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2020年7月23日

ミスター・ハリウッド

ブラッド・ピット主演のアド・アストラを観ていて思った。今日、ハリウッドを代表するスターは誰だろうか? ・・・それはブラッド・ピットかも知れない。

彼は人気と出演作の評価、そして自ら映画を製作する力量、影響力を兼ね備えたミスター・ハリウッド的存在に近い。過去にも多くのスター達が、「こんなスターは、二度と出てこないのじゃないか?」と思わせるほどの存在感を見せていたが、彼もそうだ。 

トム・クルーズも相変わらず凄い。彼も制作会社を運営していて、ヒット作を作り続けている。少し容色に衰えを感じるが、アクションは度肝を抜くほど激しい。高層ビルや飛んでいる飛行機に本当にしがみつくなど、常識の範囲を超えている。映画のために、命がけでやっていることから考えると、彼こそがミスターなのかも知れない。

役を上手く演じるだけでは、今日のスターは尊敬を集められない。演技力も必要だが、監督業、製作の分野でも成功しないといけない。役者バカではだめなんだろう。映画界のレベルに関わる業績、それにはヒットを続けること、優れた内容、斬新な発想などを総合した貢献度が問われると思う。 

ここ数年の人気や出演作品の興行収入などから考えると、ドウェイン・ジョンソンに最もマネー・メイキング力があると思う。出演すると必ずのようにヒットする。そして彼も既にプロデューサー業に進出している。他の役者に真似のできない圧倒的な個性の持ち主だ。

でも、シュワルゼネッガーやスタローンも、一時期はヒット作を連発し続けた人気俳優だった。出れば全部大ヒット、迫力のあるアクションや、心を打つ戦いぶりを見せて、飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、やがて衰えは来た。彼らはミスターといえる存在とは、少し違っていたように思う。ドウェイン・ジョンソンも、今のままなら同じ路線ではないか? 

数年ごとに、スターの注目度は変わる。出演作の出来栄え、その印象によって変わるのだろう。ディカプリオや、トム・ハンクス、ロバート・ダウニー・Jr、ジョニー・デップこそが第一人者のように思える時期もあった。でも、直ぐに変わる。 

劇場主が若い頃は、ロバート・レッドフォードやマイケル・ダグラスが人気だった。レッドフォードは今でも優れた作品に出演しているが、演じても監督しても、素晴らしい仕事ぶり。彼こそは真のミスター・ハリウッドかも知れない。マイケル・ダグラスも優れたセンスを感じさせる俳優だったが、ミスターの位置からは外れてしまったように感じる。

ウォーレン・ビーティー、ポール・ニューマン、スティーヴ・マックィーン、ロバート・デ・ニーロらも独特の映画人だった。それぞれが一時代を築いた。ミスター候補者は、政治的には左寄りで、環境破壊などに敏感な方が多い気がする。それも尊敬を集めるための条件かも知れない。

そしてクリント・イーストウッド。まさか彼が名監督になろうとは思っていなかった。80年代くらいまでは、ただのタフガイ役者でしかなかったはずだ。ただ彼の監督作は大作ではなく、小品が多いように思うので、ミスターの基準からすると、他を圧するほどの派手さに欠けているかもしれない。

ずっと昔だと、チャップリンが図抜けた存在だった。シリアスな役もコメディーも、政治的表現、芸術的表現、俳優業と監督業、作曲までこなしていた。まさにミスター・ハリウッドだったはずの彼が、ハリウッドを追われたのは、皮肉のようであり、それだけ目立つ存在だったからという理由もあるだろう。高い所に立てば、受ける風も大きい。

さて、次のミスター・ハリウッドは誰だろうか? 

 

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