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2020年5月 7日

新聞記者(2017)

Kadokawa

-望月衣塑子著・角川新書 -

東京新聞の現役記者である望月氏の自伝。単行本を購読。著者のことは全く知らなかった。菅官房長官の会見での質問で有名になったようだ。テレビを見ないので、記者会見での彼女の活躍を知る機会がなかった。

この本は映画化されている。若干ストーリーが違い、ヒロインは韓国の女優が演じたようだが、まだ安倍政権が続いているのに、こんな内容の映画を作った心意気は大したものだと感心する。ビデオになったら、いちおう観てみよう。日本アカデミー賞を取ったらしい。著者らの勇気に感心する。

驚いたことに、この本には報道関係者からの批判本も出ているようだ。フリーランスの記者には、自分たちの活躍の場を奪われたという害もあるらしい。派手な活躍は、意外な副作用も生じるのだろう。ただし、その批判は、政権側の意向をくんだ動きのひとつかも知れない。

劇場主が記者であっても、権力者に対してしつこい質問を続けることはできない。普通の人はそうだ。内容が厳しい質問はできたとしても、礼儀を考えて食い下がれないまま終わると思う。劇場主は子供の頃から部活動や教室で、権力者たちに圧力をかけられどうしだった。自由を制限されることを学んできたような気がする。組織の中での生き方を学べた一方で、覇気を失っている面もある。

だが、新聞記者をはじめ、報道機関に所属する人間は、為政者を批判的に監視し、嘘を暴く義務がある。ガッツがないといけない。もしかすると、体育会系の部活は、記者を目指す人は避けるべきかも知れない。飼いならされては職務を果たせないから、自由な雰囲気の芸術系、文科系の部活を選ぶべきだ。

また、記者をやる人間には、空気を読めない個性も、ある程度必要かもしれない。なあなあで済ませられない感覚があれば、執拗な質問も当然の権利と信じて実行することができる。職務に求められる行動を躊躇なく実行するためには、配慮や慮りは不要だ。ある程度の発達障害、コミュニケーション障害は、記者には望まれるのかも知れない。  

政府を批判したら、政権側からは嫌がらせが必ず来る。政権に忖度する検察や裏街道の人間、会社組織が自分たちの利益を見込んで知恵を絞って来る。どんな手を使って来るか、善良な人間には予想もできない。

まず職を続けるのが難しいように圧力をかけ、経済的に攻めるだろう。何かの失敗を調べ上げて、犯罪として立件できるか考えるに違いない。何も罪になりそうなものがないと、弱みを持つ上司や友人を脅して、人間関係から泣き落とすように圧力をかける。または選挙ゴロなど、その筋の連中を介して電話や手紙などで脅迫するなど、多種多様な攻撃をしてくるに違いない。それに耐えきれる人間は、そうそういるものではないと思う。誰かが守らないといけない。  

政権と新聞社側が馴れ合いになるのは絶対に良くない。記者クラブという制度が堂々成り立っているのは不可解だが、対決ばかりしているより仲よくしたほうが記事を書くのに効率が良いといった安易な考えで始まって、伝統になってしまったのだろう。記者会見にもルールは必要だが、為政者の発表の受け売りで終わって良いはずはない。 

法律で定めるべきではないだろうか? しつこい質問をする記者が偉いわけではない。正しいルールが必要である。記者クラブのような組織を作ってはいけない、一社の質問時間は何分、合計の質問時間は何分、記者からの質問状には回答しないといけない、質問の形式はこれこれ、回答の形式はどうするなど、決めたほうがよいはずだ。伝統に頼るのは良くない。

加計学園や森友学園の問題を見ていると、安倍総理と総理をかこむ連中への不信感を強く感じる。証拠隠滅のせいで真相は確認できないのだが、怪しいという段階は超えていると思う。彼らはモラルのことなど気にせず、利益や権力を追及しているのだと感じざるを得ない。

その総理が緊急事態宣言を出しても、こちらとしては納得しがたい。その指示によって害を被る人が必ずいるからだ。犠牲を強いる場合は、申し訳ないが従ってくれ、責任は自分が取ると言えるだけの人徳が欲しい。法律的にどうあれ、感情的にはそうだ。

安倍政権が終わる時は、きっとそんな感情が理由になるだろう。

 

 

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