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2020年5月29日

鬼滅の刃(2019)

Aniplex

- Aniplex Inc. テレビアニメ・1~2話 -

大正時代の日本を舞台に、鬼への復讐、妹を救おうとする主人公らの活躍を描いた作品。TVアニメ版の1~2話がDVD化されていたので鑑賞。 

「鬼滅の刃」のオリジナル漫画は、2020年の5月号をもっていったん終了することが決まったらしい。原作の作者は女性漫画家だそうだ。この作品以外にはまだ大きな作品は書いておらず、もともとのデビューの時に書いた漫画の構想を、そのまま拡大したのが本作らしい。

少女漫画の香りのようなものは、アニメでも感じられた。高橋留美子の画風に近いものをすこし感じる。ストーリーは「犬夜叉」より「どろろ」のほうに近いかも知れない。アニメのどろろは、鬼とは違う妖怪タイプの怪物たちと戦う物語だった。物語の中に政治色、社会の不条理に注目させる深みがあり、独特の奥行きのある物語だった。怪物のおどろおどろしさは、今作と似ている。

「どろろ」は優れた作品だったと思うが、設定が難しかったようだ。学生運動が残っていた時代。社会悪、階級対立、戦争などの問題点をえぐる路線では、どうしても話が暗くなる。子供からの支持率を維持したいなら、活劇部分を強化しないといけない。でも、そうすると御子様マンガに成り下がる。どろろの時代に、それはできなかったかもしれない。

この作品は時代と舞台の設定が素晴らしい。この物語が仮に現代を舞台にしていたら、怪しい雰囲気は出にくいと思う。未来でもそうだ。宇宙人や超能力者との戦いなら近未来は都合が良いが、鬼との戦いでは基本として古いほうが良い。

いっぽうで江戸時代以前だと、これまたテレビの時代劇などをイメージしてしまい、年寄りが楽しむ話のような陳腐さにつながる。ロマンあふれる時代が良い。たぶん明治時代でも良かったのかも知れないが、大正時代に設定したのは正解だった。

この時代設定によって、セリフが古めかしくなり、なにか高尚そうな雰囲気を出すことが可能になったと思う。叙事詩のような壮大な雰囲気を出すためには、演劇で使われるような文語調のセリフは効果的だと感じる。いっぽうで古すぎると、チャンバラの陳腐さにつながるので、明治か大正しか考えられない。  

漫画を見ていないので、この話の後がどうなっているのか知らないが、巨大な鬼、超絶能力を持つ鬼たちが次々登場してくるのだろうか? アニメの「ワンピース」は、巨大で怪奇な能力を持つ連中を、仲間と一緒に退治して旅をする物語で、冒険する場所も奇想天外、敵も怖いやつからおかしいやつ、いろいろな設定ができる。

この鬼滅の刃の場合は、設定に限界があるのではないだろうか? 外国に出る展開は考えにくいし、日本の風土とかけ離れた舞台は設定に合わない。基本は夜間にしか戦えない。刀などが通用する相手でないといけない。物語を延々と続けることは、作者にも負担が大きかったのではないかと思う。

この2話の後は、主人公が修業を積んで強くなる設定だろうと思うが、剣劇だけではよほど上手く表現しないと、凄さを感じてもらうのは難しい。どんな話がつながっているのか、どうやって人気を維持できたのか分からない。

でも、マンガを買うつもりはない。劇場主もそろそろ還暦が近い。マンガを買っても何度も見なおす時間はないし、買えば人からバカにされるし、置き場所に困るし、購入は考えられない。せいぜいDVDの第二巻を借りるかどうかだが、他に何も借りるものがないなら借りるくらいで良いと思う。

 

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