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2020年6月 7日

社長って何だ! (2019)

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- 丹羽宇一郎著・講談社現代新書 -

伊藤忠商事の社長や、中国大使を務められた丹羽宇一郎氏の著書。新書本を購読。

丹羽氏は商社の人間である。基本的には利益至上主義の人物ではないかと考えないといけない。多くの本を書いておられるが、氏が人格者であるという客観的な評価を知らない。商売人だから正直な人間であるとは限らないし、国民の利益のことを重視しているかも分からない。

もしかすると中国に取り込まれた人物の可能性もある。大使時代の言動は、どちらを向いているのかよく分からないものもあった。伊藤忠のためにしか動いていない可能性もある。それらを考慮したうえで、この本を読むべきかも知れない。 

氏が社長になる前、伊藤忠が債務過多に陥っていたとは知らなかった。伊藤忠や丸紅などの総合商社は、抜け目ない戦略で常に利益を確保し、赤字など出したことがない、そんなイメージを持っていた。でも経済に詳しい人なら、きっと実情を知っていたはずだ。バブル崩壊やリーマンショックの頃は、商社と言えども不景気に見舞われないはずがない。劇場主が知らなかっただけで、会社の中では壮絶なことが起こっていたのだろう。 

著者によると、社内では会計操作によって黒字と見せかける時期が長く続いていたらしい。株価などのことを考えると、赤字の報告にはなかなか踏み切れないはずだ。赤字を出した者は責任を問われるから、出世をあきらめないといけない。自分のせいじゃない赤字なのに・・・そう考えると、負債の処理は後回しにしたくなる。著者御自身にも責任がないわけではないだろう。 

負債を処理するには、反対派を抑え込み、責任を明言し、最終的に良い結果を出す覚悟がいる。巨額の金が動く大きな会社のことだから、胃が痛くなるような思いをしたことだろう。壮大なバクチのようなものだったに違いない。それを成功させたことで、氏の評価は今でも高い。

そう言えば、日産のゴーン元社長もそうだった。日産の業績をV字回復させ、凄腕社長の代表選手と思われていた。ゴーン氏は、結局は会社の金を自分のものにしてしまったらしく、一時期思われていたような尊敬すべき経営者ではなかったようだが、モラルの部分を除けば、優れた業績を残したと言える。

ゴーン氏が調べを受けていた犯罪がどのようなものか理解できないが、氏も壮絶な職務を果たした時期があったはずだ。巨額の報酬を受ける権利も、ありそうな気はする。会社が傾くほどの金額でないなら、あまり法律で縛らずに、自由にさせてはいけなかったのだろうか? 株主には不利益を生じるが、それが嫌なら投資しないと良い。腹が立てば、訴訟を起こせばよい。

どんな経緯で報酬をしばる法律ができたのか、そこらへんがよく分からない。株主は、損しても自己責任で良いのでは?投資を呼び込むために、ある程度の規律は必要だが、保護し過ぎる必要はない。リスクを背負うべきだろう。もっと大事なことを法律で規制すべきだ。たとえば、商品の生産場所だ。

最近になって知ったのだが、マスクの生産は中国一国に依存していたらしい。それでコロナ感染の発生により、いっきに品不足になった。いかに原価が安かろうと、重要な物品を一国に依存するのはリスクがある。だから安全保障のために規制が必要で、会社の自由にさせてよいはずがない。そっちのほうが、国家戦略としては大事だ。株主保護なんて、二の次、三の次の問題だ。

一か国への依存度は一定以下に限定することを、法律か社則で決めさせるべきだ。業界団体の規制でも良い。一か所に偏る企業の税金を増やす手もある。法律の視点が間違っていると、国民が苦労する。グローバル社会においては、変化が急激に来る。事前に危険性のあることを予測し、安全保障を維持すべきだ。食料の確保などにも、もっと頭(=法律)を使わないといけない。

リスク管理できていなかったマスク業者、医療機器会社、流通会社、厚生省の役人は、全て能力不足だったと言える。責務を果たせなかった。すべての社長が失格だ。役人も与党も野党も失格。ついでにといったら悪いが、伊藤忠商事がマスクを扱っていたなら、丹羽氏も失格だ! 氏も効率と利益を優先し、害を社会にもたらした社長の一人と言える。リスクを考える基本的能力は必要だ。

社長とは何だ!・・・それは、劇場主が述べたことを達成できる人間だ!株主がどうなろうと知ったことじゃない! 社長である以前に、国民への義務を果たさないといけない!

 

 

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