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2019年3月 1日

ブリグズビー・ベア(2017)

Brigsbybear

 

- SONY -   


コメディアンのカイル・ムーニー氏らのアイディアに、仲間らが参画して作ったコメディ。マーク・ハミル、グレッグ・キニア、クレア・デインズらが出演している。   

 

設定が素晴らしかった。この作品のアイディアは、主人公を演じていたカイル氏が、実際にオタク趣味の持ち主だったかららしい。その個性をそのまま生かし、世間離れした人物がもたらすエピソードを描けば、きっと面白いだろうと予想できたのだろう。そして実際にちゃんと個性的な物語に仕上がっていた。     

 

主人公の個性も良かったが、クマの縫いぐるみの構造や機能、さらにはビデオを作っていたという話も、ストーリーとの整合性が素晴らしかった。おそらく映画作りを若い頃からやっていた仲間がいたから、自然とこのようなストーリーを思いつけたのだろうが、そのアイディアに資金が集まり、仲間たちが結集して作品に仕上げられたことに感心する。ベンチャー企業のようなものかも知れない。リスクを取って、斬新なアイディアの成功に賭ける、その精神に敬意を表したい。     

 

夢物語ではあると思う。警部が証拠品を盗み出したり、劇に参画したりは、通常ならば無理な話だろう。暇もないだろうし、保身のことを考えて被害者と距離を置く関係者がほとんどだと思う。この作品ではカウンセラーが厳しい態度をとっていたが、カウンセラーなら主人公の心のケアのために計画し、周囲を巻き込んで映画製作に持ち込むことはありうると考える。それなら、警部が劇に友情出演することも難しくはない。   ビデオの世界から抜け出させることを考えるか、話を完結させて卒業を目指すか、そこは専門的な判断になるだろうが・・・     

 

荒唐無稽な話のように思えるが、実際に多数の子供たちが誘拐されているはずで、この作品のような妙な教育を強いられるケースも、実際にあるかもしれない。誘拐犯が自分でビデオを作って見せるのは難しいとしても、ディズニー映画しか見せないなんて話はありうる。もしかすると、宗教的なビデオしか見せない教育をやっている家庭も、実際にあるのではないか?     

 

自由にネットを利用させると、さすがに外界と自分の境遇の不一致に気づいてしまう可能性が高いから、本物の誘拐犯は外界から被害者を完全にシャットアウトしようとするはずだ。テレビも見せないかも知れない。赤ん坊の時に誘拐されたら、誘拐犯が自分の親だと思い込むだろう。   

 

主人公は、もしかしたらカイル氏ではなく、いかにも純真そうな、神々しいほど美しい青年が演じたほうが良かったかも知れない。ビデオの世界にはまった美しい青年を見たら、多くの観客が笑いながらも、哀れさに涙を誘われたと思う。   

 

 

 

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