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2019年3月29日

スパイ・ゲーム(2001)

Spygame

Universal-                  

 

引退間際のCIAスタッフ。しかし彼は、元部下だった男が危機に瀕し、彼の関与も疑われていることを知る。部下の過去についての詰問を受けながら、彼は救出を目指すが・・・衛星放送で鑑賞。  

 

かなり大掛かりな作品だった様子。中東や東南アジアでもロケをしていたと思える。爆破のシーンの迫力も凄かった。しかし、地味なスパイ映画なので、流行りの雰囲気ではなく、心理劇に近い印象。殴り合い、カンフーアクションもない。その点は古い。     

 

作品のアイディアは良かったと思う。老刑事や、引退間際のスパイが活躍する作品は多いが、その中でも主役の魅力に関しては第一級だろう。何といっても、ロバート・レッドフォード様が主演しているのだから、出演した時点で魅力ある人物ということになる。これは彼のキャリアのなせる業であろう。 

 

対する若々しいブラッド・ピットも、荒々しくて人間的な魅力のある人物を演じていて、なかなか格好良い。この頃は脂ののっていた時期だ。しかし、彼は中国が嫌いなのか?何度も中国政府を敵に回している。彼の引退には、中国政府の意向も関係しているのかもしれない。   

 

冷酷な指示を受け入れるか拒絶するか、その判断が非常に難しいシーンが何度かあった。実際に、テロリストといっしょに一般市民を多数殺してしまうことは多いと思うので、あんなシーンは実際にも繰り返されているのだろう。任務と人道の間で苦しむ工作員、兵士は多いはず。   

 

日本の、ごく普通の職場でも、職務と人情の間で矛盾が生じることは多い。病院でもそうだった。市民病院、町立病院では、スタッフの多くが議員の調停によって採用された人と言われていた。医療上の必要があって指示を出しても、仲間内の理屈によって上手に拒絶されることが多い。理屈で医療上の必要性を説明しても、あちらは自分の仕事の量や、帰る時間、体力的なことのほうが大事と考えていることが明らかで、あらゆる理屈を使って反対するし、だんだん視線が厳しくなる。 

 

グループを作って話し合って対抗してくるから、一人の医師の力で職場を改革することはできない。それは劇場主の指導力の問題だけではなく、どこの病院でもそうだ。患者の利益を追求するという目的から、職員や労組、議員と家族の利益などに重点が移った状況は、構造的なものだ。公的な問題と私的な問題が、馴れ合いによって曖昧になっている。  

 

国でもそうであろう。厚生省の内部のことは知らないが、統計をいじって国の方針を誤らせる方向にしてしまった事件が、最近になって追及されている。責務やプライド、理想などから、自分の保身、出世の失敗への恐怖などに、重視するものが移ってしまったのだろう。「この統計は酷いよ!」と、分かっていた職員も多かったはずだが、「お前がそれを公表したら、俺たちの出世はパーだぜ。それでも公表するか?」・・・そんな視線を浴びていたに違いない。  

 

結果的には国民を欺き、国の道を誤らせたと言える。通常ならば問答無用で内閣総辞職、厚生省の担当官も総辞職とすべき問題である。そうしないと、国民からの信頼を損ない、やがては荒療治を呼び起こしかねない。信頼は職務遂行能力より大事だと思う。        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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