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2019年11月10日

PROSPECT プロスペクト(2018)

Prospect

- Bakhorma LLC -

宝石を産出する惑星に降り立った父娘。しかし、欲に目がくらんだ父親は、盗賊たちに襲われてしまう・・・DVDで鑑賞。 

豪華な作品ではなかった。おそらく低予算の、マイナー系の映画だろう。出演していた俳優達は、すべて記憶にない人たちばかり。CGも少し使われていたかも知れないが、基本は普通の森林の中で、前面にモヤのかかったフィルターを通した映像に過ぎず、素人映画に近い雰囲気。でも、それなりの完成度を感じた。 

おそらく、ストーリーが自然で、予算以上の派手さを狙って無理をしていないことが良かったと思う。さらに、ヒロインと一緒に行動する男が狡くてタフな悪役だったことが、ストーリーを面白くしていたように思う。悪役の魅力が、作品の魅力になっていた。彼の個性をどう決めるかがポイントだったのだろう。  

もう少し悪役の程度を強めにしたらどうだったろうか? たとえば、何度もヒロインの期待を裏切り、自分だけ助かろうとしてしまうが、仕方ない事情でヒロインと彼は互いを許さざるを得ない。憎くて仕方ないが、相手を助けないと自分も助からない、そんな判断を繰り返す出来事が何度もあれば、印象はもっと強くなったと思う。

ヒロインと彼の立場の逆転が繰り返されると面白い。どちらが誰を味方につけるかで、有利になったり不利になったり、二転三転する展開は、物語の常道のひとつだと思う。この作品では、極端に立場が変わっていなかった点を、少し残念に思う。 

宝石の入手の仕方にも、工夫できた部分はあったかもしれない。たとえば生きている動物を捕まえ、悲しい叫びをあげさせながら体内から宝石を取り出すとしていたら、印象はもっと強くならなかっただろうか? よりグロテスクになるだろうが、象牙の入手方法はそんなものだから現実に大きな問題を連想させる。乱獲や動物虐待、種の維持に反する行為を、欲にまみれた人間がやらかすことへの怒りを、ヒロインに体現させたら、意味も変わっていたかもしれない。

さらに、もし作品にもっと予算をつぎ込めていたら、質はずっと上げられていたかも知れない。宇宙船の設備を意識的にオンボロに設定していたが、あれは逆効果だったように思う。高度な技術を平然と使わせるべきだった。ヒロインか悪役に有名な俳優を連れてきて、グロテスクな面を強調し、CGの技術で観客を幻惑すれば・・・たぶん、それなりに評価は高まったのでは? そんな作品も、過去にあったと思う。

 

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