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2018年2月21日

3月のライオン 後編(2017)

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- Toho -

 

高校生の棋士が主人公。ライバルや仲間たち、親しい家族や育ての親家族たちと濃厚に関わりながら、将棋の世界を戦い抜く物語。DVDで鑑賞。前編があったことは知らなかった。後編だけでも充分な長さであり、前編なしでも話は理解できた。

 

主演は神木隆之介。大人しくナイーブな個性の若者を演じさせたら、他に人材がいないのかと思えるくらいに独壇場の状態。そろそろ他の俳優も出て来てほしいと思ってしまう。ちょっと昔だと吉岡秀隆がいたが、彼は声が聞きとりにくくて閉口した。神木は小声でもよく聞き取れる。独壇場は続くのだろうか・・・

 

ヒロインの演技はまだまだの印象だったが、倉科カナの印象は強かった。実質的なヒロインだったかも知れない。

 

原作は漫画だそうだ。見たことはない。漫画なら、相当に細かい演出ができるかも知れない。微妙な感情の交錯を、実写よりも詳細に表現できそうな気もする。これも知らなかったのだが、テレビアニメ版が放送中だそうだ。大変な人気作品ということになる。劇場主は全く知らなかったのだが・・・・

 

この作品には確かな魅力がある。将棋の勝負、逆転劇、棋士たちの人生をかけた物語が、上手くストーリーに織り込まれているからだろう。将棋のルールを知らなくても、ある程度は理解できるように、上手く映像でもって表現してある。その表現力は素晴らしいものだった。演出をやりすぎると、荒唐無稽な勝負になってしまう。実際の戦いは静かに、パチリパチリという駒の音や、立会人の読み上げる声だけが響くものではないかと思う。音響が響き、情景が浮かんだり消えたりするのは妙だ。絶妙なレベルに表現を抑え、荒唐無稽路線を回避していたように思う。

 

棋士という職業は、劇場主には理解できない。少なくとも生産的な仕事ではないから、いかに勝ち続けても、タイトルを総なめしても、あくまで趣味の世界に限定された話。偉い~という評価より、よく集中できたねという別世界の評価が基本になる。実業家と同じようには評価できない。

 

もちろん簡単に勝つことはできないから、大変な才能、努力と研究を経て勝利をつかんでいることは分かる。ただ、たとえば有村架純演じた女性が自分の見逃した手を指摘されて、自分の生き方を反省するという流れは、すこし無理を感じる。そもそも人生うんねんとは別な世界で戦っているのが基本なので、将棋の勝負と人生の勝負を関連付けるのは妙だ。あのシーンは余計ではなかったろうか?

 

棋士も人間として成長し、周囲の人と関わり合い、憎しみあったり支えあうことも多いと思う。それが作品のテーマだと考える。その点についてはよく描かれていた。最近は中学生棋士の藤井6段が大活躍している。コメントもを聞くと、大人よりも大人らしい内容で、人格の面でも完成された印象を持つ。ピョンチャンオリンピックで活躍した選手たちも、競技の能力以外の計画性、持続する意志の強さなどが凄い。劇場主も彼らの強い意志を習いたいと思う。

 

 

 

 

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