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2019年1月16日

女は二度決断する(2017)

Aus_dem_nichts

Warner,Bombero Intern.etc -        

ダイアン・クルーガー主演のドラマ。DVDで鑑賞。    

カンヌ映画祭では主演女優賞を取ったらしい。確かに、その価値がある演技だった。家族を殺されたらしいと予感を感じた場面、それが確実と分かった時点の演技、そして麻薬に頼りながら耐えて行こうとする過程、そしてラスト近くの逡巡。いずれのシーンでも素晴らしい演技を見せていた。  

 

ダイアン・クルーガーは本来はモデルで、演技派という印象は今までなかった。キャリアを積む中で、演技力を磨き、年齢による変化や良い脚本、良いスタッフなどに恵まれた幸運が、この作品での名演技につながったのだろう。本当に素晴らしかった。     

 

敵役も良かった。特に法廷での敵になる被告の弁護人は、話し方や風貌、話す内容などがリアルで、存在感も充分出ていて、いやらしい悪役ぶりだった。夫の母親、ヒロインの母親も、この作品においては悪役と言える。彼女らも素晴らしい役割を果たしていた。     

 

この作品のラストは、問題がないわけではない。ヒロインの行動が推奨されるものではないはずだからだ。いっぽうで感情的には、理解できる行動でもあった。世界各地で感情にまかせたリンチ事件が多いので、映画作品としては何か他の描き方がなかったのかと思わないでもないが、あの結末で納得できる人のほうが多数派なのかもしれない。      

クギ爆弾というのは恐ろしい。あんな物を、素人がネットを参照に次々作ったら、もはや安全な場所などどこにもない。駅も学校も、職場も飲み屋街も、狙われたら終わりだ。何か規制できないのだろうか?    

 

この作品に原作小説はないそうで、映画のためのオリジナル脚本であり、そして特定の事件が題材になってもいないらしい。でも実際に極右勢力のテロは起こっているので、それらはアイディアの元になっているらしい。   

アラブ人たちが多数押し寄せている欧州では、極右勢力が活発化している。どの国でも、極右政党が獲得する議席が増える傾向にあり、合法的に右翼的、異民族排斥、自国の利益優先を目指す動きが強まっている。おそらく、テロの応酬がどんどんエスカレートしていく傾向は、しばらく続くのではないだろうか?      

 

そんな世相だから、この作品が作られたのだろう。映画人として、このテーマは避けて通れないと考えたに違いない。その姿勢に敬意を表したい。

 

 

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