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2018年12月 2日

7月4日に生まれて(1989)

Yjimage

Universal


志願してベトナム戦争に出征した青年。戦闘で脊髄を損傷し、車椅子生活になり、深く悩むことになる・・・・DVDで鑑賞。


ながらく探していた作品。おそらくツタヤの店舗を移動しながら、ようやく巡り合えたに違いない。若きトム・クルーズの演技には大変な迫力を感じた。オーバーな演技も、この作品の場合は気にならない。トップガンのヒットで既に大スターになっていたトム・クルーズが主演し、彼の人気もあってか作品自体も相当にヒットしたらしい。しかし、劇場でどの程度公開されていたのか記憶がない。前年の「カクテル」「レインマン」は観た記憶があるが、この作品は観ていないので、熊本では公開されなかったのかもしれない。楽しい作品ではないので、宣伝も控えめで知らないままだったのかも知れないが。


ストーリーはぜんぜん楽しくはないが、演技は熱演ではあった。トム・クルーズも激しい演技ぶりだが、普通の兵士役や住民役のエキストラたちも頑張っている。でも作品の構成に関しては、不完全なものを感じた。この作品の主人公の人生では、長い自暴自棄の生活から政治的な活動に目覚める過程が一番大事だと思う。どのように目覚めていくのか、そこを観客に上手く理解してもらうために、余計なものは省いたほうが良いし、演出で覚醒、再起をイメージさせる工夫が必要と思う。その点で、やや演出が足りなかったのではないか? 主人公の心情の変化が急なものに思えた。


たとえば、ヒロインの役割をもっと大きくして、彼女の影響で政治活動に目覚めるといった分かりやすい演出があっても良かったのではないだろうか? それにシーンごとのつながりにも多少の無理があったようだ。 


先日、米国の中間選挙を報じたNHKの特番を観ていたら、米国の田舎の町の住民たちが、「自分が気にするのは候補者が自分たちと同じ信仰をしているかどうかだけだ。」と述べる場面があった。つまり候補者が自国の権利ばかり主張し、他国を破滅させる人物でも、宗教的に問題ないなら許せるようだ。宗教色の強い地域は多いはずなので、そのような考えが選挙結果や、米国の政策に影響することは多いはず。彼らはベトナム戦争の時代、おそらくベトナムを征服すべしと考えていたのではないだろうか? 


神の国を作り、守るために共産主義は断固許さないという思考の流れだったに違いない。日本人の劇場主には分かりにくいが、福音派の教義では、銃の使用は特に聖書に反するものではなく、基本的な権利であるらしい。武器を取って神を守れという理屈か? はっきりは分からないが、「汝、殺すなかれ」という記述は、限定されても矛盾がないと考えられているようだ。


人種や国籍、スタンス(宗教)が違えば殺すべきとすると怖いが、その考えに至る彼らの思考過程が、あまり良く理解できない。良いことを書いている聖書、それに忠実に生きることを求めているはずの人達が、人種差別主義者で、過剰な殺戮を正当と思うに至る、どんな理屈でそうなれるのか? 戦前の日本人も酷かったが、宗教がらみで殺戮を正当化する人達は、さらに恐ろしい存在だと思う。


宗教こそが、最も多くの人を殺してきたと思う。個々人の生き方として宗教を重視することは大事で尊重されるべきだが、それを迫害や殺人の理由にして良いのだろうか?







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