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2020年6月21日

イエスタデイ(2019)

Yesterday

- Universal -

主人公は交通事故に遭遇し、意識を失う。回復した彼は、誰もビートルズを知らないように世界がリセットされたことに気づき、曲を世間に発表する・・・DVDで鑑賞。 

この作品は興行的にはマイナーヒットだったようだが、心地よい佳作だと思う。珠玉の名作にはなれていないものの、心温まる物語だった。もし映画館で鑑賞していたとしても、充分に満足できたろうと思う。

ひょっとして誰か有名な俳優が主演し、演出の仕方も変えていたら、もっとメジャーな作品になっていたのかも知れない。アイディアが素晴らしかった。

インド系の俳優が主演していたが、今作のオーディションで選ばれた方らしい。この役には歌の上手さとともに、無条件に人から好かれる外見が望まれたと思う。彼は落第ではなかったと思うが、共感を集める力には欠けていたように思えた。 

ヒロインのリリー・ジェームズが化粧っ気をなくし、恰好もかなりダサい感じにし、行き遅れの女教師の雰囲気を出しており、とても好感を持った。彼女は貴族の娘役や、おとぎ話のヒロイン役など、様々な役柄を演じてきたが、劇場主は正直、彼女からお姫様のイメージを感じることができなかった。

庶民出身でチャーチルの秘書という役をやった時には、しっくりくるものを感じたから、本来は今回の役のようなキャラクターのほうが合っているのではないだろうか? 齢をとっても愛嬌のある婦人役を続けられるかも知れない。 

ミュージシャンのエド・シーランが本人役で出演していたので驚いた。ちゃんと演技をやっていたし、出番もかなり多かった。この作品の中では笑いの対象にもされていたが、それを本人が気に入っている様子がうかがえた。

劇場主はビートルズ世代ではなかったが、中学生の頃には非常に影響を受け、曲をずいぶん聴いたものだ。せつない曲調が素晴らしく、激しさと悲しさの両極を表現できる彼らの才能に感服した。

彼らの音楽に出会えて本当によかったと思う。当時はオーディオセットを持っておらず、もっぱらカセットデッキにラジオから録音した曲を入れるしかなかった。あの時の作業が懐かしい。

たまにNHKのFMで特集が組まれ、曲をノーカットで流してくれることがあり、テープの残り時間を気にしながら録音していた。途中でテープが切れると、一生の不覚と思ったものだ。

ただし、彼らの曲の歌詞は、訳してあらためて読んでみても、心に染み入るような内容のものは少なく、意外に無味乾燥だ。日本の歌謡曲や米国の歌のほうが直接的に表現したものが多く、詩に関するセンスが違うようだ。

「イエスタデイ」は、彼らの代表作だと思う。この作品のタイトルに使われたのも理解できる。あの曲が普通のギターソングとして売り出されていたら、ビートルズというグループの印象も違っていたかも知れない。弦楽器をバックにしたのはプロデューサー達の功績だったそうだが、あれによって音楽性の幅を感じさせ、存在感がより高まったように思う。 

 

 

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