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2018年8月13日

民王(2013)

Tamiou

 

- 文芸春秋社・文庫版 -   

 

総理大臣になったばかりの武藤は、自分の人格が息子と入れ替わっていることに気づく。国会答弁や党内外の調整に四苦八苦しながら、隠された陰謀を暴こうと努力するが・・・・  初版は2010年らしい。2013年に刊行された文庫本を購読。   


この作品はテレビドラマ化されていた。予告を見た記憶があるが、放送は見なかった。物語の性格上、役者たちの演技がオーバーになりそうな予感がしたので、敬遠してしまった。   


国会答弁で漢字を誤読していたのは、明らかに麻生元総理の実際の話だが、「未曾有」の読み違えは、そのまま作品の中に登場している。麻生氏に断ったのかどうか気になった。事実とはいえ、本に載せるのはマナー的にどうか? そして酩酊して記者会見に臨んだのは、中川元代議士の話だろうが、彼は自殺してしまっており、そもそも笑える話かどうか疑問である。モラルの観点から、そして遺族の心情を考えた時に、書くべきだったか微妙な印象は受けた。ただし、自殺したからといって同情して酩酊会見の話題だけ描かないのも不自然。   


あの時期、たしかに政治家たちの言動に呆れることが続いていた。スキャンダルや人気の低下で、内閣が短命に終わっていて、今の安倍総理のような長期政権が誕生しそうには、とても思えなかった。 個々人の能力に関しては、一般の会社員のレベルよりずっと下なのであろうと、各々のエピソードで感じてしまった。会社であれをやったら、即クビにされても仕方ない。クビにならないで済むということが、なにか制度上の問題を感じさせる。優秀な人が選ばれない仕組みができているということだ。 


他にも能力を疑う話は多かった。大臣になると、自分の専門外のことを理解しないといけないし、それも短い期間で学習する必要があり、誰にでもできることではないと思うが、それにしても一般常識の範囲で妙な事例は多かった。   


中川氏は学業優秀だったらしいが、たぶん鬱病でアル中だったのではないかと想像する。職務に従事できる状態ではなかったのだろう。親も自殺しており、地盤の利害などもあって代議士にならざるを得なかったはずで、もともとが真面目過ぎて議員には向いていなかったのかもしれない。  


地盤がものを言う選挙制度、二世議員を選ぶ民意のレベル、それを可能にしている法律、それら全てに欠陥があるのだろう。おそらく、収賄や選挙違反を含め、職務に関わる不正が明らかになった時、代議士はもちろん、事務所に登録された人間、親族に至るまで、全て被選挙権を奪うくらいの法律が必要だ。そうしないと、頭だけ代えた団体が利権を狙い続ける。国政にとって何が必要かには、あまり興味がない人間が選ばれ続ける結果になる。そうならないはずがない。そんな制度で良いはずがない。後援会組織は、代議士と運命を共にしてもらって良いと思う。それで憲法にひっかかる面はないと思うし、憲法上の問題があるなら、まず憲法のその部分の条項を変えないと国が危ない。  


 


 



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