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2019年12月12日

ゴールデン・リバー(2018)

Thesistersbrothers_2018

- The Sistrers Brothers -

オレゴンの有力者「提督」の元で殺し屋稼業を遂行する兄弟の二人。彼らの新しい任務は、化学者を追跡し、金採取の秘法を聞き出すこと。しかし、思わぬ裏切りに遭ってしまう・・・DVDで鑑賞。  

マイナー路線の映画だったが、ジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホールが共演しているところから考えて、まず駄作はありえないはず。そう考えてレンタルした。確かに、一風変わった西部劇で、価値ある作品だったと思う。ガンマンが今後の自分の人生について考える、その点が現代人にも通じる。

途中で「歯磨き」という行為を知るシーンが出て来る。あれは笑える。考えてみれば、昔の人達の口臭は酷かったろう。絶世の美女たちも、食ったらそのまま、虫歯も酷くて、凄い臭いの息をしていたのではないか?臭いは記録に残しにくいから、実際は分からないのだが。

監督はフランスの方で、その点も作品の特徴になっているかも知れない。ハリウッドの監督が作る西部劇にも作品ごとにいろいろな特徴はあるが、この作品の場合はちょっとしたセンスに特徴があって、旧来の西部劇よりもグローバルな感覚を感じた。自然の美しい光景を見て、どのように美しいと感じるか、会話の際の感情の移り変わりの表現をどうするかなどに、ほんの微妙な差なのだが違いがある。日本人には分かりやすい表現だったと思う。

でも疑問点はいろいろあった。そもそも、薬品で金を探り出すことが現実的とは思えない。この作品の性格を考えると、非現実的な方法は良い設定だと思えない。仮に何かうまい方法があったとしても、狭い池の中で使うのはおかしい。その範囲に多数の金塊があるはずはない。狭い範囲にあるなら、手作業で探したほうが手っ取り早い。普通なら川の流れを変え、上流で水を別なルートで流し、水量を減らしてから薬品を一気に流すだろう。 

ジェイク・ギレンホール演じる人物が、化学者と行動を共にするに至る心境の変化は、この作品の中で重要な点だっだと思うのだが、観客が納得できるような表現だったかどうか、ちょっと微妙に思えた。化学者が本当に能力のある人物と判断できること、人間的に信頼し、尊敬できること、自分が仕事や人生に行き詰まり、道を変えようと元々考えていたことなど、よほど上手く表現しないといけない。 おそらく化学者役に、もっと人間的な魅力が感じられたほうが、その表現には有効だったと思う。哲学者風の人物が良い。  

また、オレゴンからサンフランシスコまで旅をした兄弟なら、提督の手から離れようと思えば、テキサスやメキシコなど、もっと遠くに流れることも十分可能だったと思う。提督の側も、兄弟を追うために部下を無駄にしたくはないはずで、殺し屋が次々襲って来るのは無理のある設定だった。日本の暴力団が、抜けようとする幹部を追うのなら、狭い国だから何もおかしくはないが、荒野の中でいちいち裏切り者を探すのは効率が悪すぎる。

そして、追手の中に強力なライバルが欲しかった。兄弟と力量が近い手ごわい相手が迫って来るほうが、ラストが絶対に盛り上がったと思う。主人公らが傷つき、もうだめかと思った時に、幸運と工夫で逆転する・・・そのほうが絶対に感動できる。そんな常道からは外れていた。 

西部劇の時代に生きていた荒くれたちは、人生の後半をどのように暮らしたのだろうか? おそらく人によって様々で、殺されたり、酒場に入り浸って死んだり、どこかの農場に雇ってもらったり自分で商売を始めたり、それなりに考えて道を選んだことだろう。今の時代だって、転職したり、異業種に参入を試みる人は多い。劇場主も今後の事を考えている。とりあえず地震で傷んだ病院をどうするか、決めないといけない。

 

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