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2019年10月 9日

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015)

Bajrangibhaijaan

- カビール・カーン監督、Eros international -

インドとの国境付近で迷子になった少女は、ある男とともに故郷を目指すが、国境警察が彼をスパイと勘違いし、追われることになる・・・・DVDで鑑賞。

アクションスターのサルマン・カーンが自ら主演し、製作にも関わった作品。サルマン・カーンを観るのは初めてだったが、有名なボリウッド・スターだそうだ。怖ろしい額の出演料を取っているので、製作にも乗り出せるのだろう。

起承転結がはっきりした素晴らしい作品だった。まず、高原地帯の風景が素晴らしい。ハイジのような可憐な少女が現れるのも当然の感じがするほど、美しい光景だった。そしてヒロインの少女役も素晴らしく可愛い。表情も良かった。 

いきなり歌と踊りの大演舞劇が始まるのはインド映画の特徴だが、慣れてしまえば気にならない。ハリウッド映画のような洗練されたダンスでないのは確かだが、笑いのためのダンスと考えるべきだろう。どんな経緯でインド映画にミュージカルシーンが入るようになったのか、誰か解説できる人はいるのだろうか? 

主演のサルマン・カーンは、日本人の感覚から言うとオーバーな演技が目立ち、動作もそんなに美しくはなく、何が魅力なのか分からなかったが、今回の役柄は非常に素晴らしい。共演者たちも、ほとんどがオーバーな表情をしているように感じられたが、おそらくインドのような国では、様々な人種と文化が混在しているから、微妙な表情では観客の感覚の壁を越えて理解させることは難しく、分かりやすさを優先したオーバーな演技が必要なのだろう。そう考えれば、よく演じられていた。 

この作品は有名な脚本家のアイディアによるらしい。実話が題材になったわけではなく、まったくのフィクションだろうと思えるが、テーマが素晴らしいので、夢があふれ、心が和む作品になっている。  

舞台のひとつとなっているニザームッディーン廟のことは全く知らなかった。ニューデリー近郊にあるらしいが、もともとはイスラムの聖人を祭る聖地らしく、イスラムとヒンズー教徒が混在していた時代に、双方から信仰を得て、今もムスリムの人達が国境を越えて訪ねて来ているらしい。インド人とパキスタン人の間で、よくトラブルが起こらないものだが、聖地ということで双方が自重しているのだろうか?ハマヌーンという猿型の神様も、実際に信仰を集めているようだ。  

つい最近も、インドがカシミール地方の自治権剥奪行動を起こした。意図はよく分からなかったが、パキスタンや中国の政情に関して何かの判断があって、今動いたら有利だという時に行動を起こしたのだろう。米中がもめている時に、中国は軍事行動を起こせない。かっては中国が準備を整えて侵攻してきた時代があった。現場の感覚と中央部の判断が合致したら、互いに攻める状況が続くのだろう。その際に人道的な面は、おそらく気にされることはないだろう。

 

 

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