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2018年4月19日

ビリー・リンの永遠の1日(2016)

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- Columbia etc -

 

イラク戦争で英雄になった主人公は、帰還中にショーに駆り出される。疑問を感じながら出演するが、戦地のことが回想される・・・DVDで鑑賞。 

 

戦争が兵士たちに及ぼす影響の一面を、独特の視点で描いていた。おそらく普通の兵士は英雄になろうと考えるより、生き残りたいとか金銭的なことなどを考えるものだろう。PTSDになりそうになりながら、なぜ戦地に戻るのか?その迷いが上手く表現され、確かなレベルの芸術性が感じられた。 

 

監督はアン・リー。映像が非常に美しく、高性能のカメラを使い、3Dを基本にしてあるようだ。メイキング編の解説によれば、あまりの高解像度のために、役者達には演技臭い演技をしないように注意が出されたという。技術の進歩は、映画の作り方や俳優の演技の仕方にまで変化をもたらすもののようだ。でも実際の演技が特に斬新だったとは思えない。役者の能力のせいかもしれないが、真にリアルに演じ切れていたか疑問は残った。

 

主人公を演じていた俳優は初めて見たように思う。特に何が優れていたか分からなかったが、悩める普通の人物の雰囲気は充分に感じられ、この作品には向いていたかも知れない。ヴィン・ディーゼルがなぜか出演していた。彼のキャリアから考えると、この種の作品には個性が合致していないように思う。彼が有名になったのは、どちらかといえば二級品の、格好つけたアクション映画によると思う。リアルさが要求される映画で、彼はミスキャストだったのではないだろうか?そんな気がした。 

 

戦闘シーンについても、かなりの迫力はあったが、今は凄い映画も多いので、特別に臨場感で他より勝っていたとは感じなかった。音響や、アクション映画に必要なセンスの面で、専門のアクション映画に劣る部分があったかもしれない。でも新兵たちが緊張している様子の表現は優れていた。口や手が震えていることなどは、的確に描けていたと思う。  

 

この作品の特徴から考えて、戦闘シーンはもっと長く、もっとビビった様子が描かれていたほうが良かっただろう。無残な死体を見せられて、恐怖におののくシーンがあったほうが良い。 ゲリラの反撃で参ってしまうシーンも欲しい。そして繰り返す緊張、疲弊によって精神に影響が出ていく様子が描かれたほうが絶対に良い。戦地の緊張したシーンに、もっと時間を割くべきだったと思う。  

 

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