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2019年9月19日

オズランド 笑顔の魔法教えます(2018)

Ozland-robot-etc

- ROBOT 小森陽一原作 -

荒尾市のグリーンランドを舞台に、新米女性社員が遊園地の裏方の仕事に取り組む姿を描いた作品。原作は小森陽一氏の「オズの世界」という小説だそうだ。「オズの魔法使い」に絡めている。DVDで鑑賞。  

グリーンランドが舞台の作品なので、以前から興味は持ってた。しかし、波留や西島秀俊が主演だと、熱血ものの芝居になるんじゃないかと、「海猿」のようなイメージで予想してしまい、あまり期待はしていなかった。実際の作風は全く予想外で、ほのぼのしたドラマでありながら、仕事に関する真摯な取り組み方を描いた真面目なテーマの作品。出演者たちの演技についても、多少オーバーな場合はあっても、特に臭い芝居とは感じなかった。起承転結がはっきりして、自然な流れだった。

ヒロインの恋愛に関しては、あまり盛り上がってはいなかった。あれで良かったのだろうかと、少し疑問を感じた。文部省推薦の映画を狙うなら、あのままで良いかも知れないが・・・ 波留の特徴だろうが、怒っていても本気で怒っているようには見えない。あの特徴が、この作品に合っていたのかも、よく分からなかった。「フラガール」とは作風が違うので、問題ないのかも知れないが・・・ 

映像に写っていたのは、どれも懐かしい光景ばかり。グリーンランドに初めて行ったのは、いつ頃だろうか? 記憶がはっきりしない。学生時代は車がなかったので、たぶん一度も行けなかったと思う。田舎なので、移動のための時間のロスを覚悟しないといけない。車でないと行きにくい場所だ。卒業後、特に子供ができてからは毎年2~3回は行っていたのだが、広大な敷地の中を、子供を追いかけたり、おぶったりしながら、疲れ果ててしまうまで延々と歩くことが多く、広すぎてキツイ印象が第一。

現地のスタッフの仕事ぶりに関しては、特に熱がこもったサービスと感じたことはない。スタッフはバイトの学生らしき、若い人が多かったように思う。劇場主の感覚では、炭鉱が閉山になった荒尾大牟田地区と三井グループが賭けに出て、無理して作った遊園地であり、最初からうらぶれた地盤に基づく、やや暗めの施設の印象はあった。赤字経営じゃなかったか? 豪華な東京ディズニーランドとは対象的な、戦後の匂いが漂う田舎の行楽施設。

そんな印象も間違いじゃないと思うが、経営努力は間違いなく凄い。次々新しいアトラクションが導入されているし、花火大会やサーカス、海外から来たショーなど、客を呼ぶイベントも多彩だ。あれは、企画スタッフが伝統に則り、あるいは他の遊園地を真似たり、ときには斬新なアイディアを持ち込んだりして運営していたに違いない。おそらく予算の制限は相当厳しいはずで、その中で苦闘していたのだろう。地元には雇用を提供しているし、周辺の店も成り立たせている。

今後、少子化が進めば、遊園地はどこも減収になると思う。グリーンランドをどうやって維持していくのか分からないが、もし休園になったら悲しい。子育て時代の苦闘を思い出して、泣けてくるに違いない。

 

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