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2018年12月 7日

ワンダー 君は太陽(2017)

Wonder

- Lions Gate -     


障害者の息子が小学校に行くことになる。家族や学校が不安視する中、いじめっ子や友人の裏切り行為などによって、少年の心はひどく傷つく・・・・DVDで鑑賞。大変な名作だと思った。   


この作品が熊本市で公開されていたのか知らない。まったく気づかなかった。雑誌の映画評でも見ていれば、たぶん気がついただろうが、最近雑誌は読まないし、テレビの映画紹介もしばらく見ていないから、知らないままだったようだ。家族に聞いたら、子供新聞には載っていたそうだ。   


この作品はアカデミー賞では何も受賞できなかったようだが、「シェイプ・オブ・ウォーター」よりも出来栄えが良かったかも知れないと思う。ドギツサは足りないので、インパクトには欠けているかもしれないが、構成や役者たちの演技に関しては、まったく引けを取っていないと思う。制作会社のライオンズゲートの力が足りなかったのか、やはり派手でない関係か?  


小学生たちの演技が実に素晴らしかった。主演の男の子は「ルーム」の子役の子だから、小柄だけど年齢はかなり上のはずだ。顔はメイクで分かりにくかったが、動きや話し方は素晴らしいものだった。その他の子役も素晴らしい。友人役の男の子は表情の変化が実に的確に、分かりやすく表現できていて、それでも自然だった。何か演技指導はあったにせよ、今後の活躍が期待できそうに思った。 姉や姉の友人役も素晴らしい。   


彼らが素晴らしかったので、スター女優のジュリア・ロバーツの存在はかすんで見えた。この作品の性格上、それは仕方なかったかも知れない。母親を中心に描くのは、テーマを考えると無理がある。「自分を中心にドラマを盛り上げろ!」と、スタッフを脅さなかったジュリア・ロバーツ嬢は、この作品のMVPかも知れない。  


障害を持つ子供が、学校でどんな仕打ちを受け、どんな気持ちなのか、自分が親になるまで考えたことがなかった。劇場主個人は、上級生からにらまれて怖い思いをしたが、授業や体育の時間に能力不足を感じることはなく、それなりに自信を持って学校生活を送ることができた。これは幸運だった。もし顔の変形などがあったら、あるいは著しい理解力不足などがあって、授業がチンプンカンプン、何か発言すれば笑われて恥ずかしい思いをするような状況なら、学校に行くのも嫌になっていただろう。   


長男が学習障害を持って育ってきた中で、焦って何かしようと工夫はしたものの、効果的な対処はできないまま、結局はひきこもる道を選ばれてしまっている。どんな気持ちなのか、何をして欲しいか何度も尋ねたが、自分でも上手く表現できないし、話すことも嫌という態度のままで、この作品の子供のように前向きになることはとうとうなかった。現実は、そんな子のほうが多いのかも知れない。  


そして怖いのは、少年時代を過ぎた後、この少年のその後のことだ。思春期になると、深刻な悩みが生まれるように思う。そこは、この作品ではカットされていた。どちらかというと、少年期よりも、その後のほうが問題は大きいと思う。でも、そこを省いたからこそ話がまとまったと言える。





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