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2019年6月19日

アリー/スター誕生(2018) 

A-star-in-born   

- Warner Bros. -

場末のバーの歌手アリーは、スター歌手のジャクソンに見いだされ、デビューする。アリーがスターになるとともに、ジャックは薬物依存症の泥沼に陥る・・・・この作品、映画館では観なかった。 それほどヒットした報道がなかったからだ。でも、興行的には成功した作品らしい。何度目かのリメイクで、レディー・ガガが映画に進出した作品。

監督を兼ねていたブラッドリー・クーパーは、意外に歌もうまかった。本物の歌手に近い雰囲気が出ていて、それが作品のリアリティーにつながっていた。レディー・ガガの迫力も役立っていた。やはり、この種の映画では歌の上手さが前提になるようだ。俳優が歌手を真似て演じても、ステージシーンで学芸会なみのレベルでは、作品のレベルが落ちる。歌唱力は絶対条件だ。

ただし、ヒロインは他の人で良かったのかも知れない。この企画は、もともとはビヨンセがヒロインの予定だったそうなので、実力のある歌手なら他の人でも良かったと考えられる。若くて美しい新人歌手でも、要するに歌の実力があるなら通用する可能性はあったと思う。レディー・ガガで良かった点は、スタイルが良すぎないこと、浮世離れした美人でないことで、それによって実在感、生活感が感じられた。いろんな曲調にそつなく対応できる歌い手であることも、キャスティングの理由ではないかと思う。演技も自然だった。もともと奇抜なパフォーマンスで売っていた彼女なので、歌だけじゃなく、演技をしていたようなものだ。違和感がない。

鼻のことを気にしたのは、もしかしてバーブラ・ストライサンドのことが影響していたかもしれない。バラードの出来栄えが勝負になる映画だから、旧作でヒロインだったバーブラは自然と連想される。きっと相当意識していたはずだ。ジュディ・ガーランド版を観ていないが、昔から鼻の話は使われていたのだろうか?

ヒロインの境遇は、映画的にはどうだったか、少し不満を感じた。ドライバー業を営む父親と、その仲間たちと暮らしているという設定だったようだが、今までの映画なら、もっと汚い家に暮らし、イザコザややっかいごとに辟易としながら幸せを夢見る女といった演出が常道だと思う。亡くなった母親の話で涙を流す、そんなシーンも必ずあったろう。でも、このヒロインは不幸そうに見えない。仕事が気に入ってないことと、自分の鼻にコンプレックスがあることだけが不満のようだ。不幸な境遇から、一転してスターになり、そして悲しい別れ・・・その流れを際立たせることは、今の時代だとあざといと考えたのだろうか?

確かに、そうかも知れない。あまりにメロドラマ路線に走りすぎると、韓流映画みたいになってしまう。今どきの映画は、ステージの迫力で勝負するべきなのかもしれない。でも、歌だけで感動させるのに、限界はあると思う。献身的な妻の話だけでも、やはり感動は限られる。さらなる要素、心揺さぶられる要素が欲しかった。もしかして、主役の二人に子供ができて、その子も絡む展開になったらどうだったろうかと、少し考えた。

 

 

 

 

 

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