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2018年8月28日

女神の見えざる手(2016)

Miss_sloane

EuropaCoap-              


敏腕ロビイストのヒロインは、銃規制強化の側につく。しかし彼女の前勤務先は法案反対側。手の内を知る両陣営の激しい戦いが繰り広げられる・・・DVDで鑑賞。  


こんな作品は、田舎では絶対に上映されそうにない。日本人にはマイナーな路線だ。でも、出演者たちは一流の人ばかりだった。ヒロイン役のジェシカ・チャスティンが、いつもよりも雄弁で派手な演技をしていた。彼女は、どちらかと言えば不機嫌な顔で思索にふけっているような役柄が多い。しかし今回の役柄は攻撃タイプの役だったし、セリフを激しく言い合う対決のシーンがほとんどの作品なので、当然の変化だったのだろう。   


このヒロインの個性が素晴らしかった。有能であり、目的のために手段を選ばないクールな役柄。そして欠点も多く、味方をも危険な目に遭わせるし、薬に頼って人格的には破綻していると言えそうな人物。でも、おそらく仕事に集中し続けていたら、こんな人間になりそうな気もする。ゆっくり家庭生活をやっていたら、ライバルや敵に裏をかかれたり、押しのけられるだろう。激しい競争に勝ち残るためには、家庭や友情は捨てないといけないのかも知れない。   


彼女のような人物が、銃規制派の側に立つものだろうか? そこがまず疑問に思えた。勝つことを考えるなら、勝ちそうな側に付くことがまず大事だ。銃規制は、今の米国では優勢なのだろうか?ライフル協会が頑張っていて、法案が潰されてばかりだと思っていたが、状況が変わってきているのかも知れない。もしかしてヒロインが銃規制反対派に立つという設定ではいけなかったのかと、少し考えた。クールな個性なら、規制反対派に立ちそうな気がするからだ。でも、それではヒロインのイメージが損なわれるのも確か。強い勢力に立ち向かうからヒロインだと考えたのかも知れない。  


おそらく、彼女が危険を承知で規制派に加わる理由の説明があると良かった。人生を賭けるだけの理由が、最後に明らかになる必要があったはずだが、少し描き切れていなかったと感じる。   


彼女が使った手段は、法的には問題のあるものだった。しかし、盗聴や盗撮、スパイなしに戦えるかと考えたら、この作品のような工作が敵側によって組まれた場合を考えると、それはもう違法手段を使うしか勝ち目はないような気がする。彼女が正義のヒロインかどうかは見方にもよるが、手段は違法で悪辣、実に汚いものだったことは確かで、でも結局は、それが戦いの結果を左右していたことを納得した次第であった。   


ニクソン元大統領だって盗聴していたのだから、その技術があれば、それを使うことも考えてみるべきなのかもしれない。発覚すれば、それこそ敵の思うつぼで、いよいよ泥沼にはまりそうな気もするので、高いレベルの仕事が要求されるだろうが。日本の場合、ロビイストのような人間は信頼されにくいので、業界団体の職員や政治家秘書などが同じような仕事をしていると考える。盗聴は技術的な問題もあって警察官あがりの人間しかやれない気もするが、スパイ活動などは昔からあったと思う。支持者であるかのように演じてスタッフになり、敵の計画を探ったりは日常茶飯事だろう。


 


 



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