映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主


Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« ミッションインポッシブル/フォールアウト(2018) | トップページ | ロープ 戦場の生命線(2015) »

2019年2月 9日

カメラを止めるな!(2017)

One_cut_of_the_dead

-EMBUゼミナール-          

 

新進監督の上田慎一郎氏が、舞台劇から着想を得て作ったゾンビ映画だそうだ。DVDで鑑賞。


30分程度のゾンビ劇と、そのメイキング編の二部構成になっている。第一部はアングラ映画のような感覚の少々間の抜けた劇だったが、第二部は通常のドラマになっており、画質も違う。ラストでは確かな達成感を感じる盛り上がりがあり、たいていの人がそれなりに満足できると思う。  


着想が全てだったかも知れない。よく出来ていた。主演は元コメディアンらしい。登場した場面では演技が激しすぎて、シーンにそぐわない印象を受ける。いかにも素人映画の出演者という感じがした。後半部では、善き父親、映像の世界の片隅で懸命に生きている業界人の雰囲気がよく演じられており、その演じ分けが素晴らしかった。 


この演じ分けについては他の俳優もそうで、いかにも下手くそな若手の主演女優、恋人役の若者が、後半部分ではクセのあるアイドルや、妙に理屈をこねる人気俳優と、まったく違う個性で演じられていて、それぞれが実在感のある演技だった。  


ただし、この作品に出て来た俳優たちは全く知らない人ばかりだった。この作品の企画自体が、低予算で舞台俳優たちを集めて実験的な作品を作ろうという、なかばNPOのような制作スタイルだったそうなので、有名俳優を連れて来ることはできなかったのだろう。  


その点が難点だと思う。本物の演技力を持つ俳優を集めたら、もっと凄いドラマになったのではないだろうか? もちろん、そうすると作品が最初から有名になって、興味を持つ観客が逆に減ったかも知れないし、素人くさい味わいも失われてしまったかも知れないので、どちらが良かったかは分からない。 この作品の成功は、かなり微妙な偶然の部分もあったかもしれない。 


少し思ったのだが、第二部を先に回し、本当の時間系列で進めたらどうなったのだろうか? テーマは少し変わってしまうかも知れない。「ラヂオの時間」のように、メイキングのドタバタを描く作品になっただろう。それではオリジナリティの面で、特色が何もないということになるかもしれない。あるいは、メイキングと映像作品を交互に織り交ぜる手もある。分かりやすく解説できる利点はあるかも知れない。さらに、本物のゾンビが混じって出演して来るというブラックコメディの路線もありうる。   


でも、そんなアイディアを使っても、普通に考えて、300万円の低予算映画で30億円以上の興行収入を得られるとは思えない。奇跡に近い成功だろう。   

 

 

 


« ミッションインポッシブル/フォールアウト(2018) | トップページ | ロープ 戦場の生命線(2015) »

無料ブログはココログ