映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« 天災から日本史を読み直す(2014) | トップページ | ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男(2017) »

2018年11月 2日

ゲティ家の身代金(2017)

All_the_money_in_the_world                      

- Tristar -                             


富豪ポール・ゲッティの孫が誘拐された。犯人達は巨額の身代金を要求するが、ゲッティは支払いを拒否する。困窮した母親は、賭けに出る・・・DVDで鑑賞。ストーリーは実話に基づいているという。 


富豪を演じていたのはクリストファー・プラマー。息の長い俳優で、悪役もよくやっている。適役だった。でも、この役は当初はケヴィン・スペイシーが演じるはずだったらしい。確かにスペイシーなら、憎たらしいが魅力もある悪役を演じてくれそうな気はする。     


母親役のミシェル・ウイリアムスは主演なのに、残念ながら悪役のプラマーが目立つ作品なので、非常に印象に残るとは感じなかった。作品の性質上、仕方ないことだ。でも、好演だったと思う。ラストで立場が変わってタフな剛腕ぶりでも見せると、もっと面白くなったかもしれないが・・・。  


この作品の中心は、当然ながら富豪のゲッティ氏になる。彼が身代金を渋ったことで、話として非常に面白くなった。誘拐された当人の孫は、結局はちゃんと育たずに自殺に近い死に方であったそうだから、祖父ゲッティ氏の判断は間違っていなかった可能性もある。もし孫氏が生き方を変えて、財閥を仕切るほどの人物になれていたら、祖父は永遠に糾弾される運命だったはずだが、少なくとも仕事をこなすようにはならなかったらしい。            


この事件を見ると、誘拐事件というのは本当に考え方が難しいと、あらためて思う。孫のひとりに身代金を払ったら、他の孫たちが危険な立場になるというのは正論ではある。ただし、だから誘拐された孫に金を払わず、そのまま殺させて良いとは言えない。孫の命は救うべきである。  


いっぽうで肝心の孫氏がちゃんとした生活をしておらず、一族のお荷物に近い存在で、誘拐されたのも自業自得と言える状況だったら、どう考えるべきか? 特に自分で狂言誘拐の話をするくらいの人物に、多額の金を費やして良いものか? その支払いによって、他の孫たちを危険にさらしてよいのか? その点は簡単には答えられない。  


また、祖父が身代金に困るような金銭的状態でない点も、まず考えないといけない。はした金に近い金のことで、けちる意味はほとんどないはずだ。金に対する考え方が、一般人とは全く違うようだが、それが褒められたものだったのか、おおいに疑問に感じた。だから劇場主は金持ちになれないのだろう。    


選択肢がいろいろあった中で、ゲッティ家の面々がとった道は、どう評価してよいのか分からないが、興味をそそる話であったことは間違いない。  







« 天災から日本史を読み直す(2014) | トップページ | ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男(2017) »