映画評

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2020年3月26日

ガラスの城の約束(2017)

The-glass-castle

- Gil Netter Pro. -

人気のコラムニストの自伝著書の映画化。自由な生き方の両親に育てられた主人公ら家族の物語。DVDで鑑賞。 ヒロインらの家族の特殊な生き方に興味を持った。  

父親の個性が独特だった。化学的な知識には満ちていたようだが、生真面目に仕事をこなす人物ではなく、夢見がちで現実の状況を把握できないまま生きていたようだ。発達障害に相当するのかも知れない。

そんな人物に育てられた子供たちは経済的には不幸だが、精神的には良い影響があったとも考えられる。父親をあてにすることができないので、独特な強さ、克己心を持つこともできたと思うし、兄弟の間の強い絆を培う結果にもなっていたようだ。ある意味で、幼少時の逆境が子供達を育ててくれた面はあったのだろう。

母親の生き方も興味深い。子供たちのことを思って、夫に反発して離婚する・・・それが通常の対応ではないかと思うが、その選択をしていなかったのが、結果として良かったかどうか? 明解な解答はないような気もするのだが、この家庭に限っては正解だったのかも知れない。

父親が単なるアル中の失業者、暴力男だったら、おそらく別れたほうが良い。父親に人間的魅力があるかどうか、子供に暴力を振るうかどうか、そんな事柄が大事なのではないかと思う。離婚で子供の心が傷つく面と、そのままの家庭で子供の心が破綻する危険性、それらを総合して判断しないといけない。  

実際にどれくらいの家庭が、主人公のような育ち方をしているのか知らないが、一風変わった家庭というのは、どこの国にもあるはずだ。子供を小学校に行かせていない親は、日本でも珍しくないと聞く。経済的な理由も多いだろうし、親の生き方や考え方の破綻が原因の場合もあるだろう。考え方というのは、人によって千差万別、本当に信じられないようなものもあることだろう。

主人公の兄弟たちは、姉も弟もまっとうな家庭を築いていたようだから、いかに親が妙な人物であったとしても、子供までおかしくなるとは限らない。劇場主の身の回りでも、異常な親から本当にしっかりした子供が育ったり、あるいは逆だったり、様々な例がある。子供が学校で教育を受けるなら、学校で学ぶ内容と、自分たちの家庭のありかたとの違いに気づくこともできる。周囲の子どもたちとの違いにも気づいて、自分の生き方を修正しようという感覚も生まれやすい。学校に行けるかどうかは大きな影響力がある。  

よく宗教団体に閉じ込められた子供の話を聞く。この場合は学校で学ぶ機会がないため、修正されずに純粋培養された妙な感性が生まれてしまうと想像する。考えてみれば、昔の寺社や武家集団などでは、子供たちは皆が偏った育ち方をしていたはずなので、むしろ現代のような公教育で育つほうが、歴史の中では例外的なはずだ。

 

 

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