もない私なので、グレース ケリーと違うなくらいしか分りませんが、たぶん上流階級の純粋な娘さんの雰囲気を出しているようで、充分魅力的に思えました。老人役の2人は本当によい演技だと思いますが、特に認知症の婦人の演技は実に迫真のものでした。老人病院では、同じような表情の女性をたくさん見かけます。この女優ジーナ ローランズは、ちょっと前の映画の「グロリア」では結構若く見えたのですが、今回はすごいリアルな老け役でした。実際の認知症の方と同じ目つきでした。

私はアメリカの飛行機の中で認知症の婦人と話したことがありますが、かの国では認知症の高齢者でもコーラを注文していたので、さすがアメリカのおばあちゃんは違うと思いました。関係ない話ですが。

仕事がら認知症の方の家族とよく話しますが、穏やかにニコニコするばかりのボケ方なら良いのですが、暴力を伴うようになったり、徘徊や不潔な行動を取られるようになると、聞いてて涙が出てくるほど辛いことになります。当事者でないと分らない悲しみだと思います。この作品のような奇跡は、やはり映画でないと無理のようです。

でも、愛の力を信じたい気持ちになりました。

2006年10月 4日

キャスト アウェイ

監督 ロバート ゼメキス 主演 トム ハンクス

 この作品は、予想外に子供にうけました。リアルな死体も出ますし、ラブシーンなどもありますが、いやらしくない程度ですので子供にも見せてよい映画のように私は思います。恋人と見るのは悪くありません。爆笑は期待できませんが、クスクス笑いは出ると思います。面白い作品です。

主人公は運輸業のビジネスマンでしたが、飛行機事故で海に転落し、かろうじて孤島に流れ着きます。火を起こし、食料を確保し、住まいを見つけ、救助を待つというストーリーですが、演じるトム ハンクスのキャラクターのせいか、主人公の単純な感動に我々も共感してしまいます。

これが別な俳優ならそうはいきません。例えばトム クルーズが主演したなら、手に汗握る大冒険アクションでないかぎり似合いません。島では宇宙人くらいは最低でも出てきます。全然違った作品になるでしょう。ジョニー デップだったら、もちろん現代の海賊が出て来て、だまして船を乗っ取るしかありません。これまた、作品が変わってしまいます。そのようなわけで、トム ハンクスに決定しました。(うそです)

この映画のテーマでは終わり方が難しいと思います。まとめるために映画の最初の部分が伏線になっていましたが、見ていて「このシーンは伏線になります。」とテロップが出てるような、いかにもという感じがしました。また、主人公の辛さをもっとうまく表現できなかったかな?という印象も持ちました。恋人の写真に向かってのセリフ(独白や妄想のほうが自然か?)や音楽に工夫の余地はなかったでしょうか? もともと涙を狙った作品ではなかったのかも知れません。

全体として、結構リアルなシーンが多くて良く出来ていました。飛行機の墜落シーンは、今まで見た中で最も迫力ありましたし、島の景観を写したカメラワークなども的確でした。

2006年9月27日

キングコング

監督 ナガイ エイガスキー? 主演 ナオミ ワッツとキングコング

 この映画は子供にも見せられると思います。大人なら、まずナオミ ワッツのファン、それと特撮に興味がある人にはお勧めです。それ以外の方は、極めて暇な時に見るべきでしょう。

 ストーリーは紹介しません。おそらく正しい見方は、リモコン片手に、ナオミ ワッツが見たい人は彼女が登場している場面だけを見る、スケベなやつは彼女の服が濡れて体にピッチリついた場面だけを見る、特撮が好きな人はコングが暴れる場面だけを見るというやり方でしょう。女性の方が仲間といっしょに見ると、たぶん後悔する作品です。

 この作品のCG技術は相当に進んでいます。年々すごい技術を見ることができますが、最近は動きがますます自然になって、模型とCGを見分けることができない場面も増えてきました。もっと技術が進むと、おそらくコングをゆっくり動かさせて体長7メートルの重量感が表現できるようになるでしょうが、今回はちょっと早すぎて軽い印象を受けました。でも良く撮れているので、恐竜と闘うシーンや街中で自動車をふっとばす場面を見るだけでも価値はあると考えるくらいです。ロード オブ ザ リングのスタッフが作り、演じているそうですが、映画が長いのも共通してます。

 主演のナオミ ワッツは苦労人らしいですが、似たような映画に出ていたシャーリーズ セロンとは少し雰囲気が違います。サスペンスものや家族の物語で味が出る俳優ではないでしょうか。この作品では彼女の魅力を完全に引き出せていない印象ですが、怪獣映画では仕方ないでしょう。

 大昔のハリウッドの作品はストップモーションで撮影されていて、今となってはこっけいな動きが面白く、東宝で高島パパ主演の作品は子供心に「大きすぎないかい?」と感じたものでしたが、娯楽に徹すれば傑作になりうる題材なので、次回のキングコング様の出演作品にも期待しています。

その他のカテゴリー

| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 映画評