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2018年5月13日

エルELLE(2016)

Elle

- SBS etc. -

 

主人公は、暴漢にレイプされる。会社では彼女に反感を抱く社員が不穏な言動をとる。犯人は社員か?真犯人を探しつつ、彼女は事業を進めて行くが・・・

 

DVDで鑑賞。サスペンスではあったが、単純な勧善懲悪の物語にはない、独特の怖さを持つヒロイン像が素晴らしい、異様な雰囲気の作品だった。誰が犯人か?という謎解きと、主人公自身が清廉潔白な人間ではなく、闇の部分を抱え、不倫もやらかす問題児、しかも家族に様々な問題があるという設定が実に素晴らしかった。不気味なリアルさを出すことに成功していた。監督は?と見たら、なあんだポール・バーホーベン氏ではないか!後で知って納得がいった次第。確かにバーホーベン監督に向いた作品で、十分に力を発揮していたと感じる。 

 

可哀そうなヒロインが復讐を果たす作品ではない。そこが良い着眼点だったと思うが、見方を変えれば、性虐待に遭った女性たちが、まるで全員鬼のような人間であるかのごとき誤解を招きかねない点もある。被害者は被害者であるから、手放しで喝采を送るには問題も多い。 

 

映画でレイプを扱うのは難しい。一方的に悲劇のヒロインとして扱うと、観客には受けない。それでは別な手法をと狙うと、こんどは激しく残虐な方法でレイプ犯に復讐する恐ろしいヒロイン像が必要になり、それは表現を変えた蔑視か、あるいは怪物のような人物像を描くことになる。怒りを表現すると言動も激しくなるから、自然とそうなっていたのだろう。でも被害者は怪物ではない。 

 

今作では、残虐な事件の後遺症を持つ独特のヒロイン像を考え出した点が優れていた。ヒロインが単純なヒロインにならないで済んだ。 個人的には、もう少し肉感的で若いヒロインのほうが良くなかったか?という印象も受けたが、主役のイザベル・ユペールは素晴らしい演技を見せていた。

 

4月は国会が長く空転していた。その原因のひとつが、財務省の次官だった福田氏が記者にセクハラ言動をとっていた疑惑だった。麻生財務大臣や、財務省の役人の対応も酷く、事態を飲み込めていないのが明らかで、情けない思いをした。彼らが人間性に欠けることは明白で、職務を続ける資格のない人間だとはっきり分かった。

 

ただし、事実の確認は、録音の内容だけでは難しい。録音は参考資料にはなるが、合成ができないわけではない。客観的に証明することが必要だが、それが難しい。 財務省の圧力がかからない機関で、事実かどうかの判断をすることが望ましい。でも残念だが、財務省の影響を受けるであろう捜査司法機関の手を経ないと結審が得られない。 それを考えると、公表するだけ、雑誌に暴露するだけという選択は現実的だったのかもしれない。本当は福田氏に対する完全な濡れぎぬかもしれないという問題はあるが、相手が次官の場合は仕方ないのかも知れない。

 

次官になるような人間は、日頃から自制しておくべきだ。国家機関の重要人物は、普通の人間ではない。強い権力を持つ存在で、同時に外部の人間から狙われる存在でもある。 言動を利用して情報を得ようとする国内外の敵は必ずいると考えなければいけない。 セクハラをネタに強請られたら、どうする積もりだったのか? 

 

外部の人間に対してユーモアは必要ない。常に防御し、戦う必要があり、馴れ合いは許されない。笑いは親しい友人だけに対して許されるものだ。セクハラ気味の言動など、話にならない。気が緩んでいたのか、もともと成績優秀なだけの、心構えのない低レベルの人間だったと言われても仕方がない。  

 

 

 

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