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2019年2月21日

ダマスカス(2018)

Damaskus_time


DAMASCUS TIME -       


イラン空軍に所属する主人公は、父親とともにパルミュラの救援に向かう。しかし、ISの罠によって捕虜になってしまう・・・DVDで鑑賞。   


等身大の主人公が体験する恐怖を、リアルに描いていた。娯楽作品であっても、奇抜な活躍をするわけではない。恐怖に震える様子がちゃんと描かれている。 イランの映画だという。イランは禁輸措置によって経済的には打撃を被っていると言うが、ちゃんと娯楽映画を作れるのだと知った。  


イスラム圏の中での殺し合いの作品は初めて観たかもしれない。アラビアのロレンスでもトルコとアラビア人達の戦いはあったが、互いの間で会話らしい会話はなかった。最近の米国製の戦争映画でも、中東地域はよく出て来るが、米兵とイスラム圏の人達の間に会話はほとんどない。今作の特徴は、互いの言葉が通じ合い、その考えていることが表現されていた点だと思う。   


テロリスト側の論理もちゃんと表現する必要はあるだろう。今までの作品では、「アラーは偉大なり!」などと叫びだすだけの、話にならない人物としてのアラブ人は多数いたが、論理的な部分がおろそかだった。言葉が通じないからだろう。たいていは話が終わらないうちに、米軍のヒーロー達から殺される運命にあり、米軍側も理解という概念がない状況が疑われた。何故に彼らがああも激しい行動をとるのか、その点の分析があまりにも浅すぎた。  


ドローンを飛ばし、自分たちの作戦を映像に撮って世界に発信する、互いの連絡にもタブレット端末は必需品・・・そんな手法は、現代の戦争では当たり前なのだろうか? ドローンは敵の把握には最適だと思う。既に使われているはずだ。でも通信手段はどうだろうか? 戦場の場合は中継塔はないだろうが、通信圏外にならないのだろうか? 衛星やドローンを使わないと、通信不良になるはずだが、どうなっているのだろう? あちらは土地が広大なので、衛星の回線を使うことが常識なのかも知れないが・・・  


イスラム圏の国から見て、ISのような過激派がどのように見えるのか、その点に興味がある。逆に、ISの兵士たちから見て、一般のイスラム教徒はどう見えるのか? かってISが支配した地域では、激しいテロ行為によって大勢の住民が殺されたと聞くが、どんな理屈でISの兵士はそんなことをやれたのだろうか? 宗教的な理屈はなく、単純に兵士の命令を聞かせるためだろうか?  兵士にも厳しい命令が下っており、上官からの指示に従うために、大勢を殺してでも言うことを聞かせる必要を感じたのか?   


ISの組織を維持するためには、兵士も住人も恐怖でしばり、資金を集めて国家のような体制を維持しないといけなかったはずだ。宗教のため、組織のためという観念が残虐行為も正当化するのは、古来から続いてきたこと。それを利用して、国家が大きくなり、戦い方が激しく、軍隊は強固になった。その問題点を指摘するのは、おそらく古来から繰り返されてきたことだろうが、難しいのだろう。頑迷さの度合いが、正しさとなる傾向があるのだから。    


 


 

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