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2020年3月 1日

「消費税ゼロ」で日本は甦る(2020)②

- 山本太郎・文芸春秋 -

文芸春秋2020年2月号で山本氏が発表した文章を拝読。あらためて、国の財源について考えてみた。

考えたが、劇場主の意見は素人考えでデータを何も調べていないから、裏付けはない。まあ、でも国の発表もずいぶんと虚飾されているから、データを調べても本当のところが分かる人は少ないだろう。学者たちの意見も、てんでバラバラである。専門家と劇場主で、そう違うものではないかもしれない。

(企業減税)
過去の企業減税は、山本氏も指摘する通り、やり過ぎだったと思う。景気対策、投資を誘い込む狙いで減税してきたと思うのだが、そのおかげで景気が回復したとは思えない。

たしかに株価は上昇したが、主な理由は、おそらく米国の景気が良かったことのほうだ。企業の業績が軒並み伸びたとは言えないだろう。大企業だけが伸びたと言えるかも知れない。

給与も相対的には下がっているし、国の成長率もほぼゼロだし、消費も増えなかったという指摘もあり、明らかにインフレ目標は達成していない。政府の説明は正しくなかったと思われる。見込み間違いか、あるいは最初から詐欺だったのかもしれない。アベノミクスが始まる頃の劇場主の懸念は、考えた通り、この程度の効果と思った通りに現実のものとなった。 

(増税は可能か?)
でも、だからといって企業に増税できるものだろうか? 企業側がどう考えるか分からない。

日本の企業は、中国などに生産現場を移し、効率の良い部分に事業を集中することで生き残りを果たしてきたと思う。ソニーや東芝など、勢いのあった会社も、価格破壊の波を受けて企業の形態を大きく変えて来た。そうしなかったら、倒産していたはずだ。企業が今やれることは給与を下げることであり、上げることではないと、経営者は考えているのではないか?

生産現場が国内に戻って来ないなら、給与を上げると経営が傾く傾向がある。製造業は人数を要するが、製造が外国に移れば、給与で社員をつなぎとめる意味は薄れるはずだ。劇場主が大企業なら、増税されるならさっさと国外に資金を移し、国内の仕事はさらに減らそうと考えるだろう。どこだってそのはずだ。海外から国内への投資も、同じような理屈で減ると思う。単純な増税は難しい。企業を誘導する仕組みが必要だろう。

(企業と国民) 
企業が生き残れば、国民が飢えても構わないかどうか、そこも問題だ。表立って企業優先で考えていると公言する政治家はいないが、実際の施策は企業優先そのもので、生活優先は明らかな嘘だ。パートや派遣社員を増やして、給与水準を下げ、企業の競争力を維持しないと国際競争に勝てない、そんな理屈がはばを利かせていた。企業は確かに生き残れたが、いっぽうで多くの若者が生活水準を落としたまま、社会の底辺に追いやられてしまったと言える。

企業の生き残りを重視し過ぎて、長期的な国際競争力を下げた可能性はある。人口への悪影響を考えると、特にそうだろう。安定収入のある若者を増やさないと消費と子供が減るのだから、やがては競争力を損なう。国力と企業の利益は、バランスよく考えて欲しかった。おそらく、竹中蔵相時代が典型的だろうが、国の上層部が長期的な思考をできていなかったと思う。長期の国力のことを考える頭がなかった。 

(給与増額と減税の連携)   

山本氏が書いているように、企業が職員の給与を上げた時に、その分を減税することは可能だろう。でも、余程うまい規定を作らないと、企業はその気にならないはず。経営環境が厳しいから、きっと凄く慎重だろう。企業間の競争に生き残るために、職員を犠牲にすることを考えるだろう。

そして仮に給与が少し増えても、おそらく労働者のほうも余裕がないので、消費を我慢して貯金に回そうと考えるのではないか?ただ給与を増やすだけでは、消費は増えない。消費したいと感じる条件が必要だ。

(生産現場の移転)
生産現場を国内に戻した企業に、税の面で優遇するのは米国が採った策だが、日本でも多少はやれるかも知れない。TPPの協定などと相反しないなら、理論上は可能だろう。でも、給与が高く労働力不足の日本に、わざわざ工場を戻す企業は少ないはず。大きな流れにはならないだろう。

生産現場が流出したことが、津波のようにすべてを押し流し、今も大きな枷となっている。それも、中国のような巨大国家が一気に生産現場となったことで、勢いが凄かった。その中で日本はよく対処できたと感心すべきだ。でも、長期的に考えると少しは戻さないといけない。工場の国内誘致は、これからも簡単ではないだろうけど、国内に現場が欲しい。そのための優遇税制は必要だ。

(内部留保税)
内部留保すると損するように規定を作らないといけない。企業が行動するより先に、あらかじめ規定を作っておかないといけなかった。政府の予想能力が足りていなかったのではないかと思う。

内部留保が多い企業の減税割合を減らすか、内部留保新税、そんな規定も必要かも知れない。それは政府も分かっているはずだが、おそらく圧力がかかっていて、今更そんな規定の案は通らないだろう。企業側は生き残りに必死だから、その強力な圧力を排除しないと先に進まない。政権側が企業に厳しい施策を採用する可能性はあるだろうか? 政権が傾くことを覚悟の上でないとやれないだろう。そんな根性のある人物がいるのだろうか? 

それは、やっぱ山本氏だけか? 

 

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