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2018年6月 9日

ある決闘 セントヘレナの掟 (2017)

The_duel

- Mississippix Studio etc. - 

 

テキサスレンジャーに所属する主人公は、メキシコ国境の事件を探る目的で町に到着。しかし怪しげな宗教団体が彼を邪魔することになる・・・DVDで鑑賞。 

 

主役はウッディ・ハレルソン。悪役側の中心人物だったが、「地獄の黙示録」のカーツ大佐をイメージしたらしく、マーロン・ブランドのような口調で怪人物を演じていた。 この悪役のキャラクター設定が素晴らしかった。ただの暴力男であったなら、二級品のアクション映画になる。宗教家としての性格を持ち、有能かつ大胆で戦争では活躍した人物として描かれ、悪の魅力あふれる人物だった。

 

最近のハレルソンの活躍は素晴らしい。大作映画で、主に悪役として第一級の存在感を維持している。気味の悪い表情が狂気を感じさせるので、使いやすい役者なのだろう。今回は妙なメイキャップをして登場していたが、メイクなど必要もないほど役柄に合ったキャスティングだった。はっきり言えば、主人公は誰でも良かった。ある程度の体力が感じられるなら、他の俳優でも充分だったろう。

 

戦いのシーンが非常にリアルだった。銃撃シーンは、かなりリアルだと感じた。リアルでないと、いかに凄いシーンでもしらけてしまう。銃撃の腕がない人たちは、銃を持っていても怖いはずだ。 最近の映画では銃撃戦が過剰に劇画化され、リアルさを損なったと思えるものも多い。過剰な演出はいけない。実際の銃撃戦では、よほど安定した姿勢から狙わないと、敵に当たるものではないはず。数百メートル離れた敵を次々と倒してゆくのは不自然だ。失敗ばかり繰り返すのが正しいと思う。専用の、狙撃用の銃なら最近は高精度で敵を倒すだろうが、西部劇の時代では難しいはず。 

 

いっぽうで、この作品でも無理をしたシーンが色々あったことも間違いない。ラスト近くで主人公がやられそうになるシーンは、安っぽいアクション映画を連想させる。あんな展開の作品は多いので、もう少し万人が納得できる描き方が欲しかった。せっかくの作品が、最後にレベルを下げてはもったいない。 

 

主人公の奥さんが洗脳されていく流れにも、少し無理を感じた。主人公と危険な旅に出るような女性が、いとも簡単に宗教にのめりこむものだろうか?過去に何か宗教的な経験をっしているか、あるいは病気をして悪役側に助けられるなど、自然な流れと認識させる描き方が必要だったと思う。高品質な作り方はしていなかったようだ。   


深いテーマも感じそこなった印象。宗教がかった集団と理性の戦いをテーマにする手もあったと思うのだが、ただ不気味な連中が人道に反した商売をやり、正義の味方がそれを倒すという話では、満足を狙うのも難しくないだろうか?


 

 

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