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2017年11月22日

プロミスト・ランド(2012)

Promised_land

- Focus Features -

天然ガス採掘権を狙う会社の社員が主人公。自信たっぷりに町に乗り込んだが、住民の鋭い指摘に立ち往生。しかも環境保護団体の人間が妨害し、仕事は失敗の結果が見えてきたが・・・

良くできた作品だった。主役のマット・デイモンと、共演者のクラシンスキーが脚本を担当しているから、おそらくクラシンスキーのアイディアによる作品ではないだろうか?アイディア、各々の人物の性格、立場などの設定が非常に上手くできていて、簡潔に描かれていたと思う。起承転結もはっきりしていた。

背景をぼかして写しながら、その背景の人物が何をやっているかよく分かるように計算して撮影していた。その演出が自然な感覚につながり、効果的だったと思う。

マット・デイモンの演技が特に素晴らしかったとは思えなかったが、軽く言うジョークはどれも良かった。同行した同僚をフランシス・マクドーマントが演じていて、とても良い味を出していたが、二人の掛け合いがリアルで、かつユーモアに満ちていた。

マクドーマントが息子に電話で連絡を取り合うシーンが何度か出たが、あれで彼女の立ち位置、生き方が上手く表現できていた。良い演出だった。彼女は主人公にねたみを持っているから、一種の悪役であり、真の敵役と言える。善き悪役だった。

クラシンスキーが非常に大事な役を演じていた。主役の敵なんだから、もう少し憎々しげに演じさせることもできたと思う。あるいは、徹底的な二枚目、理想に燃えた熱血漢の好人物として演出することもできた。少し中途半端だったかも知れない。

今は電気自動車の注目度が非常に上がっている。中国がガソリン車を排除したら、一気に流れは変わるだろう。発電には石油が必要としても、ガソリン車による直接のロスが減る。石油の需要は、かなり減るのではないだろうか?減ることは、環境にとっては良いことだと思う。

シェールガスの開発会社は、意外に経営破綻する例があるそうだ。開発にコストがかかるからだろう。住民対策に、この作品で描かれたようなコストが様々かかっていたと思える。中東の王様が命令で採掘するのとワケが違う。コストを抑え、相場に敏感に対応して、そして成り立つ厳しい環境のようだ。

でも現時点では、石油会社はスーパーパワーを持つ。戦争だって平気で起こすと思われるし、大統領になれる人間は、おそらく石油業界を敵にしたりはできない。大統領だって、平気で殺すはずだ。ましてや一個の町の住人の将来など、気にとめないだろう。嘘も上手に平気でつくだろう、そんな気はする。

シェールガスの採掘の際に、水を注入することは有名。それで環境破壊がどの程度起こるか知らないのだが、この作品ではかなり説得力のある説明で、問題点を指摘していた。水だけじゃなく、化学薬品を使うのは本当らしい。地下深くだから、害は軽減されるとは思うものの、地下水に影響がないはずはない。

石油会社から、この作品に圧力はかからなかったのだろうか?

 

 

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