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2018年4月16日

『サルの惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(2017)

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- 20C.Fox etc. -

 

人間に圧迫されたサル軍団は兵隊達に襲われ、家族や仲間の多くを失う。そして兵士たちの砦を作る作業を強制される。「なぜ砦を作るのだろうか?」サル達は不思議に思う。そしてサルの指導者シーザーは仲間たちを救うことができるだろうか?・・・DVDで鑑賞。   

 

よくできた話だった。シリーズ最高傑作かも知れない。人間たちが完全な悪役かと思いきや、ウイルスによって滅びていくことを自覚し、生き延びるために成すべき行動をしていることも充分に描かれ、ただの殺戮者としていなかった点が成功だったと思う。

 

まるで本物の戦争のシチュエーションに似ている。犠牲者が発生することによって互いの勢力の間には憎悪が深まり、抜き差しならぬ関係になることが多い。でも、相手には相手なりの理屈があり、何かの理想に燃えていたり、建設的な意見を持っていることも多い。ちょっとした意見の相違で、良い方向性は無視され、殺し殺される関係になる、その仕組みがいかにもありそうで、分かりやすかった。主人公シーザーが個人的な恨みをどんな形で晴らすことができるかはラスト近くで明らかになるが、かなり高尚なレベルの迷いがシーザー君に発生していたようだ。 

 

今回の敵役はそういった流れの関係で素晴らしかった。純粋に残酷なだけの殺し屋になっていなかった点が良い。キャラクター設定、話の流れの検討が十分になされていたと思う。くだらないSFに過ぎない話なんだが、実社会の問題点を的確に再現していたし、そして出エジプト記をも表現したかのような展開によって、なんだか感動作になっていた。  

 

技術面も素晴らしかった。サルたちの個性が分かるようなメイク、CGによる感情表現のレベルが高い。簡単なCG作業だけでなく、表現をスムーズに変化させるソフトを開発し、時間と金をかけて作業しているんだろう。 

 

今回は特に動物園出身のサルの個性が素晴らしかった。彼は典型的な勇者の個性ではなかったが、観客の笑いを誘う役割を担当し、重苦しいシーンの中でかすかな笑いの要素をもたらし、いかにも実在しそうなお調子者キャラクターを担当していた。この話の後に、また続編が作られるのだろうか?可能だとは思うが、これ以上の進展があると、かなり荒唐無稽な方向に移らざるを得ない気がする。この作品でいったん終了が良くないかと思う。

 

 

 

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