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2018年6月27日

「お金」で読み解く日本史(2018)

Sb

- 島崎晋著・SB新書 -

 

日本人が金銭に関してどのような感覚を持っていたのか、その歴史は気になる。かなり浅ましい行為が日常繰り広げられているのを目にすると、日本人の金に対する狂乱ぶりが諸悪の根源ではないかと思うことがある。狂乱する人間には劇場主をも含めないといけない。日頃の買い物でも、1円でも安く手に入れ、給与を1円でも少なく支払い、1円でも多く貯めたいと、日夜ギリギリの戦いを展開しているのが現状である。 

 

家内が最大の敵で、使うこと、夫から奪うことしか考えていないのではないかと思える狂乱ぶり。どうしてもっと落ち着いて、互いの信頼関係を重視してくれないのだろうか? その謎を解き明かす目的もあって、この本を購入した。しかし、残念ながら本には家内の行動の謎は書かれていなかった。 歴史家をもってしても、彼女は謎なのだろう。  

 

この本の優れたところは、その主眼、視点にあると思う。日本人の金銭意識は、おそらく国の歴史を決めて来たはずだ。よくも悪しくも、金銭への欲は集団の意志を左右し、大きな流れを決める。人々の欲を知るのは大事なことだろう。 

 

今の日本は、上から下まで目先の金に目がくらんで、長期的な展望を失っている気がする。 展望を見出しきれていない・・・そんな状況から抜け出せていない閉塞感がある。 

単純な言い方をすると、中国が世界の工場となって価格破壊が起こってしまったので、生産拠点を移さざるを得なかった。それが大きな流れだが、あれも諸外国との競争に勝ち、金を得るためだったはず。でも、そうすると生産しないで金を得るしかなく、基本的には国内の景気を良くしようがない。一部の会社だけしか儲からないだろう。生産が減っても、トリクルダウン方式に社会全体が豊かになれるものだろうか? 企業や経済学者たちは間違っていないだろうか?  

 

そして人口が減るのも自然な流れだろうが、一気に減るとかなり悲惨な状況になる。でも、その対策のための予算は少なく、景気対策のほうが重視されている。正しい戦略を考えているとは思えない。目先のことに目がくらんでいないと誰が言えるだろうか? 生産の場は、子育ての場にもなる。一部の会社が巨大化しても、低収入で子育てを諦めた家庭が増えたら、その社会は不健全だと劇場主は感じる。だが学者や役人たちは、そう考えていなかったようだ。

 

そもそも、この本は読者の納得を期待していないような印象を受けた。歴史家という人種は、データの記載にはこだわらない性格なのだろうか?この本は根拠に相当する分を省いたまま解説が進んでいる。あるいは、たまたま氏がそんな考え方なのか、新書の性格を考えて分析めいた書き方を排除し、根拠不明のまま断言を繰り返す文章にしたのか? 

 

著者は経済学者ではなく、学者と言えるかどうかも微妙な方らしいので、分析を省略したのは当然かも知れない。読みながら、納得できないまま前に進まざるを得ない印象を受けた。この本が論文ではなく、随筆に近いものなら、いちいち根拠を述べる必要はない。そんな考え方もあるんだろうねで、軽く読み流せばよかったのだろう。評論家の多くが、そんな人たちなのかも知れない。   

 

政治家だって似たようなものだ。政治家たちは声が大きいし、確固たる信念を持って活動しているかのように見えるが、根拠のない思い込みによって誤った行動をとっているだけなのかも。正しくなくても、けして譲らないなら立派に見えるものだ。政府首脳の答弁や、ラフプレー後の日大アメフト部の元部長さんの会見映像を見て、そう思った。あんな人達が指導者では、今後に希望を持つのは難しい。    

 

希望を持てないなら、もう国に期待はできない! 日々の金儲けに熱中しよう・・・あらま、また狂乱してら。結局、この本からは何も学べなかったというのが結論。   

 

 

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