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2017年12月10日

ブルックリン(2015)

Brooklyn

 

- 20C.Fox -

 

アイルランドからブルックリンに移住した娘の物語。故郷が気にかかる一方、自分の人生も築いていかないといけない彼女の運命は?

 

DVDで鑑賞。原作はアイルランド出身の教授の著作らしい。マイナーな企画だと思うが、まとまった内容で物語性も充分あり、ヒロインの心情に共感する部分も多かった。アイルランドとアメリカの間で行き来した人たちの中では、かなり遅めの時代の話らしい。1950年前後が舞台になっている。

ングアイランドが、その当時まだ開発されていなかったとは知らなかった。大富豪がうごめく一大住宅地帯だと思っていたが、意外に歴史は浅いのかも知れない。新しいほうが美しかろうから、それだけ価値が高いと考えることもできる。

 

故郷での苦しい事情に見切りをつけ、冒険に飛び出す際の不安の表現が素晴らしかった。原作者がそのような経験をしているはずだが、ヒロインのシアーシャ嬢も同様に小さいころに映画界デビューを果たしており、冒険の際の不安、興奮は体感済みなのだろう。表情が実に素晴らしかった。真面目そうな田舎娘を演じると、端正な顔立ちの彼女はサマになる。ド迫力のある大女優のような役柄ではなく、賢明さが浮き出るような庶民の役が似合うようだ。「グランド・ブタペスト・ホテル」でもそんな役柄だった。

 

古来のヒロイン像だったら、努力にもかかわらず大失敗、あるいは大悲劇に見舞われて、不幸のどん底に陥るべきだったかもしれない。でも、この作品は少し流れが変わっていた。ヒロインが夫とは別な男性に好意を抱き、故郷に帰っての自分の暮らしに大きな期待を持った様子だったが、あれが今日的で自然な流れなのかも知れない。実際にも心が揺れ動く娘さんたちは多いらしいから、リアルなヒロイン像と言えるかも知れない。多少の打算がないようでは、厳しい今日を生き抜いてはいけないのだ。もちろん重婚は良くはないが。

 

ヒロインのシアーシャ・ローナン嬢は、今回は役柄に合わせたのか、あるいは自然に太ったのか、かなりの肥満体形で出演していた。水着になるシーンでは、当時としてはセクシー、今なら肥満と分類されそうな体型を見せていた。まだ当時は大まかに言えばグラマーじゃないと魅力的と考えられないような時代だったろうから、役柄を考えてああしたのかもしれない。

 

ドーナル・グリーソンが故郷の好青年役として出演していた。過去の出演作より、かなり老けた印象を持った。彼は寡黙で真面目な好青年を演じると良い味が出て、すでに名脇役として確固たる位置にあると思う。齢をとっても、善きお父さん役を演じられそうな気がした。

 

 

 

 

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