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2018年9月12日

ジェーン(2016)

Jane_got_a_gun

- Relativity Media ,Weinstein Co etc. -                


ヒロインであるジェーンの夫が撃たれた。敵はビショップ一味。夫を殺しにやって来るのは確実。彼女は反撃を試みるが・・・DVDで鑑賞。          


この作品、ナタリー・ポートマンが制作に関わり、主演もしたということは知っていた。最近はジョディー・フォスターが監督をやったり、シャーリーズ・セロンも制作を主導したり、単なる女優業を越えた活躍の例をよく聞く。出演によって大金を得るだけで満足せず、自分の活躍の場を広げようと考えてのことだろう。         


優れた演技方法、自分のアピール法を知る俳優たちは、事業展開についても鋭い感覚を持っているのかもしれない。ナタリー・ポートマンは輝かしいキャリアを持つ女優だから、おそらく本人かスタッフが非常にクレバーな頭を持っていて、金銭面でも名声の面でも、そつのない対処をしてきたはずだ。彼女の作品なら期待できると思った。しかし結果的に、この作品は感動できるほどの作品ではなかったと思う。興行的にも惨敗した様子だ。            


女性の生き方に関して、作品の舞台である時代の厳しい環境を想像するなら、この作品のヒロインの行動に非難できる点はないと思うし、彼女の気持ちには共感できた。劇場主がそう感じたのだから、彼女の描き方には一定の表現力があったと考えて良いはずだ。でも、非常に感動するまでには至らなかった。         


おそらく、それは犠牲者が足りなかったからだろう。彼女を助ける人間は、そのほとんどが死んでくれたほうが効果的だ。劇場主は、彼女の味方をした連中は全員が殺される運命だろうと考えていた。登場した時点で、もうそれは決定だと思っていたほどだ。どのようにヒロイックに殺されるのかに期待していた。静かに死んではいけない。できるだけ無残に、血まみれで死んでほしかった。その死に方が、作品の印象に直結すると思う。          


作品のために、死んでくれるキャラクターは大勢必要だ。笑いの要素も欲しかった。誰か道化師的な役割がいれば、味わいが違ってくるはずだった。敵の下っ端でも良い。売春宿の店員でも良い。ストーリーに関係なさそうで、存在意義が曖昧な形でヒロインに関わる人間がいると、観客の注意がストーリーに入ったり出たりする中で、物語への興味が盛り上がってしまう効果がある。ぜんぜん笑えない話であっても、道化役はふつう必要だろう。それが映画や小説の伝統のようなものと考える。そんな基本的な部分で、この作品はミスをしていたと思う。           

 

 

 


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