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2018年3月 2日

ダンケルク史上最大の撤退作戦・奇跡の10日間(2004)

Bbc

 

- BBC -

 

第二次大戦初期、ダンケルクから奇跡的な脱出を遂げた英軍の作戦を描いたテレビドラマ。BBCの作品に外れはない。どこかの国の放送局とは違うので鑑賞。DVD版だったが、3部作になっており、全体では3時間近くだろうか、非常に長かった。

 

変わった作り方をしていて、実在の兵士の話を参考に、演じている役者たちがインタビューに答えながらドラマを演じていた。手法としてはリアルさを損なった面があると思う。インタビューは余計で、兵士の独り言などを使っても全く問題なかったと思う。

 

俳優たちの多くは知らない人だった。ガンバーバッジだけは有名だが、彼が主役というわけではなかった。群像劇という形式で、各地で活躍した兵士たちの個々の活動をリアルに描こうとしていたようだ。

 

作戦は有名だから何度も聞いていたが、一致団結してスムーズに行われたようなイメージを持っていた。霧に助けられて、ドイツ軍が気づかないうちにさっさと全員が逃げおおせた、出し抜かれたドイツ側が歯ぎしり・・・そんなイメージ。ノルマンディ上陸作戦より派手さが足りない。

 

でも作品で描かれていたように、英国政府の内部や連合軍の首脳との間で激しい論争があり、きわどい成功だったというのが事実かも知れない。すでに戦いは始まっており、まさか本当に講和を画策していたとは信じがたいが、考える人がいてもおかしくはない。第一次世界大戦で数十万単位の兵士を失った記憶が強かったろうから、戦争を継続するなんて非常識だという感覚はあったと思う。英国は立ち直っておらず、予算も全然足りなかったはずだ。

結果的チャーチルは英雄になったが、もし彼を支持する閣僚が少なく、世論も講和ムードが大勢を占めていたとすると、好戦的過ぎる人物として排斥され、失脚していたかも知れない。予算がないぞ!そんな意見もありうる。かなり微妙な場面があった可能性はある。そもそも電撃戦をやられてしまわないように、準備できていなかった点は失策だろう。

 

本当にドイツとの交渉は厳しいものになり、英国軍は再建できず、ドイツに従属する運命だったのだろうか?米軍が存在する以上、まさかドイツ軍が英国本土を占領し、英国を戦争から排除してしまうところまでは持っていけないだろう。和平交渉は可能だったかもしれない。兵士を失わないなら、捲土重来は可能と考えることもできた。

 

でも万が一、ドイツ軍が先回りして海岸を支配していたら、そもそも救出は全く不可能だったと思う。制空権がカギだった。英空軍がドイツ空軍の活動を抑えて自由にさせなかったから作戦が可能だった。30万人以上の人間を移動させるのは、何の妨害のない平和な今日でも大変な話。おそらく一般人たちが相手でも大混乱に陥り、長期化してしまうと思う。

 

満州からの引き上げの話を何度か聞いたが、英軍と比べて旧日本軍は誇りや作戦能力、意志や意識の面でずいぶんと差を感じる。攻めている時は優れていても、撤退の時は作戦慣れのようなものが必要で、一瞬にして何が必要か考え、適切な対処をとるという基本ができていなかったように思う。もちろん、現地を侵略していたことが最悪なんだが。

 

 

 

 

 

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