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2017年10月17日

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること(2017)

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- 河合雅司・著 ・講談社現代新書 -

人口減少問題を扱った本。劇場主は同問題について長いこと考えすぎ、脳味噌の回路がショートして思考不能状態に陥り、もはや諦めていた。いちばん気にしていたのは30年以上前だから、悩む時期を間違えていたようだ。この問題を放置するに近い形で、枝葉の問題に奔走している世論の大勢が腹立たしく、また情けなくも思えて、常時不安な気分を感じざるを得ないわけだから、精神衛生上良くなかった。 

人口問題に目途が立たないまま、小選挙区制を導入?郵政民営化?消費税をいじる?金融緩和に景気対策?・・・きっと間違って間違って、間違いまくって予算を無駄にしたに違いない。

この十年くらいは保育所整備を求める声が高まっていたが、それで問題が解決するかのような論理に呆れる。保育所は確かに足りないだろうが、整備は問題の本質からは大きく外れた、末節の課題である。あの声は、どんな風にして盛り上がったのだろう?建設業者や政治家の利害が一致したのかと疑ってしまう。分かりやすいから政策にしやすく、業者に利益を生むから選挙に有利、それだけという仕組みだろうか。

誰もが感じることだろうが、国家のことより自分の収入、差し迫った保育園建設などのことを考えた連中のほうが、ずっと良い人生を歩める。皆、余裕がないし、遠い将来のことはよく理解できない。誰かが良い事を考えても、人は身の回りの切実な事しか気にしないから、確実に無視される。その現実を思い知った。予言者は不当に評価され、損するばかり。ヨハネの時代からそうだった。

人口減少に対処するのは、本当は30~40年前が良かったのだろうが、研究者でも政治家でもない個人が、具体的に何かできる問題ではない。だから、焦ったり怒ったりせず、もっと事態が進み、緊迫し、皆が意味を分かるのを待つべきだった。義憤にかられてしまって、それでは遅いと焦ってはいけない。周囲の人に腹を立ててもいけない。時期は大事。そこを反省する。

個人でできることは、なるべく多くの子供を作ることくらいだ。でも、そう簡単にはいかない。家内は出産育児を非常に嫌がっていたから、なだめすかし、拝み倒してやっと生んでもらった。比較的条件が良かった我が家でもそんな具合だったから、通常なら夫婦の意見が合わなければ、もう仕方ないさと諦めるしかないだろう。

子の世話の負担は大きい。子供達が小さい頃、劇場主は掃除、洗濯、買い物、遊びなど、フルに協力し・・・・協力と言うよりむしろ劇場主が中心になって切り抜けたのだが、忙しい人間では限界もあるだろう。昔のように祖父母が面倒を見てくれる家庭は少ないから、たくさん子供を作るのは難しい。

収入も、おそらく不足している。自分が派遣社員だったら、家庭を持つ気になれたかどうか分からない。年収500万を軽く超えたら、複数の子供を作ろうかとも考えられるが、それ以下だと、かなりの無理を覚悟しないといけない。特に学費の問題は大きい。

そこで大学までの学費を無料化しようという意見がある。職を得るのに学歴は必要、格差是正につながるなど理屈は立派だが、単純すぎる考え方で即効性もなく、効果の実証もできていない。選挙目的の大盤振る舞いの公約としか思えない。全員が高学歴だと、結局は大学間の格差が大きくなるだけだ。よって有効性には乏しいし、無駄遣いに終わると予測すべきだ。この種の安易な考え方が、問題の是正を妨げてきたと思う。たとえば、大学が倍に増えたら子供が増えるか?普通に考えるとおかしいだろう。

人口減少を解決することは難しい。解決策のひとつは、やはり金で釣ることだと思う。著者も劇場主と同じ考えのようだ。3人目の子供に1000万提供することは、おそらく効率から考えて一番良い。問題も多いだろうが、生む能力と意志がある夫婦は、きっと答えてくれる。平等さの観点では問題があり、子を簡単に生めない夫婦に不平等を強いるが、効果が出ないと話にならない。

このような意見は過激と思われてきた。財源の問題もあるので反対されても仕方ない。だが反対すれば、問題を悪化させるだけだ。その他の政策では、効果を期待できない。学費を無料化しても保育所を整備しても、それだけでは意味がない。著者の意見は必須の方法で反対してはいけない、反対は全てをぶちこわす・・・この意見の、そういった意味を理解していただいて、実行に移して欲しい。

もう既に時期を逸しているのだから、方針の基礎となるべき「金釣り作戦」は、早急に開始したほうが良い。

 

 

 

 

 

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