映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主


Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« ハンターキラー 潜航せよ(2018) | トップページ | カレーの世界史(2020) »

2020年3月 9日

コロナウイルス SARS-CoV-2への対応(2020)

- 2020年3月9日時点  -

最近は自分が言ったことでもすぐ忘れてしまう。記録のために、この文章を残しておきたい。  

(発生)武漢地域に特殊な感染症が流行しているという情報は、1月20日頃には報道で知っていたと思う。テレビはあまり見ないから、最初に知ったのは新聞でだろうか? 
国内での感染が明らかになったのは1月25日くらいだが、その前の時点で「これは確実に日本にも入って来る」という認識はあった。中国からの旅行者は多いからだ。
24日のメールで、春節が怖い、病気の性状が分からないのが不安という内容を仲間の医院どうし、送り合っている。でも、何もできない。マスクの在庫は揃っていた。他に準備するものは思いつかなかった。 

(危険性)武漢の状況の報道から推定して、麻疹ほどの感染力はないが、インフルエンザよりも致死率が高そうと考えた。コロナウイルスについて、ネットで分かる範囲で基礎情報を学習。胃腸炎ウイルスに近い性格を持つことは把握できた。
1月26日に、ランセットに掲載された報告を読んでいる。特徴的な症状がなく、診断には難渋しそうという認識を持った。ノロウイルスとインフルエンザを兼ねたようなイメージを持つ。  

(1月中の対応) 結局、1月中には情報がないという情報を共有していた段階。治療法の目途も、診断や診療の仕方についても指標がない状況。インフルエンザの簡易検査も続けていた。陰性の結果が出ると、たちまち恐怖が襲う。陰性で困るなんて、今までと逆。 
1月28日頃から、チャーター機で邦人を輸送している。患者が来る不安にさいなまれながら、報告が集まるのを待つしかないと感じていた。   

(2月)2月3日の時点で、チャーター便の中での感染率が数パーセント程度との報道を知る。感染力が推定された。インフルエンザに近いようだが、より感染力があるのがどちらかは不明。
もし患者が来た場合の対応策は、やはり不明のまま。防護服は入手不可能だし、インフルエンザの患者はいるわけだから、検査中にもらう可能性はある。恐るおそる、「どうかコロナじゃないように」と祈りながら診察を続ける。安心できる材料はなし。 

(診療への影響) 感染を怖れてだろう、患者さんが非常に減った。定期通院中だった人達も、50人くらいは来なくなっている。1~2月だけで、昨年と比べて180万円も売り上げが減ってしまった。薬だけ希望する人も多い。気持ちはわかる。
インフルエンザの検査は怖くてできなくなった。専門家からも、飛沫感染を避けるため、やらないほうが良いという意見があった。

でも、それ以外の熱発患者さんへには、今までと同じように対応。元々患者さんを分けて診療していたからだ。手洗いや椅子の拭き取りも、元々やっているので変わりない。
耳鼻科などは患者をごちゃまぜにしていたが、今どうしているのか気になる。もし今改善しているなら、どうして今までそうしていなかったのか、モラルが問われる。

保健所から指標になりそうな文書はいっさい届いていない。どう行動すべきか、不安を抱えている。とりあえず感染対策として、スタッフに毎日体温を測ってもらい、記録することにした。でも無症状の場合の感染管理は、如何ともしがたい。なるべく患者さんに伝染させたくないという気持ちだけは証明できると思うのだが、気持ちだけでは役に立たない。  

(クルーズ船)2月初旬には、クルーズ船に閉じ込められた乗客から、感染者が次々発生していることを知る。まず、こんな時期に旅行するとは呆れた。危機意識のない連中だと、金持ちに対するひがみに似た感情が起こった。
2月3日に横浜に到着し、5日には船内での感染率が高いことが分かり、翌日くらいには報道されていたはずだ。報道は連日激しくなっていた。
船内に乗客を閉じ込めるのは残酷だと感じた。収容施設があれば、感染者と非感染者を分けて収容すべき、検査の絶対数が足りないのはなぜか、収容施設がないのか、海外との調整が滞っているのか、様々な疑問が湧いたが、よく事情が分からないままだった。   

(批判と騒ぎ) 2月18日に岩田健太郎教授がネット上に批判のコメントを出して、その後数日で取り下げる騒ぎを起こしていた。岩田教授は派手なコメントが多い人物で、もともと雑誌上で古い権威を攻撃することが多かった。何か圧力を受けたのか、勘違いを指摘されたのだろうか? 
少なくとも責任を負える立場でない場合に、一部を見て簡単に現場を総括するのは安易すぎると感じた。間違っていない指摘もあったとは思うが、全体を見てから言うべきだ。   

