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2018年5月19日

バリー・シール(2017)

Americanmade

Universal

 

パイロットをやっていた主人公は、CIAの仕事を命じられ、やがて麻薬組織や軍事政権とも関係を持つようになる。武器や麻薬、資金洗浄に関わるうち、巨額の資産を貯め込むが・・・・DVDで鑑賞。

 

主人公は犯罪者だが、非常に魅力あふれる人物だった。実際のバリー・シールがそうだったらしい。資産も凄かったらしいが、寄付行為も頻繁にやっていたらしく、人助けをさかんにやったと描かれている。人間的魅力に満ちた人物だったようだ。演じていたトム・クルーズが笑顔の素晴らしい俳優なので、確かに実在した人物の雰囲気を出せていたかも知れない。

 

疑問が湧いてくるのだが、バリー氏は自分の行為を楽しんでいたのだろうか?あるいはCIAに尻尾をつかまれた状態だから、戦々恐々としていたのだろうか?映画では自分の資産形成に懸命になっており、みずから積極的に犯罪にのめり込んで行った様子だったが、怖さを感じないはずはない。いつでも自分が吊し上げられ、殺し屋から狙われる寸前の状態であることは確かだったはず。組織との関係が常に順調で、互いに依存した状態が続くなら安心もできようが、そんな良い状況が一生続くはずはない。知りすぎた人物は消されるはずだし、利用して敵対勢力を葬ろうと考えている連中は、バリーのような人物を逃さないだろう。 

 

もともと彼がCIAににらまれたのは、ちょっとしたバイト感覚で密輸をやったかららしいので、彼はギャンブルやスリルを好む性格が元々あったのかもしれない。スリル依存症の人間は、より強い興奮を得ないといられず、より危険で金の額が大きい仕事に熱中していくものらしい。そんな破滅型性格が、彼の物語を生んだのではないかと、勝手ながら想像してしまう。そういえば主演のトム様も、そんな傾向があるらしい。まさに適役だったのかも。 

 

共演者の奥様役も味のある演技ぶりだった。殺人のシーンも描き方が穏やかで、この作品はちゃんと娯楽作品に仕上がっていた。まとめ方が上手い。 

 

それにしても、イラン・コントラ事件の頃の米国の作戦は、考えが足りないように思えてならない。ことが露見すると考えなかったのだろうか? CIA側は秘密を守るだろうが、相手方は平気で裏切るはず。それが米国民に知れ渡らないはずはない。どうやって機密を守るつもりだったのか、そこが理解できない。 

 

日本の自衛隊や、国土交通省、財務局の文書管理も理解できない。劇場主は公的文書というものは、絶対に捨ててはならないものだと考えていた。今なら電子記録でどんな量の文書だって保存される。破棄する必要はないし、保存するのは国民に対する義務だ。だが、管理を任されるということは、改竄や破棄は当然と、どうやら長いこと考えられていたようだ。昨今だけの問題じゃなく、昔からそうだったようで、本当に信じがたい低レベルの政府機関だったということ。  

 

 

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