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2018年5月16日

ファニー(1962)

Caron_2

Warner Bros.

 

娘ファニーは若者に恋するが、相手は夢を追って町を去る。残された娘と、彼女を取り巻く町の人達の物語。DVDで鑑賞。最近DVD化されたのだろうか? 

 

有名な舞台劇の映画化らしい。同じ作家が作った三部作を、ひとつの映画にまとめたそうなので、その関係か、かなり話が長い。劇場主の感覚では、後半の三分の一くらいは余計なようにも感じた。 

 

若者の父親や、再婚相手を探す老人の個性が独特だ。物わかりが良く、思いやりも兼ね備えた人物として好意的な描かれ方をしている。普通なら無理解の堅物が出てきそうだが、それがない点で、この作品は独特。時代のせいかもしれないし、お国柄のせいかもしれない。 

 

この作品の場合、ラストをどうするかが問題だが、一般的な傾向としては簡潔にして余韻を残したほうが後味はよいだろう。長すぎると注意を維持するのが大変になる。だから、ヒロインが不幸のまま終わったとしても、それはそれとして別れてそのままでも良かったのではないか? 

 

ストーリーの大筋は古典的なものと感じる。自分の夢を追う若者と、その恋人がすれ違って行く話は多い。現実にも、そんなストーリーは起こっている。リアルで切実な、誰にでもありそうな悲恋物語だが、この作品はそれが自然に展開していて、物語としてまとまっていた。メロドラマに偏りすぎたり、喜劇になりすぎたりしていないのは、センスが良いからだろう。 

 

娘役のレスリー・キャロンは、この作品の当時は30歳くらいだったようだ。彼女のアップの時だけ画面にフィルターがかかって、彼女の肌の様子か何かを隠そうとしているように見える。フィルターがかかったりかからなかったりを繰り返すのは、良い手法とは思えない。多少の肌荒れがあったとしても気にせず、自然のまま写して良かったと思う。

 

「パリのアメリカ人」の時の彼女は、ダンスの上手な田舎娘のような印象を受けたが、この作品の彼女は女性の感情を分かりやすく表現していて、十分に役者としての役割を果たしていたようだ。オーバー過ぎない程度で、娘ごころが表現できていた。 

 

娘ごころ・・・を表現できていたと、劇場主が思うだけかもしれない。なにしろ、娘心は隠されることが多いので、劇場主にはさっぱり分からないから、理解の程度は知れている。本物の娘が観たら、彼女の演技は的外れに過ぎない可能性はある。

 

シャルル・ボワイエやモーリス・シュバリエなど、いにしえの名優が出演しているから、この作品は相当に力が入っている。何度かマルセイユの上空をヘリか飛行機で撮影した画面が出ていて、金をかけてロケしたようだ。ヒットした劇の映画化だから、予算も多かったのだろう。

 

でも個人的には映画用に作り直し、短くして、人々の無理解による悲劇といった内容にして終わらせたほうが心に残ったのではないかと感じた。

 

 

 

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