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2020年8月 4日

画家とモデル(1955)

Artists-and-models

- Paramount -

画家と作家の二人組が、同じアパートに住む女性ペアと仲良くなる。しかし画家が描いた作品に書かれた数式が注目され、組織に狙われることになる・・・DVDで鑑賞。

この時代は、まだアポロ計画が発表される前のはず。でも、ただのロマンティック・コメディが宇宙開発の話になってしまうという流れは、この当時すでに宇宙に関する認識が一般人レベルに達し、興味を持たれていたからこそできたのだろう。具体的な計画はないとしても、将来はきっと宇宙ステーションができるという、皆の期待はあったのではないか? 

最初は学者たちが、そんな構想を述べていたのだろう。 同年に同じパラマウント映画は、「宇宙征服」という真面目なSF映画を作っているらしい。ギャグ映画にも、新しい設定が欲しいから、宇宙開発の話が持ち込まれたのではないか? 

この映画は雰囲気が派手で、やたら照明も明るい。当時の映画の雰囲気を感じる。1950年代のアメリカは凄い経済成長期にあったはずだ。 公民権運動やベトナム戦争の影響が出る前の時代。そういえば作品の中に、黒人の出演者を見かけなかった。パーティーの給仕にいたるまで、全く見ない。興行面を考えてのことだろうが、その点も時代を表している。

この作品の当時、底抜けコンビは大人気だったというが、翌年にはコンビを解消している。すごい数の映画を短期間で作っているのは、それだけ人気があって、必ず受けると会社が考えていたからと思う。でも年間で2~3作も同じような役柄を演じていれば、たいていの人は嫌になる。ディーン・マーティンにとっては、自分のキャリアのことを考えて、そろそろ本格俳優への道を探るのも当然だったかも知れない。いつかはコンビの人気も下がるはずだから。 

ジェリー・ルイスの外見と芸風は、ジム・キャリーと似ている。きっとジム・キャリーは、ジェリーの影響を受けているはずだ。かなりしつこいジェリー・ルイスの芸風も、伝統的なスラップスティック芸の一種だと思う。今では彼のオーバーで派手過ぎるスタイルは流行らないが、芸の完成度の高さは明らか。彼の個性を生かせば映画はヒットすると、スタッフの皆も感じていたことだろう。  

この作品にはディーン・マーティンとジェリー・ルイスのほかに、のちのスターのシャーリー・マクレーンも出演している。マクレーンはデビューしたてだったようだが、既に大事な役を演じている。会社が彼女の将来性を見込んで、入れ込んでいたからだろう。ロマンチック・コメディに合いそうな個性を感じる。

いっぽう、セクシー女優のアニタ・エクバーグ嬢もモデル役で出演しているが、あまりセリフがなく、ただ美貌とスタイルの良さを買われているだけのようだ。他にも大変な美人モデルがたくさん出演している。でもスターになったのはマクレーンだけのようで、女優というのは本当に厳しい世界であると思う。

 

 

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