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2018年5月10日

ブルーム・オブ・イエスタデイ(2017)

Bloom_of_yesterday

- Dor Film-West,etc -

 

ホロコーストを研究する施設に、フランス人の実習生がやってくる。嫌われ者の主人公は、彼女の指導係を命じられるが、彼女の来訪には隠された意図があった・・・DVDで鑑賞。

 

主人公はしょぼくれた乱暴者の雰囲気が出ていて好感を持った。いっぽうのヒロイン嬢は、エキセントリックな感じはあまりせず、ミスキャストかも知れないと感じた。この役は、目つきが怪しい異常者の雰囲気が出たほうが良かったと思う。彼女はノーマルな印象だ。目つきの異常さが必要だった。 

 

この作品は、語り口が斬新だ。ナチスの一員だった家族を持つ者と、虐殺された者の家族を対峙させた作品だが、今までの映画なら、互いに友情や愛情を感じながらも反発したり、ぬぐいようのない恨みや後悔によって不幸な結末に至る、あるいは逆に、最後は寛容の精神が生まれるといった話が多かったと思う。どの作品もギャグめいたシーンは少ない。異常な人間も、あまり登場してこない。真面目路線が基本だった。 

 

この作品は、かなり強烈な個性の人物が中心になっており、自殺未遂を突然起こしたり、犬を放り投げたり、コメディタッチであったことが、まず非常に変わっていた。個人的には、こんな描き方も必要じゃないかな?とは感じていたものの、それを許さない勢力がどこの国にも多いので、なかなか作品を作り上げることが難しいのかな?と、感じていた。だから、よく作れたものだと感心する。

 

しかし、やはり普通ならメロドラマの方向で作られるべきストーリーではなかったかとも思う。そのほうが美しい作品になり、強く印象に残るだろうと予想できる。ちょっとしたユーモアのつもりが、えらく激しい反発ばかり生む、そんな事態も大いに予測されること。ユーモアは危険だと、劇場主は過去に寂しい思いを感じてきた。 

 

日本でユーモアが許されるのは、場所としては狭い居酒屋くらい、しかも相手が仲の良い同僚か気ごころ知れた友人だけに限定される。居酒屋で上司にユーモアをはたらかせたら、一発で激高されることも珍しくない。寛容なヤツは、滅多にいないものだ。友人でも、普通の関係では許されない場合が多い。   

 

ライバル組織をけなす場合は、基本として許される。性善説に立つ博愛精神が根底にあるユーモアは、日本では避けないといけない。場違いと感じる人が多い。きっとドイツでも、この作品の場合は反感を感じた人が多かったはずだ。どのように描いても、描くことをまず許さない連中がかなりいる。ネットにも、そんな連中はうごめいている。

 

財務省の事務次官だった福田氏は、発言を録音されて辞任した。たぶん悪意はなく、マスコミの人間に対してユーモアをはたらかせたつもりだったようだ。でもセクハラだったことは、会話が合成でなく事実なら間違いない。氏は立場をわきまえていなかった。

 

 

 

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