映画評

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2017年12月13日

美女と野獣(2017)

Beauty_and_the_beast

 

Dizney

 

ディズニーの実写+CG版。ヒロインはエマ・ワトソン嬢。相当なヒットだったらしい。熊本市の映画館でも結構長く上映されていた。DVDで鑑賞。

 

劇場主には、エマ・ワトソン嬢は特に歌が上手い女優というイメージはない。歌手デビューしたとかミュージカルに出演したと聞いたことがなかったからだが、この作品での歌唱力には特に問題を感じなかった。アフレコで誰かが歌っているようには見えなかったので、技術者達の力でかなりの補正をしたとしても、声質が良ければ十分にミュージカルで通用するのだと理解できた。

 

エマ嬢は理知的で美しい女優さんだが、見た目だけでハッとするほどの絶世の美女とは思わない。ハリウッドには天使クラスの美女で、しかも歌も本職級のタレントが大勢いると思う。人気のエマ嬢をとるか、実力の天使嬢を選ぶかは難しい問題だが、興行面で安定しているのはエマ嬢だ。無名の新人だと、おそらく興行成績は落ちていたに違いない。いかに優れたタレントであったとしても、そうだったろう。

 

エマ嬢は本が好きそうなイメージもある。「ハリー・ポッター」シリーズでも、本を自分で調べる有能な魔女ぶりだった。あのイメージは、普通なら優等生タイプとして嫌われそうなキャラクターになるが、役柄が良かったのか戦略が良いのか、この作品では有効に働いている。天使系の美女だと、本を読むイメージが湧きにくい。その点でもキャスティングは成功していた。

 

そのほかの俳優では、ガストンの役割が重要で、おそらく本当の主役は彼が相当するのだろうと思う。腕力がありそうで狡そうで、冷酷かつ野蛮だが、陽気な面もある目立つ悪役であることが望まれる。ガストンを主役にして、思い切り目立つダンス・ミュージカルにするなら、奇抜な作品になったかもしれないし、そうなればヒロイン役はただ可憐な少女で良い。

 

だから、もう一つの戦略としてはジョニー・デップ並みの有名俳優をガストン役にし、冒頭から彼に暴れまくらせ、清く正しい可憐な天使系美女を添え物にする手もあったかもしれない。興行面は不安定になるだろうし、非難ゴウゴウ、旧来のファンからそっぽをむかれてひどい目に遭うかも知れないが、劇場主としてはそんな作品を望む。

 

1991年のアニメは素晴らしい作品だった。セリーヌ・ディオンの主題歌は実に美しい曲で、いまだにロマンティックな場面でよく使われる。アニメのダンスシーンも立体的で、表現力が素晴らしかった。あのアニメがありながら、実写版で成功することが可能なのだろうかと、劇場主は疑問に思っていた。もちろん、この作品も劇場で観たいなどとは全く思わなかった。アニメのほうが上ではないか?それに子供達も大きくなって、ディズニー映画で観たがるのは「パイレーツ~」シリーズだけになってしまったから。

 

で、実際に観たこの実写版の印象だが、想像を超える完成度だった。ダンス、パーティーなどのシーンは実に美しく壮大なスケールで描かれ、アニメ版と違った迫力を感じた。立体感に関して言えば、やはり実写+CG技術であったほうがずっと上の表現力を感じる。家族で観るだけの価値はあったと思うし、それが興行成績にも反映されていたようだ。

 

 

 

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