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2020年2月21日

新型コロナウイルス(2019-nCoV)への対応(2020)

- 2020.02.21 -

2019年の末に武漢市で確認された新型コロナウイルスは、2月中旬の段階で毒性(感染致死率)、感染力、治療法が正確には分かっていない。発生した中国が独特な政治形態にあるので、正確な情報を期待できないことがネックになっている。感染を恐れる心理が働き、経済的な影響も凄い。中国だけじゃなく、日本の景気後退も明確になっている。 

すでに国内各地で感染が確認されだして、まだコントロールが難しい状況にある。中国からの来訪者は非常に多いので、団体ツアーを禁じても、ウイルスの流入を阻止することは難しい。完全な渡航禁止も、経済交流が濃密なので現実的には難しい。中国以外の国からの流入も予想される。よって、流行を止められない状況。

中国政府は武漢市を封鎖に近い状態にしているから、感染拡大のスピードは遅らせることができたかもしれない。でも中国政府が発表することは、政権に都合の良い内容だろう。実態は不明。今後の見通しもできないが、中国での感染さえコントロールできれば、日本での蔓延のスピードはかなり遅くなると期待できる。パンデミックを防ぐことも可能だと思う。

(感染力) 国内ではクルーズ客船内で多数の感染が起こったことから、感染力を推定することができる。何も注意しないで濃厚接触すると、感染率は1割を軽く超えるようだ。密室では相当な感染リスクがある。インフルエンザの家族内感染が1~2割なので、それに近い。
換気が効き、手洗いをしやすく、充分なマスク管理ができる場所では、かなり感染率を抑えることができると思うが、まだ分からない。

老健施設や病院に広がったら、酷い結果になるだろう。面会を厳しく制限すべきと思う。でも、職員から持ち込まれる危険性もある。簡易検査ができないので、感染者の特定は難しい。完璧な管理は難しいだろう。

(毒性) 中国では重症化率16%、致死率2%と発表されたようだ(2月18日)。でも対象母数が不明で、しかも武漢では医療が追い付かなかったので、国内とは事情が違う。ただ、感染からの致死率は、著しく高いとは言えないようだ。推測だが、充分な体制があれば、1%もないはず。
既に日本国内の感染で亡くなった人も出ている。一定の確率で肺炎を起こすようである。どんな病態なのだろうか? 

免疫の過剰反応を引き起こすのか? 気道を広範囲にただれさせるような、インフルエンザなどに似た病状なのだろうか? 解剖所見が発表されておらず、病状がどのように進むのか、よく分からない。CTの画像を見ると、インフルエンザ後の肺炎に似ている。

(治療) 現時点で、病状を安定化させる方法は不明確。エイズ治療薬が有効かもしれないと報道されたが、確認はまだのようだ。早期に抗生剤を出すべきか、意味がないのかが判明するだけでも助かるのだが、情報がない。もし特定の抗エイズ薬に効果があると分かると、中国が買い占めてしまうのが怖い。国内の治療薬が不足するし、アフリカでのエイズ治療が難しくなってしまう。 

ワクチンが来年までにはできるかも知れない。検査キットは、もっと早いだろうか?そうなると、恐怖はかなり緩和される。早めの対処が可能になる。それまで、蔓延しないで済ませられるかどうかだが。

(客船への対応) そもそも客船に対する法律の扱い方が分からない。日本の領海内では、国内法で扱ってよいのだろうか?船籍が優先か?それによって、政府の責任も変わって来る。そういった基本的なことが分からない。 

ダイヤモンド・プリンセス号への対応は問題を感じる。何かの規定に基づいて対応したはずだが、対応の根拠が不明。法律やマニュアル通りにやれば良いはずだから、その根拠を明示すれば良いと思う。でも、新聞には根拠らしきものが載っていない。もしかしてマニュアルがなく、このような事態を想定できていなかったのだろうか? 

政府が何も努力しなかったはずはない。各方面に指示し、協力を求め意見を聞いたはずだ。そこの経緯を公表しているのだろうか?「乗客の感染は2月5日に政府が指示を出す以前に起こり、それ以降はなかった。」と発表されたが、それは無理のある意見だ。根拠に乏しい。何かを隠そうとし、責任追及を逃れようとする姑息な態度が見える。隠してはならない。 

突発事故に対する危機管理、対処能力は大事だ。原発事故の時の民主党政権は酷かったが、自民党も酷いと分かった。隠そうとしているなら、より悪質だ。 

船の接岸は認めたが、乗客は部屋に留められた。でも船内に感染者がいるので、密室の船の中では感染者が増えると予想される。実際にそうなった。係官が出入りするだけでも、当然ながら感染するだろう。政府が本当にそんな規定を作っていたとしたら、検討会議の連中を船に乗せてみるべきだ。自分たちの判断の意義が分かるだろう。

あるいは、政府は乗客を降ろしたかったけど、施設が全くないか、乗客の本国との交渉が長引いて対応を決められなかったのか? 施設は法律で準備しておかないといけない。マニュアルや政府の指示内容を開示して欲しい・・・もしかして、既に誰かが忖度して記録を捨ててるかも知れないけど。 

検査が充分にできていない点も不可解だ。検査は必要である。検査しないと対処法も決められない。複数の施設で検査すれば、乗客全員の3000人分くらい、1日でやれると思う。何か不手際があったはずだ。検査で陰性なら、陽性の人と分ければ、感染リスクが格段に減る。おそらく検査の重要性への認識が足りなかったか、人数の想定を誤っていたのでは? 

