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2018年10月18日

大砂塵(1954)

Johnny_guitar

- Republic Pic. - Johnny Guitar               


町外れに鉄道の駅が計画されている。それを見込んで酒場を作った女と、町の住民が激しく諍うところに、ギターを抱えた男がやってきた・・・・DVDで鑑賞。    


おそらく、この作品もツタヤの特集コーナーに並んでいなかったら、まったく気づかないままだったと思う。主題曲は有名で何度も聞いたことがあったが、作品についは知らなかった。鑑賞してみて思ったが、かなりは理解不能の作品で、凝ったストーリー、長いセリフの時間帯が気になった。名作とは言えないが、迷作と言える印象。            


優れた点も感じた。利権を狙う野心家と旧来の住人との諍いは、いつの時代にも起こりうる問題で、リアルな設定と思った。また、女同士の争いが町の人々を巻き込んで、殺し合いに発展する流れも映画的で面白かった。      


敵役を演じていたマーセデス・マッケンブリッジという女優さんは大演説をぶちかまして、まるで米国の政治家のようだった。扇動者は、似たような話し方になるものらしい。主役のスターリング・ヘイドンは、それに対してあまり魅力的に感じなかった。演技も特に上手い印象がなく、動きも遅そうで、あれでは撃ち合いでは負けると思う。           


悪役のアーネスト・ボーグナインは明らかに図抜けて素晴らしい。存在感は彼のボスよりも断然あったし、彼なりの考え方に納得ができた。素晴らしい悪役がいたので、もっと彼との対決をメインに持ってきたら良かったと思う。    


ヒロインのジョーン・クロフォードも激しい演技ではあったが、ヒーローに対しての心にしみるような強い愛情は感じなかったので、この作品を恋愛ものと考えると失敗していたはずだ。ガンファイトものとしても、それほど激しい銃撃戦がなかった関係で、魅力は今一つではないか? 何をウリにしたかと言えば、音楽や仲間割れ、裏切りや嘘でリンチが始まる社会問題など、西部劇には珍しいストーリーだろうか?     


捕まった青年に司法取引を申し出て騙すシーンがあった。相手は犯罪者だから、嘘をついて証言を得ても良いという意思決定の流れは、実際にも起こりそうだ。米国人の考え方をよく示している。人種が違えば、当然のようにやられていただろう。インディアン達や旧日本軍とのやりとりでも、おそらく同じような手法は使われたはず。  


戦後の日本企業との訴訟でも、やはり同様だったはず。訴訟にならなくても、様々な交渉において、見事な裏切り、嘘に満ちたやりとりが成されたに違いない。戦前の外務省も、戦後の政治家たちも酷い目に遭ってきたと思う。この作品では民主的な形をとった判断で、結果としてヒロインは財産と商売の手段を失い、冤罪によって生命の危機に陥った。恐ろしい話である。






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