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2018年3月29日

ドリーム(2016)

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- 20C.Fox -

 

宇宙ロケット開発に携わった黒人女性たちの活躍を描いた作品。DVDで鑑賞。

 

勧善懲悪、努力と成功を描いていて、健全な精神にのっとった伝統的な作り方をしている。時々コミカルなシーンがあり、家族愛に満ちた話もあり、本当に伝統的。そこが鼻につく面はある。

 

ビデオ屋さんで見るまで、こんな作品が作られていたことを知らなかった。日本ではあまり話題になりにくい作品テーマだから、雑誌などであまり取り上げられなかった関係かも知れない。弱者の誰かが肉体的な虐待を受けて怪我でもしないと、日本人の注目は集まらない。冷遇、無視、静かな差別は、実際に体験した人間でないと分かりにくいものだろう。 

 

三人の女性技術者たちが中心になっていたが、特に計算能力の高い女性が主人公に相当していたようだ。彼女が能力を示すシーンは格好良い。数学に関しては、劇場主はとうとう意味を理解できないまま終わってしまったが、ロケットを飛ばす場合を考えると、受験で苦しんだ計算式にどのような意味があったのか推測ができる。だから、この作品は数学に興味を持てない学生が観ると、意味があるかもしれない。

 

新しい技術の裏には綿密な計算の基礎が必要であり、いきなり斬新な技術が開発されることは滅多にないものだと、この作品は教えてくれる。 高校の授業でも、意義を説明してくれたら、意欲が全く違っていただろうと劇場主は思う。ただ問題を解くだけの味気ない授業では、よほどな欲がないと続くものではない。この授業が将来どのような意味を持つのか、どのように学問が進んできたのか、そこが知りたかった。 

 

まあ、自分で調べるべきだったのだろうが、当時の図書館では本の在庫も限られていて調べるのは難しかった。今ならネットで数学の歴史が分かる。当時なら自分で数学の講師たちに聞いてみるくらいの心がけがないと、高校を非難はできない。 

 

医学部の心電図の授業も酷かった。ただ所見を羅列するばかりで、この不整脈は治療が必要なのかどうか、臨床的な意義といった面には話が及ばない。教科書にも曖昧な記述しかない。それでは理解の度合いも知れて来る。記憶するのは無理だ。まあこれも、時間をかけて調べれば少しは理解することもできたのだろう。不整脈の意義は、今でも現在進行形で理解が変化しているから、治療の必要性を論じることは簡単ではなく、とりあえず形を教えるくらいがせいぜいだったのかもしれない。

 

この作品は美しい話だが、少々出来過ぎている。演出過剰な面がかなりありそうだ。映画だから許されるとは思うものの、わざとらしさを嫌う人間もいると思う。IBMの高価なコンピューターを勝手にいじって良いとは思えないし、直ぐに理解して動かすのは、いくらなんでも無理じゃなかろうか?マニュアルを精読し、技術者に指導を受けた後、独自に努力して精通していったというのが真相ではないかと思う。     

 

 

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