正しくは、各県、各大学、保健所などのPCRを総動員して、一気に検査すべきだった。検査こそが最前線、トリアージ、勝負の分かれ目という共通認識があれば、万単位の検査でもやれると思う。事前に手配を決めておくべきだったはずだが、何か決めていたのだろうか?

強毒性の病原体でない場合、隔離するのは根拠が薄い。本国への帰還を優先させたら、1週間くらいは早く対処できたかもしれない。未感染の乗客はどこかのホテルに、個室で生活することを条件に移してはいけなかったのだろうか? 「この船に閉じ込めれば、他に国内に入るルートはない」と考えたのか? そんなはずはない。ルートは無数にある。船は感染ルートのひとつに過ぎない。 

船内に閉じこめるのは、乗客にとって酷な話だ。ホテルに移すと、そこから感染を広めさせない工夫は必要になるが、船内からはどうせ次々と患者が発生し、そのたびに病院に搬送せざるを得ない。対応が後手後手になる。おそらく搬送する患者数は、ホテルの個室に移したほうが格段に少なくて済む。人道的にも、二次感染を減らすことは望まれる。

どうしても、そんなホテルを用意できなかったのか? 事前に決めておくべきだ。ホテルじゃなくても、政府関係の施設、病院など、どこもないとは思えない。政府の権限で接収することも、こんな場合は必要かも知れない。すべて決めておくべきだ。

政府も努力はしたはずだが、おそらく事前の計画に欠陥が多かったと思う。政府の責任というより、事前の計画のまずさが感染者を増やしたと考える。対応の方法は非常にまずかった。下手くそで危険で非人道的な対処法だった。 

(検疫)検疫に関する規定が、どうも古いようだ。ペストなどの細菌感染への対応で規定が作られているように感じる。
新型インフルエンザの時には舛添大臣が中心となって頑張ったが、あの時の対応も、意味はほとんどなかった。体温を測って患者を判別といった、明らかに効力のなさそうな方法を真面目にやっても、インフルエンザの場合は症状の軽い人からの流行は止められない。実際にそうだった。当然の結果である。
当時の厚生省の技官たちはどんな認識だったのだろうか?どうでもいいや、ポーズだけとろうと考えていたのか? 

逆説的に言えば、空港で熱を測るということは、熱のない患者の流入を認めることを意味する。その場に、感染者がいると想定しているから熱を測るのだから、空港から入る軽症患者は見逃すと国が決めたと言える。完全に防ぎたいなら、空港を閉鎖するはずだ。ならば、船の客だけ留める理屈はおかしい。船も熱だけ測って、熱のない患者は素通りさせ、空港と同じ対応をしたほうが、理論の一貫性は保たれる。もちろん、それで良いはずはないが。

今回も、あの時と同じような対応をしている。感染力と毒性によって、検疫の対応は変えないといけない。今日のように人の行き来が多い時代、軽症者が多い感染症に対する対応は、ウイルスが流行する前に決めておかないといけない。感染力、致死率、症状などに応じて、客船や航空機への対応は決まる。法律や規定、施設を準備しておかないといけない。そして、それを公表しておくべきでは? 

(今後) 今後、国内でどの程度流行するだろうか? 

自分自身や、職員、患者さんたちに感染が及ぶ可能性もある。数か月管理できれば、流行はコントロールできると思う。中国の努力が大事だが、自分たちも手洗い、マスク着用などで努力する必要がある。
国内で散発的な流行に留めることができるかどうか、今の時点では不明。身近な場所で感染者が発生したら、対処法は限られている。

風邪症状の方に対して、何ができるかも分からない。呼吸状態に注意すること、食欲や熱が改善するかしないか連絡すること、そんな基本的な説明内容で、今までよりも強調した言い方をする必要がある。処方内容についてどうすべきかは、まだ不明。

中国の全土に感染が蔓延し、常態化したら、人の行き来を完全に止めることができるだろうか? 国内にも蔓延したら、日常生活をどう維持するか・・・考えると怖い。今は祈るような気持ちである。

(補足) NHKニュース、2月23日によれば、船内に乗客を留める判断は、米国政府の要請によるものだったとのこと。良いことではないと思うが、米国の要請は断れない。日本政府だけで判断していたわけではないという言い訳にはなるかも知れない。ただし、日本側からの情報であり、真相は不明。・・・(2020.02.23)

 


  

 

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