(管理方法への疑問 )現場の管理法には問題もあったと思う。船の中で、感染者を隔離することが本当にできるのだろうか? 
感染病棟とは違うので、配膳や清掃で、スタッフを介して感染するのではないか? 消毒の方法は? 衛生管理できるほど、内部がよほど広いのだろうか?乗ったことがないので分からない。

いずれにせよ、旅行者への対応は、事前に法律で決めておくべきであった。国の上層部に、想像力の欠けた人間が多いことが疑われる。SARSが流行した時期に、次の感染に対して準備すべきだ。何か障害があったのだろうか? PCRの検査数が伸びなかったのは、準備不足だったからじゃないかと思ったが、実情はどうだろうか?

また、乗客を開放する際、「2週間症状がなく、ウイルス検査で陰性の患者は、感染の疑いがない」という文章を発表していたが、明らかに甘い。検査は万能ではなく、正診率が4割程度と言われている。2週間という期限は、とりあえずのものだったはず。そこを勘違いしていた。 担当した連中は自称専門家だろうが、覚えることだけ得意では過ちを犯す。判断力や常識は欠けていたのかも知れない。実際に、解放後のウイルス陽性者が次々と判明した。

今後は早い段階、おそらく到着前に、症状なしで検査も陰性の方と、有症状の方、検査陽性の方を分けて、個室で管理する仕組みが必要だろう。1県で無理なら、複数の県に分散させても良いのでは? 検査も多数の施設でやれば、相当こなせると思う。施設の確保のために、ホテルなどと事前の協定ができるのではないか? 

インバウンドに期待していた政府であるなら、クルーズ船内の感染というリスクくらいは想定する力も必要だったと思う。「福島に津波なんて、来ねえべ。」といった阿呆な考えでは大惨事を生む。同じように、クルーズ船の管理についても、計画をたてておくべきだ。

(治療法)抗エイズ薬やインフルエンザ薬が有効らしいという報告は、早い段階でフィリピンの病院から紹介された。クラリスやオルベスコ、抗リウマチ薬も重症化を抑えるのではないかという意見が出ている。でも確実な発表はまだのようだ。 

3月初旬の時点での印象として、マイコプラズマと同じような病態を個人的に疑っている。とりあえず既存の薬剤でも、サイトカイン異常を避けることができるのではないか? 過剰な免疫反応が起こっていそうな症例が発表されているから、それを抑制できれば救命できると思う。
でも実際に治療にあたることはないだろうし、体感できるものはないまま終わりそうだ。

クラリスをなるべく処方するようにしたのだが、意義に関しては自信がない。通常量で意味があるのか、早期の処方で有効かどうか、何も指標がない。 簡易検査が複数の会社から開発されているようだが、実地で使えるようになるには、まだ時間がかかると思う。ワクチンも今年中は無理かも。

(不安) 感染症担当医や看護スタッフは、相当に消耗しているはずだ。最新の発表を読まないといけないし、呼吸状態が悪化した患者への対応もある。相談されることも多いだろう。政府の指示も一貫性や根拠に欠けるものがあり、おそらく困惑し、憤激しているのではないか? 
妙なのだが、保健所からの文書がいっさい届かない。 そのため、ほとんどの医療機関が右往左往している。

家族や院内スタッフへの感染も怖い。燃え尽きる者が出て来るのじゃないか? 
病棟も満杯になる可能性が残っている。

政府は学校や旅行を制限するように要請しているが、既に流入した分でも感染は拡大しうる。この2~3週間で新規患者が減るだろうと思うが、その後また流入してくるケースはあると思う。

官邸が唐突に指示を出し始めたことに批判も起こっている。小学校がどの程度感染に関わっているのか、情報はないのだから、勇み足だったのかもしれない。

ただし、子供も感染はするという報告は出ている。重症化しなくても、感染の流布に関わっているなら、休校は有効に働くかも知れない。親たちは困るだろうけど、急激な流行を避けるために、出来ることはやるべきだ。

通常の診療ができるようになるのか、身近に感染が発生するのか、ジムや温泉に行けるようになるのがいつごろか、目途が立っていない状況。

 

« ハンターキラー 潜航せよ(2018) | トップページ | カレーの世界史(2020) »

無料ブログはココログ