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2019年4月29日

サバービコン 仮面を被った街(2017)

Suburbicon
-Paramount -

静かな新興住宅地に黒人家族が引っ越してきた。人種差別で町が騒がしくなる中、主人公の少年の家に泥棒が押し入り、母親が殺されてしまう・・・・DVDで鑑賞。  

ジョージ・クルーニーが監督していたそうだが、この作品は明らかにコーエン兄弟の匂いが濃厚だ。毒のある笑いに満ちた映画だった。

中心人物となるマット・デイモンは、今作では情けない人物だったが、彼は「インターステラー」でも考え方に問題のある人物を演じており、スパイ映画のヒーローと問題児を交互に演じることを方針にしているのかも知れない。本人は変化が面白いかも知れないが、観客は個性を把握できなくなる可能性もあり、良い方向性なのか、少し疑問に思う。

ジュリアン・ムーアは、今回の役には少し年齢的に上すぎる印象も受けた。良いキャスティングだったのか、こちらも少し疑問を感じた。もう少しコメディの匂いが漂う女優のほうが、ブラックな行動をとった時に笑えるので、都合が良かったのではないかと感じた。 

オスカー・アイザックは、この作品で一番魅力的な人物に思えた。保険の調査にやって来る人物は、ただでさえ嫌らしい雰囲気の人間が多いが、この作品で彼が演じていた人物はセリフが素晴らしくて、家族を苦しめる側の最悪の悪役としての存在感が抜群だった。でも現在、このような役には、さらに最適の役者がいたはず。クリストフ・ヴァルツだ。彼なら、さらに嫌らしい人物を演じてくれただろう。  

この作品は、事前の知識なしで鑑賞を始めたのだが、20分くらい経つと筋書きを把握できてしまった。これは、この種の映画では望ましくない。もっと演出を変えるべきだったと思う。おそらく、両親も叔母も周囲の連中も、全員が敬虔な信者で教会の活動を熱心にやっていることは必要だったと思う。家族の会話の中で、常に宗教的な言葉が交わされ、悪事を働く要素が全くなく、人種差別にも反対、理想的な家庭が描かれたほうが良いはず。

マット・デイモンが演じた人物は、会社員ではなく、町長か牧師のほうが良い。そのような尊敬されるべき家庭で、徐々におかしい面が感じられ、観客の多くが勘違いした方向でストーリーを先読みし、最後にどんでん返しで真相が明らかになるような、客を裏切る仕組みが必要だったと考える。

 

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