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2020年3月11日

カレーの世界史(2020)

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- 井上武久著・SBビジュアル新書 - 

カレーの博物館があるそうで、そこの元館長である著者が書いた本。劇場主もカレー好きなので興味を持って購読。映画とは関係ない内容。でも、カレーは脳に何かの反応を引き起こす料理だ。語らずにはおれない。そして、おそらくカレーをテーマにした映画を作れば、必ず一定の支持を受けると思う。

「カレーライスをいちから作る」「聖者たちの食卓」といった映画もあるそうだ。教育映画だと思う。もっと他に、娯楽作品だってできるかも知れない。なので、この劇場でも述べてみたい。 

(カレーと劇場主の歴史)  カレーライスには思い出がつまっている。子供の頃、カレーは一番の御馳走だった。小学校に行く前からそうだった。カレーが出る日は、まず匂いだけで興奮していた。兄弟で争うように食べるのだが、別に争う必要はないのである。腹がいっぱいになって苦しくなり、動くのも苦痛になるほどだったことをよく覚えている。普通の皿で、こぼれるくらいについで3杯は確実に食べていただろう。

たまに、同じ匂いでカレー風味の野菜炒めが出てくる日もあった。野菜炒めでもマズくはないのだが、子供のテンションは一気に下がる。肉の代わりに魚肉ソーセージやチクワなどが入っていると、匂いで騙され、期待して損したような気がしたものだ。味はそう変わらないから、何かイメージの違いだろう。  

あんなに反応していたのは何故だろうか?単純に考えると、中毒になる物質がスパイスの何かに入っていたのではないかと疑われる。香辛料クミンの匂いだろうか?カレーの成分には、脳に及ぼす中毒めいた作用があるのかもしれない。

(小学校とカレー)  学校給食でカレーが出ると、劇場主以外の子どもたちも嬉しそうな顔をしていた。カレーを特に嫌っている子供がいた記憶はない。小学4年生の夏、臨海教室で、太平洋に近い小学校を借りて、海水浴を体験した。夕食は当然だがカレーライスだった。大きな釜を使って大量の料理を父兄が作ってくれて、ガッツくところを見せられないので、やや遠慮気味に食べた記憶がある。

昼食時に何かの集まりがあると、ほとんどの場合はカレーが出されていた。でも、カレーが一般的なメニューになったのは、そんなに昔ではなかったようだ。おそらく、劇場主の親たちの世代は、そんなにカレーに親しんでいない。固形ルーができたのは戦後らしい。缶入りのルーは、おそらく家庭用のものは安くなかったはずだ。 仮に親世代に合宿があったとしても、握り飯と漬物、味噌汁がメニューだったのではないか?だからカレーに対する感覚は、世代によって違うだろう。我が家の子どもたちは、カレーに興奮している様子がない。 

(高校~大学)  高校時代は、テストで好成績をおさめたら、近所の食堂でカツカレーを食べると心に決めていた。その当時900円だったか、高校生には高級すぎる値段だったのだが、たまに思い切って注文していた。達成感をまじえた、特殊な喜びがあった。

大学時代は、地下一階の汚い学生食堂によく行っていた。ときどきだが、カレーの中に金属の破片などが入っている怖い食堂でもあったのだが、我慢せざるをえなかった。値段の割にボリュームだけはあったと記憶する。昔懐かしいタイプのカレーだった。でも毎日カレーでは飽きる。ハヤシライスと普通のランチ、そしてカレーの三品目を交代させながら食べていた。

(卒業後)   卒業してからは健康のことも考え出して、外食でカレーを頼む機会は減った。南熊本の「ニューデリー」などの店も、いつのまにかなくなり、わざわざ店を選んで食べることはなくなった。ニューデリーのカレーは印象深い。スープカレーに近い作り方で、コクのある辛さだったので、当時は珍しい味と感じていた。お客さんも多かったはずなんだが、なくなって残念だ。 カレー屋は経営が難しいのか、よく消えていく。

(自家製カレー)   今は家で食べる時もカロリーを気にして、量を制限している。稀にだが、自分でカレーを作ることもある。具材を油で炒めたほうが美味しいと聞くのだが、面倒なのでただ煮てしまう。ワインやバター、昆布やローリエなど、いろいろ味の工夫はできるとしても、加減が分からないのでトライしない。

ジャワカレー等のルーを使い、微調整はフレーク状のものを使っている。本格的な印象を出そうという時には、ガラムマサラかシシトウを刻んで入れているが、細かい調整はできない。シシトウはエスニックな風味が出せるが、やり過ぎると刺激が強くなりすぎる。家族には、あんまり受けが良くない。

まろやかさは、単純に牛乳で調節したほうが良いような気がする。辛すぎたと分かったら、牛乳を足している。豆類を入れて健康的なものができないかと試してみたが、子供達には非常に不評だった。

(スパイス)  スパイスの工夫をすべきかどうか、いつも悩む。時間に制限があるので、あまり凝ったことはできないから、大失敗が怖くて思いきれない。なので、究極のカレーは今後も作れそうにない。それに40歳ころからか、スパイスに対する汗の反応が激しくなってしまった。自律神経失調ではないかと思う。頭部や顔だけだが、辛い物を食べると激しく汗が出る。人前ではとても見苦しいから、そんなに食べることはできない。 

カレーに使うスパイスは、その多くがインド原産らしいのだが、各々の作用がどんなものなのか気になっている。おそらく多くのものは効能よりも味だけを頼りに、古来より選ばれて来たのではないだろうか? この本によれば効能はヴェーダに書いてあるそうだが、後付けではないのか? 

(今後)  もともとインドにコショウはあったが、唐辛子はなかったらしい。すると、古い時代のインドのカレーは、今とは違う味だったに違いない。単に「煮物」と言ったほうが良いくらいの、コショウ臭い料理だったはず。すこしずつ、世界各地の香辛料の味を混ぜて、今の時点で今の味になっているだけと考えたほうが良さそうだ。今後のカレーは、また違ったものになるだろう。 

いなば社製の、缶詰に入ったタイ風カレーも何度か食べてみたことがある。味に工夫をしてあって、どぎつくなり過ぎないように調整されているようだ。東南アジア風のカレーは、ここ20年くらいで急に一般的になった。熊本市内で食べられるものも、パキスタン風、セイロン風と、種類はどんどん増えている。日本発のカツカレーが、今はイギリスで定番のメニューらしい。カレーは、今後も世界中で影響し合い、進化を続けるに違いない。

でも、劇場主が多くのカレーを試すのは難しそうだ。汗をかく問題もあるし、外食は衛生面が怖い。何が入っているのか、基本的によく分からないので、あまり珍しいカレーを試す気になれない。

 

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