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2020年3月 7日

ハンターキラー 潜航せよ(2018)

Hunter-killer

- Original Film -

ロシアの潜水艦と、それを追っていた米潜水艦が撃沈された。現地に向かった潜水艦は、ロシアの領海内に侵入する・・・DVDで鑑賞。 ジェラルド・バトラー主演のアクション映画。

バトラーは、出演作の多くで製作にも関与している。少し目立ち過ぎではないかと感じることもある。この映画での役も、その個性に無理を感じた。古いタイプのタフなヒーローをイメージし過ぎているように感じる。せめて彼の家族を出して、普通の人間としての表情も表現すべきだったと思う。

アクション映画といっても、殴り合いのシーンはなく、陸上部隊の銃撃戦と、潜水艦内での緊迫したやりとりが中心。原作者は、本当に海軍に所属していた方らしいので、かなり実情に近い設定だったと思われる。

ハンター・キラーは、軍事の世界では潜水艦を把握する係と、攻撃する係を意味しているらしい。今は両方を兼用した性能を持つ哨戒機も多いらしいので、一機でハンターキラーと言えるものもあるはず。そう言えば主人公が登場するシーンで、トナカイの狩りをしていたが、あれは主人公のキャラクターや、この作品の展開を象徴していたのだろう。ちょっと、わざとらしかった。

ストーリーは相当に荒唐無稽だった。ロシア軍の基地に米軍兵士が侵入し、作戦を遂行するなど、常識的に成功するとは考えにくい話。米軍の飛行機が近づいてきたら、ロシア軍の戦闘機は当然やってくるだろう。楽にパラシュート部隊が降りて、最も大事な基地に近づくことは考えにくい。さすがにイージーすぎる話だったと思う。 

潜水艦の戦いを描いた映画はいろいろあった。いつも問題になるのは、敵を攻撃すべきかどうかだ。ミサイルを撃たないと敵からの攻撃を受けるが、撃てば重要人物を殺すか世界大戦が始まってしまう、艦長はどう判断するのか、そんな展開がお約束だ。「レッド・オクトーバーを追え」「クリムゾン・タイド」などがそうだ。

確かに緊迫する設定には違いないが、ややワンパターンになっている感もある。もう一工夫して、斬新な面を出さないといけない。おそらく、重要な人間が誰か犠牲になるか、思わぬ逆転劇が待っているかなどだろう。そこの工夫に何か足りない点があったように感じた。

今の時代の潜水艦用の武器は、昔見た映画とは違ってスマートになっているようだ。昔の映画では、ドラム缶みたいな爆雷を駆逐艦から横に発射し、深海で爆破して衝撃で沈める方法を見せられた。今は、追尾機能を持つ魚雷やロケット弾みたいな兵器が開発されているようだ。センサーの技術は進んでいるから、むやみに爆弾を放り投げるスタイルよりも、効率は上がっているだろう。音響や熱などをAIが鋭く判断して、デコイをきっちり認識するようになっているのかもしれない。   

気になったのは、衛星画像で作戦を観察していたこと。米軍は鮮明な画像を世界中に公開しているが、ロシア側や中国軍なども衛星を持っているはずだ。当然ながら、彼らも自国の衛星を使って米軍の行動を監視していると思う。画質や分析能力がどんな具合なのかは知らないが、何もやっていないはずはない。すると、米軍の潜水艦が近海に来た可能性があることは、当然考えているだろう。すんなり領海内に来れるものなのだろうか? 

そして、フィヨルド内に様々なセンサーをつけて、外部からの侵入を防いでいるという設定だったが、映像で見るかぎり、あまりに狭い所を通っていたので、ロシア海軍でさえも通過は困難ではないかと思えた。何かの演出で工夫して、もっとリアルな描き方をしたらどうだろうかと思う。表現のセンスに、安易さを感じた。

 

 

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