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2020年7月11日

ランペイジ 巨獣大乱闘(2018)

Rampage

- Warner Bros. -

動物保護施設で人間と心を交わしていたゴリラが、秘密実験で作られたウイルスによって巨大化した。主人公らは陰謀を図る企業と対決する・・・テレビで鑑賞。

ランペイジとは、暴走、凶暴な行為の意味らしい。もともとは同名の人気ゲームが原作だそうだが、ゲームを知らなくても充分に楽しめる映像だった。 ただし、ストーリーにオリジナリティは感じられなかった。何度も見て来たような話だ。

主人公はドウェイン・ジョンソンで、当代きっての人気俳優だが、この作品で彼の個性が必要だったとは言えない。殴り合いのシーンはほとんどなく、もっと若手のイケメン俳優でも充分に役割を果たしていたのではないかと感じた。ただし今回の彼は、この作品の製作者でもあるそうで、わざわざ他の俳優に主演を譲る理由もなかったということだろう。 

殴り合い以外のアクションは素晴らしい出来栄えだった。冒頭で宇宙ステーションから乗組員が脱出するシーンは、役者の動きや表情、爆発の表現なども良い出来だった。 さらに、輸送機が墜落しそうになって脱出を試みるシーンは、風圧の表現が非常に上手く、実際の映像に近い迫力があった。脱出の演出が得意な人間がいたことになる。 

ビルの屋上でのバトル、兵隊が巨大なオオカミと戦うシーンも、スピード感あふれる映像表現だった。ワニたちが町を襲うシーンの迫力も凄い。過去にもいろんな怪獣が暴れる映画はあったが、さらに一段上の表現力を感じた。

微妙にだが、技術は年々進歩して、動きはより滑らかに、重力や慣性の表現も高度に進化したコンピューターソフトによって処理され、実際に巨獣が暴れているとしか思えないほどのリアリティが生まれている。大したことのないはずのストーリーでも、圧倒的な技術によってSF映画としての成功を期待できるレベルになったのは、技術の進化ゆえんだと思う。

単純に怪獣が暴れる映画は、子供の頃の漫画雑誌に宣伝が良く載っていて、怖ろしそうな怪獣の能力の説明に、まるで最先端の学会に参加して知識を得るかのような知的興奮を覚えたものだ。今思うと、それらの多くはB級作品だった。ほんとうに、ただ暴れるだけの着ぐるみ映画に過ぎなかった。この作品とは目指しているものが違っていた。

また、この作品では主人公とゴリラの心の結びつきの描き方が良かった。ちゃんと定石に従って作られている。ゴリラの仕草の表現に時間を割いていたのは、ストーリーの理解のためにも必要だったし、作品がただの単純な怪獣映画になろうとするのを、わずかながら防いでいたかも知れない。

 

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