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2018年9月18日

リメンバー・ミー(2017)

Coco

- Dizney,pixar -                      


ミュージシャンを目指す少年が、先祖の霊を探し、霊界から戻ろうとする冒険の話。DVDで鑑賞。  


素晴らしい物語だった。アカデミー賞の長編アニメ部門の賞を取ったそうだが、たしかに、その価値が感じられた。家族愛の物語であり、ユーモアあふれるギャグシーン、冒険と勧善懲悪のストーリーなど、ディズニーの伝統にのっとりつつ、CG技術を駆使した最近の流れにも乗っており、あらゆる点を検討しつくした作品だと感じた。   


舞台はメキシコの田舎町になっていた。メキシコには死者を迎える儀式の伝統があるのだろうか?おそらく、田舎のほうには伝統が残っている地域があっても不思議ではない。日本のお盆とまったく同じ理屈のようだ。メキシコを選んだのは、グローバル戦略の一環なのかも知れない。米国やイギリス、カリブ海だけを舞台にしていても、今日の世界を考えると展開が開けない。あらゆる国の、あらゆる場所を舞台にして、ディズニー流の物語を作って行かないと、将来の遊園地新設の場所にも困る。ユニバーサルスタジオに先を越されて開園されないために、舞台を探しているのではないかと勘繰った。  


家族の伝統に縛られた少年の境遇は、スムーズに納得できた。家族に愛されつつも、自分の夢である進路とギャップが生じてしまう場合は多い。それは、国や地域を問わないと思う。今日でも、家業を継ぐべきかどうか、悩む青少年は多いと思う。夢を持つ少年少女には、この作品は共感を生むだろう。 死者を迎える風習の描き方が良かったせいか、霊界に紛れ込んだ点にも合点がいった。迷い込むことも流れが実に自然だ。   


して画像の技術も素晴らしかった。今作は特に高齢の婦人の顔の皺、表情の表現が実に高度である。年寄りの表情、認知症が進んだ状態の仕草の特徴が上手く再現され、かなり綿密に作業をやったことが窺えた。あの表現が素晴らしかったので、年寄りも愛すべき存在に表現できていた。 骸骨たちの動きはアニメチックなほうが面白いだろうが、人間の表現は緻密であったほうが良いようだ。そこの使い分けがしっかりとなされていて、徹底していた点が成功につながっていたように思う。   


理解できなかったのは、相棒である犬のキャラクターだった。劇場主としては、犬と主人公は深く心で結ばれた関係のほうが良かったように思う。何かをするときは、一人よりも友人と協力して成し遂げたほうが嬉しい傾向はある。この作品での犬君は、異様な外見をしていて賢くはなかった。もっと健気な子犬で、主人公の犠牲になってくれるような存在のほうが、より感動を生んだのではないかと思う。  

 

 

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